[CML 064935] テント日誌7月14日版
木村雅英
kimura-m @ ba2.so-net.ne.jp
2022年 7月 17日 (日) 08:35:25 JST
(転送します)
経産省前脱原発テント座り込み日誌2022年7月14日版
経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2022年7月14日は、座り込み3,960日目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。
◎ 安倍元首相が銃撃の報が流れてきて 7月8日(金)前半(S・S)
事務所で荷物を台車に括り付け、しばらく休んでいると、奈良県で参議院選挙の街頭演説中の安倍元首相が何者かによって銃撃され、心肺停止と言うニュースが飛び込んできた。それ以上のことがなかなか入ってこない。経産省前までやって来てセッティングを始めたが、あまり詳しい情報が流れて来ない。容疑者は元海上自衛隊員であるとか、
かなり、経ってから、心肺停止の状態から死亡されたとの状況変化があったが、ことがことだけに、知らされる事実は多くなかった。
SNSでは容疑者の背景には「在日」ではないかとか、ヘイト情報をまことしやかに流す連中もいたようである。100年前の関東大震災の後に朝鮮人が暴動を起こしたとか、井戸に毒を投げ入れたとか噂話が広がり、朝鮮人大虐殺が起こったが、100年経った現在でも同じような差別排外主義がはびこっているのは情けないことである。その後にあった文科省前の抗議行動でも差別排外主義に基づくよからぬことが起こらなければいいのだが、と思いながら、文科省前に移動した。幸いなことに、文科省前での抗議行動中は心配されたことは起こらなかった。(S・S)
◎ 安倍銃撃テロを糾弾、でも「安倍政治は許さない」7月8日(金)後半(K.M)
午前に奈良で銃撃された安倍元首相の容体を心配しながら座り込み。オンライン会議に出ていると早や17時。
経産省に「原発推進を止めろ」「老朽原発うごかすな」と訴えて抗議行動を開始。Hoさんが銃弾によるテロを糾弾しながら、原発推進を続ける経産省への怒りを表明。Yoさんが心肺停止状態の安倍元首相を心配しテロ行為を糾弾、英国のジョンソン首相が辞任したが、安倍首相の森加計桜だけでないひどい政治、日本の経済をめちゃくちゃにしたアベノミクス、株価維持のみ、核を持てという与党がひどく改憲勢力が2/3をとることを憂う。
Taさんが、六ケ所再処理工場の8時間の冷却ポンプ停止と原子力規制委員会が火消しをしていることをを危惧、日本原燃には再処理を動かす資格も能力も無い。ウクライナ戦争後の電力料金アップと電気不足を糾弾、発電能力を隠して人為的に電力不足を宣伝する経産省、大出力の原発を動かしても安定供給にならない、電力自由化は失敗、巨大地域独占電力会社が80%寡占を糾弾。K.Mから、2012年の大飯再稼働の為のストレステスト意見聴取会で市民を追い出した片山啓(元原子力安全・保安院)が原子力規制庁長官になったことへの怒り。
「座り込め、ここへ」、「水に流すな」の歌と原子力規制委員会が汚染水「海洋放出」審査合格目前を確認して「汚染水を海に流すな」コール。Miさんが、ウクライナ戦争と安倍銃弾から(国家)テロ行為を批判、自由と民主主義を破壊するテロを否定。S・Sさんが韓国でサンケン電気の闘いが勝利的に妥結したことを報告。尾沢さんに対しても会社側が歩み寄った。良かった、良かった。
7月24日に開催される「同調圧力を突破する行動力・哲学」(松野哲二さん)の紹介、Raから「原発が原爆になる恐ろしさ」旗の披露のあと、短くNOWAR、NONUKES,美浜3号再稼働反対、老朽原発うごかすな、…のコールで終了。(K.M)
◎ 安倍銃撃の大手メデイアの忖度を危惧する 7月9日(土)(O・O)
まさに凶報だった。それも夢想だにしない最悪のそれだった。いつも批判・反対の対象であった安倍氏であっても、暴力で命を奪われた事を私は少しも喜んではいない。浅学な私ではあるが、少なくとも、この国では、テロによって世の中が、より一層悪くなってきたと思っている。
さて、これからの現実的な危惧の話。ひとつは投票用紙が香典となること。もうひとつは事件や実行犯についての大手メディアのミスリードや隠蔽、誘導だ。それはもう始まっていると思う。
これは夢想に過ぎないが、大手メディアや検察その他諸々、彼らが忖度に汲々とし、真実を明らかにしてこなかったことが今回の事件の遠因ではないだろうか。それが出来るのに誰も諫めることをしなかった。やはり人の死は衝撃である。私は取り乱しているのかもしれない。(O・O)
