[CML 063703] 米国とNATOが支援するロシアへの侵略がようやく牽制された
yorikazu shimada
ningen @ hotmail.com
2022年 2月 27日 (日) 23:16:04 JST
これまでの概略が書かれています。少なくともロシアは平和的な解決策を
追求してきたが(ミンスク合意でウクライナの主権を尊重したことを含めて)、
米国とその手下のウクライナ政権がそれを無視し、今回の事態をいたらしめたという
ことです。しかし、そんなことはすべてではなくても新聞でも書いてあったりするのに、
街頭では「ロシアが悪い」と連呼している人たち(親ネオナチ勢力?)がいるようで、
外に出るのが怖いです。嶋田
https://www.strategic-culture.org/news/2022/02/25/us-nato-backed-aggression-towards-russia-finally-checked/
米国とNATOが支援するロシアへの侵略がようやく牽制された
2022年2月25日
ロシアが求めているのは、米国やNATOとの欧州におけるより包括的な安全保障協定である。
今週のウクライナでの劇的な出来事には、もっと大きな歴史と背景がある。ロシアの侵略と欧米諸国が主張するものが頂点に達したのではないし、それが原因でもない。そうした主張は、ここ4カ月間でより熱を帯びてきた。この出来事の本質は、ロシアの国家安全保障上の懸念が無視され、拒絶され続けていることである。これ以上ではない。
モスクワは、妥当な安全保障の提案が受け入れられなければ、「軍事技術的な措置」を取ると警告していた。対話と相互尊重のイニシアチブを使い果たした次の段階は、通常の対話に反応しないように見える人々に意味を伝えるために、より「物理的な言語」を使用することである。このような袋小路とその影響を招きよせたのは、欧米大国とその傲慢な優越感の思い込みである。
1991年のソ連邦の解体以来30年近く、アメリカ帝国主義は絶好調であった。次から次へと起こる戦争は、しばしばNATOが進んで残忍な道具として機能する中で、米国は「全領域支配」という全体主義的な目標を追い求めてきた。ロシアは、アメリカとNATOの侵略の標的として浮上した。アメリカ帝国覇権の障害と認識されているためだ。アラブ諸国の体制転覆のために米国が主導した秘密戦争を阻止するためにロシアがシリアへ介入したことは、その典型的な例である。
中国もまた、おそらくロシア以上に標的になっている。アメリカ資本主義の支配に挑戦する数十年にわたる世界的な経済的上昇のためだ。ワシントンの考える世界支配に従おうとしない勇気と原則を持つ他の国々も同様である。イラン、シリア、ベネズエラ、キューバ、ニカラグア、朝鮮などがそうだ。
2014年に米国が操ったウクライナのクーデター(NATOと欧州連合が支援)は、侵略の長い連鎖の一つに過ぎなかった。しかし、そのウクライナが隣接していることを考えると、ロシアにとって特に受け入れがたかった。キエフに設置されたクーデター政権は、極端な反ロシアとネオナチ政治に動かされていたが、この事実は西側メディアによって省略されている。これは偶然の産物ではない。クーデターの目的は、ウクライナをロシアに対する手先とすることであった。NATO加盟の可能性を誇示し、ロシアとの国境にあるウクライナにアメリカのミサイルを設置する見込みは、モスクワにとって許されざる一線であった。
米国とNATOが支援するキエフ政権は8年間、ウクライナ南東部のドンバス地方でロシア系住民に対する大量虐殺的な戦争を繰り広げてきた。今回も、欧米メディアはこの恐ろしい現実を無視した。ウクライナ政府による「反テロ作戦」の憎悪と蛮行は、オバマ政権時代の2014年、ワシントンでウクライナへの指南役だったジョー・バイデン副大統領によって解き放たれたものである。ちなみに、バイデンは同国を何度も訪問している間に、息子のために儲かる怪しげなビジネスも副業としてたくさんおこなっていた。
8年間、ロシアはミンスク和平合意(2014年と2015年に交渉)で義務付けられた内戦の政治的解決を訴えてきた。しかし、その合意は国連安保理という国際的な最高レベルで承認されたものであるにもにもかかわらず、米国に支持されたキエフ政権は、ことごとくその政治的解決を拒絶した。
