[CML 064372] 人類の未来
森中 定治
delias @ kjd.biglobe.ne.jp
2022年 5月 8日 (日) 15:05:38 JST
みなさま
こんにちは。
私は、「戦争は人間のすることではない」と考える、一人の老人です。
日頃から、平和を切望する政党だと考えるゆえに、ある左派政党の発行する新聞の日曜版を永くとっています。この5月からキャンペーンで頼まれ、日刊紙も取りました。
その政党の党首が、ロシアから入国禁止の措置を受けました。それに対してその党首は「私のロシア批判はあくまでも国連憲章と国際法に基づくものだ。・・・・自らを国際的孤立に導く愚かな決定だ」とまたロシアを批判しました。
国連憲章違反はその通りだと思います。他の全てから切り離して、それだけしか見なければそれは本当に正しい。この党首は、なぜロシアが自分を入国禁止にしたのか全く理解できないのです。
戦争はいきなり始まるものではありません。そこに至るまでの長い時間をかけた作戦や工作があって、初めて表面に出るのだと思います。侵攻してきた人たちを見て、その場面だけ切り離して侵攻してきた人たちに即時撤退!とか戦争反対!とかあなた方を許さない!とか叫んでも意味がないと思います。
3月4日のNHK「ウクライナ侵攻直前 プーチン大統領は何を語った?」で、プーチン大統領は、NATOによるウクライナの軍事開発は受け入れ難いと述べています。また目的は、ウクライナの占領ではなくロシアを守るためとも述べています。
この党首は、それらロシアの考え方、この戦争の経緯について一切触れません。侵攻したのがどちらであるかと言う点だけを見て、それが国連憲章違反だと言う一点だけで、弾劾しジャッジしています。これではロシアが怒るのも無理はありません。ロシアの意図は無視!一片の考慮もないのです。ゾッとするほどの冷たさと人間不在です。
戦争を終わらせる方法は二つしかありません。
A 双方がそれぞれの望みを出し、相互の理解によって和解する
B 殺し合いと破壊の徹底によって、相手を降参させるか滅ぼす
この二つだけです。
この党が配布するチラシや選挙カーでの声を聞いても、ロシアは即時兵を退け!ロシアを許さない!こんな声ばかりです。これでは、この党を信じ、その一挙一動を正しいと考える人たちは言うまでもなく、私のようなこの党の平和を求める精神は尊敬するけれども、他党の主張も常に見る冷静な中立の立場の人間も、一方的にロシアへの憎悪だけが膨らんできます。いくら正しいことを言っていても人間としての温かさの感じられない機械のような主張、結果としてロシアへの憎悪を煽るだけなら、この党は上記のAではなくBをおこなっています。
プーチン・ロシアを滅ぼし、ロシアをウクライナのような親米国家にして、本丸の現代中国を海と陸の両面から攻め、政府を転覆させて親米国家にするという目的を持った政党ではなく、本当に平和と温かい人間の心を尊重する政党であるがゆえに、私は残念でなりません。
両面から攻められて体制が転換し中国も親米国家になる・・。
そうなると、中小の数カ国を残し、世界は米国の支配下になります。
新自由主義に貫かれる世界です。
左派政党は、世界が新自由主義に覆われていくことを想像できないのでしょうか。世界がどうなっていくのか、未来に対する想像力が必要のように思います。
新自由主義の基盤・・つまりこの世には個人しかない、個人が死ねば全てがきえる。それゆえに個人の意志が何よりも尊重されるという自由至上主義、リバータリアニズム。
これは真実・・ゆえに人間からこれが消えることがありません。
でもこれは、真実の半分だけです。
もう半分があります。
個々の個人は、未来に続く人類という一つの個体の部分。
ここから自分が死んだ後の自分、つまり未来の人類についての思いが出てきます。余命もあまりない私が未来の人類に向けてこのような文章を書くのも、その理由によります。真の利他性もそこから出てくると、私は考えています。
全世界が新自由主義に覆われた国家ではなく、バランスの取れた世界でありたいと願うなら、戦争を高みからジャッジするのではなく、どうしたら終わらせることができるのかと言う視点で考えていただきたいと思います。
知人が、ルラ元ブラジル大統領のこの戦争に対するコメントを送ってくれました。
https://www.afpbb.com/articles/-/3403312?pid=24473306
同じ左派政党でも、主張がこれくらい大きく違います。
この知人は、私に以下の内容のメールもくれました。
あまりにも自分だけが正しいと信じ込んでいると、私やこういった中立の人たちを失うことになると思います。
ーーーーーーーーーーーー
戦争当事国でもない日本がまるで自国の戦争のようにカッカして一方に肩入れしては戦争というウクライナ国民が今経験している「地獄」状態を止めさせる役割を捨てているようなものです。
第三者が仲介、調停に入るためには中立の立場でなければうまく行くわけがありません。
ただ、時間と共にアメリカが自国の兵士の犠牲を出さずにウクライナの兵士の犠牲のもとにロシアを痛めつけるという、アメリカにとっては理想的な「代理戦争」をしていることが世界中の人々に知られ始めました。これまでは朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争、アフガン戦争とアメリカは自国の兵士に多くの犠牲を出してきましたが、今回ほど犠牲を出さずに済む戦争は初めてだと思います。だからこそ止めたくないのでしょう。
アメリカが自らの冷酷さを反省しなければ、このウクライナ戦争がアメリカの衰亡の始まりになると私は個人的に感じています。(一部略)
森中
CML メーリングリストの案内