[CML 065728] 関西救援連絡センターニュース2022年10月号

shoichi matsuba mauricemerleau @ yahoo.co.jp
2022年 10月 20日 (木) 09:46:49 JST


第365号 2022年10月
関西救援連絡センター
〒530‐0022大阪市北区浪花町11‐14
   電  話 06-6372-0779
   振替番号 00910-2-73915
発  行  隔月刊(原則として) 
賛助会費  月 額 1口   500円
年間購読  送料共 1部 1,500円


■再審中の死刑執行違憲国賠 第7回口頭弁論報告

 九月七日午前十時から、第七回口頭弁論が開かれた。原告の求釈明への応答や通達の提供を被告は拒否し、裁判所に対して訴訟自体が失当であるとの主張を繰り返している。
 被告の主張は従前どおりで、再審請求中に死刑を執行してはならないとの明文規定はなく、職務上の法的義務を負わないと主張し、ゆえに国賠法一条一項の適用上の違法はなく、この裁判は国賠訴訟であり国賠法一条一項の適用上の違法の有無が争点であるとする。
 また、再審請求中の死刑執行は憲法三二条が保障する「裁判を受ける権利」に違反し憲法十三条、三一条の保障の趣旨にも違反するとの原告の主張については、憲法三二条は、再審開始についての手続きを含まず、死刑確定者への死刑執行は裁判を受ける権利の侵害にはならないと、主張している。
 原告は、国がかつては死刑執行に対して慎重な態度をとっていたことを証明するするため、以下の文書の提出を求めてきたが、被告は①②は「効力を失ったとして廃棄されたのか、文書は所持してい
ない」、③は通達を出したことは認めているが、提出を拒否しているため、文書提出命令を請求中である。
 通達は以下の三通である。
①昭和二六年九月五日第三一五五五号(刑政長官発検事総長検事長検事正宛)「死刑確定者について再審請求があった場合の報告について」
 通達の記載(一部)
 【死刑確定者に対しては再審事件の終結を見るまで死刑執行命令発付を見合わせることが相当と思料され】
②昭和二六年十二月二七日検務第八二八七号(刑政長官発検事長検事正宛)「死刑執行命令発付後執行着手前死刑確定囚から再審請求があった場合の取扱について」 
 通達の記載(一部)
 【死刑執行は特に慎重な取扱を要するものと思料されるので、右のような申立があった場合には、速やかに法務総裁の指揮を仰ぐよう致されたく、なお、法第四七六條の期間の関係上法務総裁の指揮を仰いで措置する時間的余裕のない場合には一応死刑の執行を停止し直ちに法務総裁の指揮を仰ぐよう致されたい】
③昭和三二年一月二八日第一五八五号(刑事局長発検事総長検事長検事正宛)「死刑確定者について再審請求があった場合の告について」 
 通達の記載(一部)
 【当局では場合によっては、再審事件係属中にかかわらず死刑執行も止むを得ないと思料するのであるが、この点については、なお、個々の事件についてその再審請求の実体を把握し、慎重に検討の上執行の可否を決定する必要があるので、今後貴庁において、刑事関係報告規程により、死刑確定者から再審の請求があった場合の報告をするにあたっては、その請求の理由の要旨を、又再審請求に対する決定の報告をするにあたっては、その決定謄本をそれぞれ添付して報告することとせられたい】
 田口裁判長から、双方の主張についての整理も行われ、原告の憲法三一条違反とする新たな主張への被告からの反論がまだであり、また通達③の廃止の有無についての求釈明に対する被告主張は、次回までに提出予定とされた。
 また、原告から提出されている、上記通達に対する文書提出命令に対しては、特別抗告の日程も考慮の上、次回口頭弁論までに確定できる時期に決定を出すと、田口裁判長は明言した。
第八回口頭弁論 十一月三十日十時 二〇一号法廷
第九回口頭弁論 二月八日十時 二〇一号法廷

国家賠償法
第一条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

憲法
第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
第三十二条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。