◎ 中国では「寝そべり主義」が流行している 7月10日(日)(M・K)(ケロップ)
設置した抗議グッズの中に新たに加わったのが、乱さんの名句「原発が原爆になるおそろしさ」が書かれたのぼり旗。文字の背景の画像は、イチエフ3号機の爆発と、ヒロシマまたはナガサキのキノコ雲をつなぎ合わせている様だ。
先週の酷暑ほどではないものの、夏本番の暑さ。しかし経産省前の樹木から降るセミの声はまだ少ない。梅雨明けが早すぎて、セミも慌てていることだろう。
座り込みメンバーの話題と言えば、安倍元首相銃撃事件と参院選。犯人の動機は政治的なものではなく、宗教団体の絡みらしい。フランス大衆紙やNHKでも既に報道されたとの事。事件の選挙への影響は少ないと言うのがメンバーの見方だ。しかし暑さのため、次第に皆、黙り込んでいった。F原さんは丸椅子をいくつか並べてその上で横になった。その姿をN瀬さんが「何かに使えんかなー」とスマホに収めた。寝そべりで経産省に抗議している図、と言う訳だ。
中国の若者の間では、過酷な競争社会を生き抜くことを諦め、最低限の生活を送ることを志す「寝そべり主義」が流行している。日本のさとり世代やZ世代に近いが、社会に対する不満や閉塞感に、非暴力的・非協力的な抵抗をしているとも言える。私は仕事のため、午後2時半の手前でテントを後にした。(M・K)
7/10(日)
元テント前(交差点の角)に椅子を設置。快晴、暑い、蚊が攻撃的。日陰を探して座り、冷たい飲み物と楽しい話題で耐える。
https://twitter.com/keroppu8649/status/1546323313798316032
横断歩道前の信号機の、信号灯がついている枝の付け根にある四角い箱に雀の巣があるらしく、藁がはみ出しているし、2羽出入りしていた。雛は見えなかった。昔、テントに毎朝「朝だぞー、食うものよこせー」と飛び込んできていた雀夫婦がまだ現役なのか、それとも子供たちが同じ巣を使っているのか。
これは座り込み終了後の事務所風景。コーヒータイムのおやつはトマトのバター炒め卵とじ(ベーコン玉ねぎ入り)にしました。霞が関の全てのゴミを自分の責任で片付ける勢いのF原さんは、座り込み用パラソルの壊れたのを、大きなハサミで刻んで持ち帰り、分別して捨ててくれます。(ケロップ)
◎ 安倍を撃った男も気の毒な人生だった 7月11日(月)(保)
きょうの座り込みも暑かった。氷水4リットルを用意した。準備を終えた所で、自宅に帰った。台所に置いといた赤紫蘇ジュースを冷蔵庫に入れるためである。朝、家を出る時、自分用に赤紫蘇ジュースを小型のペットボトルに入れたのであるが、途中でひとくち飲むたびに中で炭酸ガスが発生してペットボトルがパンパンに張っていたので、台所に置いてきた大瓶に入れた赤紫蘇ジュースが爆破しないか心配になって帰ってみたのである。結果は杞憂であった。少しも張ってなかった。台所は30℃、カバンは34℃。4℃の違いで、こんなにも差が出るとは驚きであった。何が起きるか分からないので、念のためジュースは冷蔵庫に入れてテントひろばに帰った。皆さん用を持参して2倍に薄めて飲んで貰ったところ、甘みと酸味のバランスが良くなって「美味い」と言ってもらえた。
午後3時頃、右翼の街宣車が一台、首相官邸の方から「葬送行進曲」を流しながら日比谷公園の方へ静かに走り去っていった。きょう安倍晋三の通夜が行われると報道されていたので、彼らなりのお別れの儀式だったのであろう。安倍を撃った彼も気の毒である。母親が統一教会に全財産を寄付してしまったために破産して、優秀な高校生だったというから当然、大学へ進学しようとしていたが、断念せざるを得ず、その後の人生も苦労の連続、統一教会に「人生を台無しにされた」という思いが強くなっての犯行。きょうの夕刊には「岸信介が統一教会をアメリカから日本に持って来たという事で安倍を撃った」と供述しているという。安部に限らず自民党と統一教会は昔から強い絆で結ばれているのは周知の事実。その延長線上に安倍の死があると思えば納得。
きょうの参加者は担当の4人と高級自転車の?さん、裁判ウォッチャーのOnさん、東京西部ユニオンの2人でした。暑いなかご苦労様でした。(保)
◎ 安倍晋三元首相の葬儀があったらしい 7月12日(火)(EO)
午前11時すぎに事務所着、議員会館の会場使用で、いつも世話になっている社民党党首を支援してきたYさんと参議院選挙結果について話す。与党が三分の二を占める国会では、2025年まで国政選挙がない中で脱原発の運動をどのように広げていくのか課題は大きい。
