[CML 063423] でた!「違法捜査と冤罪」 伝説の木谷明 日本評論社

大山千恵子 chieko.oyama @ gmail.com
2022年 1月 25日 (火) 10:30:47 JST


*救援連絡センター
<http://www.toben.or.jp/message/libra/pdf/2007_6/p14_15.pdf>発行「救援」紙の、2面の連載コラムより*

*でた!「違法捜査と冤罪」   **伝説の木谷明 日本評論社*

もう三十年も前になるかしら、浦和地裁に凄い裁判官がいると聞いたのは。

*ガサ子ちゃん倶楽部*を始めたころ、家宅捜索を受けたら準抗告しようぜと呼びかけてた。
*嫌がらせの家宅捜索令状を、あたかも自動販売機のように出す裁判官に「それ、おかしいだろ」と準抗告しようぜ。*
判例とか調べても、終わっちゃったから令状発布を取り消すことはできないとか木で鼻を括ったようなのばっか。同居人の平井くんが憤慨してた。

そんななかで*浦和地裁の木谷明裁判官ひとりが、動労高崎連帯労働組合の委員長の準抗告に対して真摯な決定*
を出した。うちの法律対策部長が死んでしまったので、詳しい文面を覚えてないけどさ。判例集に搭載されないからと、当時の救援紙に解説を載せた遥か昔。

その判事は有名なんだと山下幸夫弁護士、当時は青年弁護士からも聞いた。なんと*「無罪判決を三〇件以上確定」って日本記録保持者っていうか永久最高級だ。*
彼を超える判事は、金輪際ないだろう。その後は弁護士になって冤罪に取り組んでおられる。

お話するときは柔らかい語り口で、大尊敬していたら大怪我をなさった。不幸中の幸いというべきか、それを切っ掛けに日本評論社ウェブマガジンの毎月の連載。それを再構成した本。

睡眠時間も与えず長時間の厳しい取調べ「拷問」によって虚偽自白させ、重要な証拠品の鉈や着衣を廃棄した、免田事件。

*現職警察官が被告人の死刑求刑を知って良心の呵責に耐えかねて証言台に立ち、*
「自白は拷問によるものである」と供述したが、即日偽証罪で逮捕、拘留。挙句の果ては「妄想性痴呆症」で免職。免許証もなしになる、二俣事件。

布川事件、甲山事件、足利事件、*自然発火による火災を保険金目的の放火殺人事件とした東住吉事件。*

東電女性社員殺害事件、氷見事件、踏み字を強要した志布志事件、湖東記念病院事件。

最後は、*特捜検事が証拠フロッピーを改竄した郵便不正事件。*

有名事件が、ずらずら。ひとつだけでも本が数冊あるようなのを、大量の判決を読み込み分析したもの。

ひとこと。*捜査官、検察官も酷いが弁護士も酷い。*
公判直前まで被告人と接見しない。否認している被告人に撤回させる。否認するのなら私選弁護人でやってくれと言う国選野郎。

*駱駝が針の穴を通ったような実話集である。深く、噛みしめたい。*

*「違法操作と冤罪 捜査官! その行為は違法です。」 <https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8642.html>*
木谷明 日本評論社



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大山千恵子
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