■関西生コン弾圧報告

 九月十三日、大津地裁でコンプライアンス事件の論告・求刑が行われた。この事件では、建設現場のコンプライアンス啓蒙活動やビラまき活動が「軽微な不備に因縁をつけ」る企業恐喝や威力業務妨害だとされ、一年で延べ三九人の組合員と六人の生コン協同組合役員らが十回にわけて逮捕された。準大手ゼネコンのフジタ、セキスイハイム近畿、東横イン電建、日本建設などが被害届を出し、滋賀県警組織犯罪対策課が事件に仕立てた。公判は 五十回を超えた。
 求刑は、湯川委員長に八年、執行委員二名に四年六月と四年、組合員二名に三年六月と一年六月、元組合員一人に一年六月。
 また昨年七月の大阪地裁の武前委員長の裁判で、恐喝の事実は認められないとして無罪判決が出ているタイヨー生コン事件(恐喝)についても、湯川委員長を実行犯としている。
 判決は来年の二 月下旬から三月上旬で予定されている(詳細は「関西生コン弾圧事件ニュース」七九号を参照)。
 また上告していた 「大阪11・21弾圧(威力業務妨害)」(西山+柳氏)は八月二三日に、「大阪9・18、10・9弾圧(威力業務妨害)」(7名)は九月二八日に、上告棄却の最高裁判決があり、高裁判決が確定した。
 「大阪11・21弾圧」の高裁判決は、西山氏、柳氏とも懲役二年六月(執行猶予五年)。 
 「大阪9・18、10・9弾圧」の高裁判決は、七牟礼氏に懲役二年(執行猶予四年)、その他の組合員には懲役一年六月~一年八月(執行猶予三年~四年)。
★11月6日(日)13時半開始 京都部落開放センター4F 参加費¥1200
ドキュメンタリー映画「ここから ―関西生コン事件と私たち」
よびかけ:労働組合つぶしの大弾圧を許さない!京滋実行委員会



★関生弾圧公判日程一覧
 変更されることもあるので直前に確認を!!
※傍聴券は抽選。抽選の〆切時間は、裁判によって異なるので、「傍聴券交付情報-裁判所」で検索して確認を。
※裁判や被疑事件の等の詳細については
連帯広報委員会(http://rentai-union.net/archives/2467)
労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会(https://www.facebook.com/groups/1078892485618879/)
関西生コン労組つぶしの弾圧を許さない東海の会 (https://kannama-tokai.jimdofree.com/) 
稲村守(かんなま勝手連しが)で検索を。

◆大津地裁◆
コンプライアンス事件「湖東協8・28(恐喝未遂・恐喝)、大津協11・27(威力業務妨害)、湖東協2・5(威力業務妨害)、大津協6・18&7・17&8・20(威力業務妨害)弾圧」(湯川氏他5名)(合議)
 10月24日10時~    最終弁論

フジタ事件「湖東協2・5弾圧(恐喝未遂+威力業務妨害)」(9名)(単独)
 いずれも10時~(内容は未定)
  10月31日/11月14日/11月28日 /12月19日

◆京都地裁◆第2刑事部
「加茂生コン(強要未遂・恐喝未遂)、近畿生コン(恐喝)、
ベストライナー事件弾圧(恐喝)」(武+湯川氏)
 以下、いずれも10時~ 検察側請求証人
  11月10日/ 11月24日/12月 8日

◆大阪高裁◆
「大阪11・21弾圧(威力業務妨害)」「湖東協8・28弾圧(恐喝未遂)」「タイヨー生コン4・11弾圧(恐喝)」(武氏)
大阪高裁第2刑事部
 7月13日大阪地裁判決(懲役3年、執行猶予5年:未決算入190日、求刑8年)
 第1回 2023年1月16日(月)午後3時
「和歌山広域7・22弾圧(強要未遂+威力業務妨害)」(3名)
 3月10日和歌山地裁判決:懲役1年4月、懲役10月、懲役1年(執行猶予3年)
 第1回未定

◆上告中◆
「加茂生コン事件弾圧(恐喝未遂)」(2名)

◆最高裁(上告棄却)◆
 8月23日「大阪11・21弾圧(威力業務妨害)」(2名)
 9月28日「大阪9・18、10・9弾圧(威力業務妨害)」(7名)