小雨の中をYさんと経産省前に行くと高級自転車の?さんが来ており、すぐにOさんも現れ4人で素早く椅子、幟旗などのセットを終えて12時座り込み開始する。しばらくして小雨は止んで読書の時間が来る。この日、経産省本館横のポールや向かいの財務省、文科省では半旗が掲げられている。報道によると、この日午後1時ごろ晋三元首相の葬儀が東京・芝公園の増上寺で営まれ、葬儀のあと、安倍氏のひつぎを乗せた車は東京・永田町の自民党本部や首相官邸、国会議事堂周辺など、ゆかりの地をまわったという。(EO)
◎ 東電旧経営陣に13兆円支払い判決 7月13日(水) (T・I)
座り込みグッズを運ぶ頃から雨足が強くなり、経産省前でセッティングをしている頃、すごく強くなった。びしょびしょになったが、バナーなど結構ちゃんと張れた。セッティングが終わって、やれやれと休んでいるころから、雨は小降りになり、やんだ。高級自転車のYさんは、あまりにもびしょびしょになり、風邪を引きそうだと帰られた。保っちゃんは<赤紫蘇ジュース>をもってきてくれた。きれいな色だ。
通りがかりの初老の人が「ご苦労さん」といわれ、安倍が手製拳銃で撃たれて死んだ話に関連して、「勝共連合・統一教会」の話をされた。某新聞社の元記者だったそうだ。マスコミの「堕落」を嘆かれた。岸信介の時代から朴チョンヒ大統領と結んで日韓での反共主義に利用してきたこと、当然、孫の安倍も継承していることなど、ちゃんと報道しないのはおかしいと言っておられた。
Obさんが、午前中にあった元双葉町町長・井戸川さんの「被曝は国の責任」裁判の傍聴を終えて座り込みに来た。今日はその他に、高裁で「もんじゅ西村裁判」があり、東電株主訴訟の東京地裁判決があった。株主訴訟の原告のNさんが座り込みに寄って下さり、カンパまでして下さった。その他、乾さんやOさん、Aさんも寄ってくれて、午後2時からの裁判所前集会と傍聴抽選に行かれた。保っちゃんと相談の上、Tは当番をみなさんに任せて、地裁前に行った。
地裁前では、まず海渡弁護士が、この裁判の重要な点を説明してくれ、朝倉裁判長は実によく原告の主張を聞いてくれたこと、左右の陪審も質問などをしてくれたこと、なによりも福島現地調査をしてくれたことを話し、「勝利判決を確信している」と言われた。大野弁護士、河合弁護士も、裁判をやり切ったこと、「勝利以外にないが、敗北しても勝利への道はひらかれていると思う」というようなことを述べられた。傍聴抽選に並び、傍聴は福島から来られた方たちを優先した。午後3時から判決言い渡しなのだが、通常の判決公判の時のように、誰も法廷から出てこない。<判決主文、旧経営陣4人は東電に約13兆円を支払え>はすぐに報道機関には伝えられて、インターネットで流れたが、<勝利判決>の旗出しは出てこなかった。原告・傍聴者は法廷内で判決理由をきいたわけだ。
30分以上して、木村結さん先頭に、原告の人たちが出てきた。ニコニコしていた。裁判所前で簡単な報告がなされた。弁護士たちは「先日の避難者裁判の最高裁判決(6/17)と比べて、格段の内容がある」と言った。海渡さんは「最高裁判事4人のうちの判決に反対意見を述べた三浦判事の意見は、この朝倉判決とほとんど同じだ」と指摘された。河合弁護士は「この株主訴訟と東電刑事裁判(2023年1月18日判決)は一体なのだ」と言われた。本当にそっちも勝利以外にない。13兆なんてすごいと思うが、裁判所の賠償額は、いつもあまりにも低額だ。報告会はそのあと参議院議員会館で行なわれた。いつも会場を借りる労を取ってくださる福島みずほ議員が当選したのもうれしいことだ。
(T・I)
◎ 雨の中、君が代裁判の傍聴に行く人もいて 7月14日(木)(I.K)
今日も一日降ったりやんだりの天気。でもセッティングするときはほとんど雨も止んでいて助かった。
12時半頃雨に濡れながら八王子のKさんがいつものあきらめない瓦煎餅を持って来てくれた。日の丸・君が代の裁判の傍聴に行くと言って、また雨の中急いで地裁に向かう。彼女は座り込んでいた3人に、添付した「TOMO-MICHI」と言う読み応えのある綺麗な雑誌をくださった。Kさんの投書も載っています。雨なので今日はお休みかな?と思っていたSyさんが2時ごろ来て下さったのでヨーカンさんと私は帰路につく。
その後、英語の先生や日の丸・君が代裁判傍聴した人などが座ってくれたそうです。「昨日の東電株主代表訴訟の判決を受けて、電力会社が原発をやめる決断をしてくれると良いけど」と思いながら座っていた。(I.K)
