[CML 064740] 木下尚江再発見とその偉業 ファシズムに抗して

south sea dream_sea05 @ yahoo.co.jp
2022年 6月 23日 (木) 10:55:57 JST


昨日、東西本願寺を結ぶ非戦・平和共同行動」の講演会、素晴らしかったです。この東西本願寺共同の取り組みは20年以上続いて来ているそうです。
 東京在住のチョン・ヒョンジョンさんの『国家と仏教-鎌倉仏教の発見者 木下尚江』は刺激的なお話。緻密なご研究。
 ご著者には『天皇制国家と女性 日本キリスト教史における木下尚江』etc。読みたいです。
 法然と親鸞を評価し「国家権力に弾圧されぬ宗教、法難なき宗教は偽物、昨今の仏教は腐敗堕落」と法然・親鸞の手紙や遺言を例示し、木下尚江の思想とその巨大な活躍の意義を明らかにされた。また、廃娼運動や女性へも普通参政権にも取り組んだと。幸徳秋水や高木顕明らとの親交が背景に。「大逆事件」や「朝鮮併合」の年に「仏教は国家と対峙すべきだ」と木下尚江は執筆で檄を飛ばした。教祖の教えに忠実たれと。
 法然は死後、墓も霊廟も寺も作るなと遺言。親鸞も「自分の遺体は川に流せ」と。仏教の堕落と権力におもねる腐敗への危惧を強く持った両者。裏切った弟子たち。木下尚江は法然・親鸞が危惧した「巨大化け物と化する教団は堕落する」との言葉を引用し、民の為に戦闘的であれ!と発言し続けた。貴族や武士の宗教であった仏教を民衆の魂の救済に大きくパラダイム・シフトした法然・親鸞への高い評価と再発見の立役者が木下尚江だ。
 最初、主催者挨拶も「仏教界は存続延命に汲々し、第二次世界大戦の戦争責任もまともに向き合わず、部落解放運動からの糾弾を初めて受け、人権と平和を考え始めた」との挨拶もありました。
 知らなかった木下尚江の活躍。それが無ければ法然・親鸞の今日のような評価も無く歴史に埋没、教科書に記述されている「鎌倉新仏教」との言葉すら生まれなかっただろうと。
 木下尚江はその執筆活動の為、軍国主義権力に20年以上、その存在と言論は発禁・焼却を繰り返され暗黒の中に封じ込められた。
 節を曲げぬ木下尚江、次第に忘れさられようとしていた彼にスポット・ライトを当てたのが韓国の肥大・拝金主義に堕した韓国キリスト教会をも、この講演でも鋭く批判の矛先を向ける木下尚江と同じくキリスト者のチョン・ヒョンジョンさんだ。
 木下尚江は死の少し前に洗礼を受けたと言う。
 2年前より彼女の講演を企画し、コロナ禍で果たせなかった、ようやく実現。ファシズム下、鋭い日本仏教批判を続けた木下尚江を研究するチャン・ヒョンジョンさん招聘を執念で実現させた東西本願寺共同行動の方々の太っ腹と真摯さ、真面目さにも敬服だ。
 共同行動は講演会の後、三条鴨川河原に集まり四条河原町界隈をデモ行進。反戦・平和・反差別の想いを込めた東西本願寺共同行動。
 素敵な講演会に参加でき、得たもの多々。
 チャンさんの新著刊行にも大期待です‼️



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