■九月一日からスタートしました 「先端的弁護による冤罪防止プロジェクト」

 これは、冤罪の可能性がある事件や死刑判決の可能性のある事件を担当する弁護人に対して、経験豊富な刑事弁護人による後方支援などを行うプロジェクトで、「弁護士法人 プロフェクト法律事務所」などが出 資する「一般財団法人プロフェクト大谷司法支援基金」による取り組みである。
 このプロジェクトは、 罪を犯していない多くの人が有罪とされ、処罰されている現状を変えるためのものである。
 刑事司法における弁護人の役割は、被疑者・被告人の権利擁護の貫徹にあることを意識した上で、防御権及び弁護権を積極的に行使し、検察官の設定した枠組みにとらわれない主張や科学的な立証に努め、高度な法廷技術を駆使して、徹底的な弁護活動により冤罪を防止することを目的としている。
 また、鑑定、実験、通訳などへの資金支援を行う。
 対象事件は、
① 冤罪の可能性のある事件で、弁護人が構成要件該当性のないこと又は違法性阻却事由のあることを理由として、全部又は一部の無罪を主張する事件。
② 死刑判決が言い渡される可能性のある事件で、弁護人がこれを回避するために先端的弁護を行う事件。
 ②に該当する場合以外は、量刑または責任能力の有無・程度のみを争う事件は、支援の対象とはならない。
 また、資金支援は、被疑者・被告人に必要な資力のないことが、支援の要件となる。 
 アドバイザー弁護士は以下の十二人。
・後藤貞人(大阪弁護士会)
・高野 隆(第二東京弁護士会)
・神山啓史(第二東京弁護士会)
・秋田真志(大阪弁護士会)
・河津博史(第二東京弁護士会)
・菅野 亮(千葉県弁護士会)
・宮村啓太(第二東京弁護士会)
・田岡直博(香川県弁護士会)
・遠山大輔(京都弁護士会)
・金杉美和(京都弁護士会)
・坂根真也(東京弁護士会)
・高山 巌(大阪弁護士会)
 総合支援の場合のアドバイザー弁護士は、原則として、弁護人に就かず後方支援を行う。事件記録を共有し、相談対応、リハーサル・クリティーク、情報提供、専門家紹介などを行い、場合によっては弁護人に就任することもある。費用はプロジェクトが負担し、総合支援の場合にアドバイザー弁護士の判断で実費の支援を当プロジェクトに要請することもできる。
 資金支援は、アドバイザー弁護士が関与することなく、当プロジェクトが、被支援弁護士に対し実費の支援のみを行う。
※  ※  ※
事務局 〒600‐8009京都市下京区四条烏丸西入る函谷鉾町101番地
アーバンネット四条烏丸ビル7階
弁護士法人プロフェクト法律事務所内
電 話 075(257)6100
FAX 075(257)6111
 詳細は、プロジェクトのウェブサイトへ
https://sentan-bengo.jp/foundation/
※注 このプロジェクトの対象は、弁護士です。


■東京拘置所の死刑確定者への二四時間カメラ監視 プライバシー権侵害で国賠提訴へ 

 東京拘置所在所中の死刑確定者が、十四年以上にわたって着替えや排泄の様子まで監視カメラで二四時間監視され続けているのは人権侵害であると、国賠が準備されている。
 今年八月二三日出されたCPR(監獄人権センター)の声明では、以下の事実が報告されている。
 今年五月にCPRが行った東京拘置所の死刑確定者五人へのインタビューによると、そのうち四人は三年から十五年近く、二四時間カメラで監視され続ける独房で監禁されており、五人目の死刑確定者は、今年三月一日付の転房により、十四年以上ぶりに監視カメラのない居室に移されたという。
 また、声明の発表時点では、他の四名の受刑者は依然として監視カメラの設置された居室(以下、「カメラ室」という)にいる。東京拘置所の死刑判決を受けた女性被収容者も、男女の職員が配置されたカメラ室に収容されている。
 死刑確定者に対するビデオ監視は法律の規定はなく、恣意的に実施されている疑いがある。刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(刑事被収容者処遇法)は、死刑確定者と他の被収容者との接触を原則として禁止し、死刑確定者は独居拘禁に付されることを明記しているが、カメラ室に関する規定はない。そのため、各刑事施設では、要注意者等処遇細則を独自に定めており、要注意者等処遇細則は、「特に厳重な監視が必要な」死刑確定者を要注意者等に指定し、カメラ室に収容すると定めている。



