[CML 065714] 好評発売中『別冊飛礫7号』(沖縄特集)

吉田 宗弘 mnhryoshi @ yahoo.co.jp
2022年 10月 18日 (火) 00:40:40 JST


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つぶて書房の吉田宗弘です。

 

『別冊飛礫7号』(琉球再併合50年を撃つ―日米共同軍事植民地化に抗して―)はこの9月に発行した。好評発売中です。

「別冊飛礫3号」(琉球再併合40年を撃つ-天皇の沖縄訪問に反対する)を発行して10年。琉球・南西諸島の日米共同軍事植民地化は飛躍的に進み、ウクライナ戦争を背景として「台湾有事=日本有事」が声高に叫ばれ、「沖縄戦の再来」への怒りが琉球の地底からわき上がっています。ここに「再併合50年を撃つ」を発行しました。ぜひ、ご購読を!

以下、「目次」と「発行にあたって」、注文の仕方を掲載します。

 

『別冊飛礫7号』

琉球再併合50年を撃つ

―日米共同軍事植民地化に抗して― 

【目次】

〇 発行にあたって 『飛礫』編集委員会

〇「新たな戦争に抗して―沖縄の「日本復帰」とは何か」 知花一昌

〇「国策への怒りが私の闘いの原点」 奥間政則

〇「宮古島軍事化フォトレポート2022 

 軍事要塞化と調(ととの)う戦争準備」 清水早子

〇「ウクライナ戦争下のバイデンのインド太平洋戦略と

 日本の国家安全保障戦略」 池田五律

〇「国家に捏造される沖縄戦体験―捏造の系譜―」 石原昌家

〇「琉球民族を差別する京都大学とのたたかいはつづく」 松島泰勝

〇「未来への遺産―琉球共和国独立派の文化論的思案」 金城 実

 

*1000円+税 (3冊以上は2割引) (送料 3冊まで180円)

*FAX又はメールでご注文ください。

 

つぶて書房

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 ホームページあり

 

【発行にあたって】 『飛礫』編集委員会

 「岸田文雄首相と天皇陛下は復帰実現の要因は「日米両国の友好と信頼」だと口をそろえた。事実の一断面だとしても、沖縄を米軍支配下に切り捨てた当初の決定も日米合作だったことに触れなければつじつまが合わない」(ゴチックは引用者)

 これは沖縄タイムス(5月16日)のコラム、[大弦小弦]の怒りである。「沖縄に寄り添う」こころ優しき天皇という天皇礼賛のマスメディアが多いなか、天皇徳仁(なるひと)を岸田首相と串刺しにして弾劾したのだ。「日米両国の友好と信頼」とは、沖縄人民にあっては、米軍占領(米軍事植民地)27年と沖縄再併合後の日米安保50年であり、平和への願いが踏みにじられて「戦争の島」を強制され、生きる権利・働く権利を蹂躙され、自己決定権(自決権)を簒奪され続けてきたことにほかならない。

 しかも現在、アメリカが地に落ちた覇権を取り戻すバイデン戦争戦略(「民主主義vs専制主義」)を掲げて対ロシア戦争に乗り出し、日本を巻き込んで沖縄を再び戦場にする対中国戦争を準備するにいたったなかでのことだ。日米両国にあっては、沖縄はどこまでも「戦争の道具」でしかない。

 1972年「復帰」(再併合)によって日本軍(自衛隊)は沖縄戦後初めて沖縄に再上陸した。そして日本国家(ヤマトゥ)は、50年かけて琉球諸島全域に日本軍(自衛隊)を配備し、米日合同軍事訓練を日常化し、「専守防衛」の枠を突破した対外戦争、琉球諸島を戦場とする日米共同の対中国戦争を計画するまでになった。それは沖縄が、アメリカの軍事植民地(有事即応の「太平洋の要石」)から日米共同の軍事植民地へと歴史的な転換をはかることを意味した。

 極右安倍晋三政権を引き継いだ岸田政権は、日清戦争以来の台湾にたいする植民地戦争・支配と度重なる中国への侵略戦争、とりわけ2千万人をも殺戮した日中戦争やアジア太平洋戦争、そして住民の三分の一を、また強制連行した朝鮮人を死に叩き込んだ沖縄戦など、すっかり忘れており、日本国家(天皇)の戦争・戦後犯罪など「どこ吹く風」なのだ。だから、今度は「アメリカの戦争」に沖縄を、日本を、そして何よりも中国と台湾を叩き込むことに平気でおれるのである。それが「日米両国の友好と信頼」の発揮(=日米安保)というわけだ。戦争犯罪、植民地支配犯罪の忘却は、新たな戦争の不可欠の要件となっている。

 「沖縄復帰50周年記念式典」と天皇行事「沖縄国民文化祭2022」「美(ルビ=ちゅ)ら島おきなわ文化祭」、会期:10月22日~11月27日)の特徴は、冒頭に記した岸田と天皇のあいさつに尽きる。岸田政権と支配階級は改めて「日米両国の友好と信頼」を強調し、アジアと世界に向かって発信するのだ。

 天皇徳仁の、オンラインではない直接の「沖縄国民文化祭2022」への出席は、こうした確認を、日本国家(天皇制)への国民の統合、とりわけ沖縄人民の統合としておこなうものである。明仁天皇がつくりあげてきた「沖縄に心を寄せる天皇」像を天皇徳仁も演じ、「天皇を喜んで迎える沖縄」というおぞましい演出がおこなわれる。それは服属儀礼以外の何ものでもない。確かに、日本(ヤマトゥ)の政府・支配層と沖縄の支配層の間には「相矛盾する」利害がある。しかし、その「利害を超えて」国民統合の天皇イベントをおこなうのである。そこに、戦争を準備するヤマトゥ権力の政治意図がある。天皇制こそ日本再併合(沖縄軍事植民地化)の最大のツールなのだ。

 ヤマトゥの人民である私たちは、「復帰50年記念行事・沖縄国民文化祭2022」にしっかりと目を向け、闘いを準備しなくてはならない。沖縄人民との連帯がいまほど求められるときはない。これはなにより戦争を阻止する闘いであり、植民地宗主国の歴史を生きてきた労働者である私たち自身の解放闘争である。天皇の沖縄訪問(「巡幸」)を許してはならない。

 本特集を討議資料として、役立てていただければ嬉しい。


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