========(転載)============
「アベさんに対する銃撃について思うこと」(転載)
| アベさんが銃撃を受けて死んだ。悲しくはない。
| アベさんは私が最も嫌う、少なくとも片手で数えられる5人に入る人だった。
└──── 小出裕章(京都大学原子炉実験所 元助教)
◆ アベさんがやったことは特定秘密保護法制定、集団的自衛権を認めた戦争法制定、共謀罪創設、フクシマ事故を忘れさせるための東京オリンピック誘致、そしてさらに憲法改悪まで進めようとしていた。
彼のしたこと、しようとしてきたことは、ただただカネ儲け、戦争ができる国への道づくりだった。
アベさんは弱い立場の国・人達に対しては居丈高になり、強い国・人達に対してはとことん卑屈になる最低の人だった。
朝鮮を徹底的にバッシングし、トランプさんには、こびへつらって、彼の言いなりに膨大な武器を購入した。
彼は息をするかのように嘘をついた。森友学園、加計学園、桜を観る会、アベノマスク…
彼とその取り巻きの利権集団で、国民のカネを、あたかも自分のカネでもあるかのように使い放題にした。
それがばれそうになると、丸ごと抱え込んだ官僚組織を使って証拠の隠ぺい、改ざん、廃棄をして自分の罪を逃れた。その中で、自死を強いられる人まで出たが、彼は何の責任も取らないまま逃げおおせた。 私は彼の悪行を一つひとつ明らかにし、処罰したいと思ってきた。
私は一人ひとりの人間は、他にかけがえのないその人であり、殺していい命も、殺されていい命も、一つとして存在していないと公言してきた。
◆ アベさんにはこれ以上の悪行を積む前に死んでほしいとは思ったが、殺していいとは思っていなかった。
悪行についての責任を取らせることができないまま、彼が殺されてしまったことをむしろ残念に思う。
多くの人が「民主主義社会では許されない蛮行」と言うが、私はその意見に与しない。
すべての行為、出来事は歴史の大河の中で生まれる。
歴史と切り離して、個々の行為を評価することはもともと誤っている。
そもそも日本というこの国が民主主義的であると本気で思っている人がいるとすれば、それこそ不思議である。
国民、特に若い人たちを貧困に落とし、政治に関して考える力すら奪った。民主主義の根幹は選挙だなどと言いながら、自分に都合のいい小選挙区制を敷き、どんなに低投票率であっても、選挙に勝てば後は好き放題。
国民の血税をあたかも自分のカネでもあるかのように、自分と身内にばらまいた。
◆ 原子力など、どれほどの血税をつぎ込んで無駄にしたか考えるだけでもばかばかしい。
日本で作られた57基の原発は全て自由民主党が政権をとっている時に安全だと言って認可された。 もちろん福島第一原発だって、安全だとして認可された。 その福島第一原発が事故を起こし、膨大な被害と被害者が出、事故後11年経った今も「原子力緊急事態宣言」が解除できないまま、被害者たちが苦難にあえいでいる。
それでも、アベさんを含め自民党の誰一人として、そして自民党を支えて原発を推進してきた官僚たちも誰一人として責任を取らない。 もちろん裁判所すら原発を許してきた国の組織であり、その裁判所は国の責任を認めないし、東京電力の会長・社長以下の責任も認めない。
どんな悲惨な事故を起こしても誰も責任を取らずに済むということをフクシマ事故から学んだ彼らは「これからもまた原子力を推進する」と言っている。
◆
さらに、これからは軍事費を倍増させ、日本を戦争ができる国にしようとする。 愚かな国民には愚かな政府。
それが民主主義であるというのであれば、そうかもしれない。しかし、それなら、虐げられた人々、抑圧された人々の悲しみはいつの日か爆発する。
今回、アベさんを銃撃した人の思いは分からない。 でも、何度も言うが、はじめから「許しがたい蛮行」として非難する意見には私は与さない。
心配なことは、投票日を目前にした参議院選挙に、「アベさんが可哀想」とかいう意見が反映されてしまわないかということだ。 さらに、今回の出来事を理由に、治安維持法、共謀罪などが今まで以上に強化され、この国がますます非民主主義的で息苦しい国にされてしまうのではないかと私は危惧する。(2022年7月9日付)
=====デモ・集会のおしらせ====
7月22日(金) 経産省前抗議行動(17時~18時)(毎週)
7月20日(水) 月例祈祷会(JKS47士) 15時~
7月31日(日) 脱原発青空川柳句会 12時~
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