■公判日程
11月2日15時  吉田寮現棟/食堂明渡請求訴訟* 京都地裁(民)第15回
11月7日11時半 京都・主基田抜き穂の儀訴訟   京都地裁(民)第6回
11月8日16時  京大タテカン訴訟*       京都地裁(民)第7回
11月30日10時 再審中の死刑執行国賠      大阪地裁(民)第7回
12月1日10時半 琉球遺骨返還訴訟*       大阪高裁(民)第2回
12月14日15時  センター強制排除反対訴訟   大阪高裁(民)判決
12月15日14時 マイナンバー違憲訴訟      大阪高裁(民)判決
12月22日15時  当日告知死刑執行違憲訴訟   大阪地裁(民)第5回
2月2日14時40分 フェミニズム科研訴訟*    大阪高裁(民)結審
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*は傍聴券が抽選になる可能性の高い裁判
※京都・主基田抜穂の儀違憲訴訟の詳細は下記のURLへ
 http://noyasukuni.g2.xrea.com/sukidensosyo/cyottomatta.html
「靖国合祀イヤです訴訟」で検索して→「京都・主基田抜穂の儀違憲訴訟」へ
※吉田寮現棟/食堂明渡請求訴訟は下記のURLへ
 吉田寮公式サイト https://sites.google.com/site/yoshidadormitory/
 吉田寮広報室 https://twitter.com/yoshidaryo_koho
※「マイナンバー違憲訴訟」 詳細は、「共通番号いらないネット」のHP→「マイナンバー訴訟」で確認を
※フェミニズム科研費裁判
 詳細はフェミ科研費裁判支援の会のHPへ http://kaken.fem.jp/

★即位・大嘗祭違憲訴訟第13回口頭弁論
  2月13日(月)11時~ 103号法廷
詳細は、即位・大嘗祭違憲訴訟の会 HPへhttp://sokudai.zhizhi.net/
★ノーハプサ2次訴訟控訴審 第6回口頭弁論
  1月17日(木)2時~ 高裁101号法廷

■催し物など案内
◆主基田抜穂の儀違憲訴訟 第8回口頭弁論
 日時11月7日(月)11時30分~(30 分前正門前集合)法廷京都地方裁判所101号法廷(地下鉄丸太町)
☆弁論終了後、弁護士による恒例かみ砕き報告会(京都弁護士会館地下ホール)
 準備書面5では、「象徴天皇制における政教分離原則は大前提、天皇の宗教活動(皇室祭祀)は天皇の私的領域内に限られ、それらに対する国や地方自治体の関与も一切認められない。そこには「目的効果基準」や「社会的儀礼」の入る余地はない」という新しい論点を展開した。
次回口頭弁論では準備書面6について東北大学の佐々木弘通教授の論文に基づき、さらに詳細に主張・立証の予定。ますます目が離せない!

 10月5日付で、裁判長が替わりました。新裁判長は植田智彦氏、大阪高裁第8民事部の次席判事でした。裁判体の構成の変更に伴い、次回は更新手続きがあります。

連絡先:大阪市中央区内淡路町1-3-11 市民共同オフィス内
合祀イヤですアジアネットワーク気付?/FAX 06-7777-4935


◆「林眞須美さんは無実!あおぞらの会」主催
学習会:10月30日13時半~16時半 クレオ中央セミナーハウス 参加費¥500
 講師:石塚 伸一氏
企画:林眞須美さんの生地「矢櫃へ行きませんか」
11月5日(土) JR和歌山駅改札内集合12時 12:22発紀勢本線に乗車


◆公開研究会・シリーズ
公開研究会・シリーズ
「鴨志田祐美の弁護士放浪記」
 法廷で華々しく無罪を争う刑事弁護の「本流」から遠く離れた辺境で、しなやかで型にはまらず、当たって砕ける試行錯誤を繰り返してきた鴨志田の弁護実践をとおして、刑事弁護、刑事司法とは何かを問いかける全5回のシリーズです。
講師:鴨志田祐美 氏(京都弁護士会)
  会 場:オンライン(Zoom) 参加費:無料 ※事前登録制
  申込フォーム(Peatix): https://crownlawer1.peatix.com/
    龍谷大学犯罪学研究センターのHPから https://crimrc.ryukoku.ac.jp/
  主催:一般社団法人刑事司法未来(CJF)
  共催:龍谷大学犯罪学研究センター(CrimRC)
[以降の予定]11月 第5回 法改正へのチャレンジ~弁護活動から立法提言へ~
(詳細は、HPでご確認を)  
龍谷大学犯罪学研究センターのHPには過去の研究会のYouTubeなどもアップされています。


◆司法改革大阪各界懇談会
10月定例会(※事前申込制 大阪弁護士会のHPから)
10月21日(金)午後6時~8時45分
裁判官から市長へ-改革のこころ- お話:浅見宣義 氏

11月定例会(詳細未定:司法改革大阪各界懇談会のFBでご確認の上、申込を)
 当番弁護士制度30年-これまでとこれから-(仮題)お話:山口健一弁護士

12月定例会(詳細は司法改革大阪各界懇談会のFBに後日アップします)
12月20日(火)午後7時~8時45分
刑事裁判のIT化について 講師:山本了宣弁護士 



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