過去8年間にウクライナで起きていたことは、米国とそのNATO同盟国がロシアに対する軍事的脅威を増大させながら東方へ拡大した過去30年間に起きていたことを部分的に反映している。昨年12月、モスクワは長年の懸念を、欧州全体の安全保障体制の提案としてまとめ上げた。それはNATOのさらなる東方拡大禁止にかんする法的拘束力のある条約を制定するというものである。
ワシントンとヨーロッパの同盟国は、この提案を即座に拒否した。この拒絶は、欧州安全保障協力機構(OSCE)の下で不可分な安全保障の原則に対する過去の文書による公約をも否定するものであった。
さらに、米国とNATO諸国は、「防衛」という皮肉な名目で、ウクライナに攻撃的な武器を氾濫させ始めた。その結果、ロシア嫌いのキエフ政権は、ドンバス地域のロシア系住民に対する攻撃を強化することになった。
今週の月曜日、ロシアのプーチン大統領は、ドネツクとルガンスクの自己宣言共和国を承認すると述べた。プーチンは、これはもっと前に行われるべきだったが、遅れたのはモスクワがキエフ政権にミンスク合意の履行を促していたためだと述べた。西側が見て見ぬふりをしたせいで、ミンスク和平協定は組織的に違反された。要するに、抹殺された。
したがって、ロシアはドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国(DPRとLPR)の独立を認めるしかなかったのだ。キエフ政権が合法的に構成された主権ではなく、ドンバス住民との交渉による和平に応じる意志もないというのが実情であった。実際、大量の新兵器と軍事指導官を提供するなどのNATO諸国の冷酷な支援により、キエフ政権は分離地域への砲撃を強めていた。先週の時点では、血の海が広がっていた。
プーチンがDPRとLPRの独立国家としての承認を宣言すると、両国の安全保障のためにロシアの軍事的支援が自動的に付与されることになった。この宣言のあと、キエフにドンバスへの軍事攻撃を停止するよう要求した。しかし、この要求は無視され、致命的な砲撃が続けられた。
こうした客観的な文脈は、「主権」や「領土保全」についての米欧のレトリックを、適切な観点に置くものである。彼らの敬虔な言葉は空虚であり、不誠実である。2014年のウクライナの暴力的なクーデターを含め、無数の国の主権を切り刻んできた彼らの汚れた血にまみれた歴史を考えると、よくもまあ講釈を垂れたものだ。
ロシアの玄関口にあるNATOの支援を受けた反ロシア政権がロシア人を攻撃することは、明らかに容認できるものではない。ここ数週間、ウクライナに流れ込んだNATOの兵器の量は、より大きな戦争の足音を指し示していた。そして先週末のミュンヘン安全保障会議では、ウラジーミル・ゼレンスキー大統領が「ウクライナは核兵器を開発できる」という扇動的な脅しを口にした。ロシアの安全保障にとって状況は明らかに限度をいくつか超えたのである。
もちろん、米国とその西側パートナーからの非難の大合唱は、偽善に満ちている。彼らは、ロシアが「ヨーロッパの平和を打ち砕いた」と主張し、「ロシアの経済機能を停滞させる」ために全面的な経済封鎖をしようと動き出しているのだ。米国とNATOは長年にわたり、犯罪的な戦争と体制転覆作戦によって、国際法と国連憲章をゴミ箱に捨ててきた。彼らの二枚舌とヒステリックさが、この問題にさらなる混乱を加えている。
欧米メディアは、米国とNATOの侵略という世界的な問題を組織的に隠蔽してきた。誤報と偽情報は、ロシアが「野蛮な冒険」と「挑発されていない戦争」に乗り出しているという主張で現れている。「挑発されていない」と主張することは、状況に対する極度の無知をしめしている。
ロシアは長年にわたり、米国とNATOの侵略が国際安全保障に重大な危機をもたらしており、これを阻止しなければならないと警告してきた。米国による軍備管理条約(ABM、INF、オープンスカイ条約)の破棄や、ロシア国境付近でのミサイル脅威の拡大は、もはや容認できないものであった。ウクライナは大きな問題の一要素に過ぎない。しかし、今週、ロシアはついに侵略を止めるために動いた。歴史的な分水嶺である。
モスクワは、キエフにあるNATOの支援を受けた非合法な政権を非ナチス化し、非軍事化することが目的だと言っている。またウクライナを占領する意図はないと言っている。この原稿を書いている時点では、モスクワはこれまで通り交渉に応じる姿勢を示している。ロシアが求めているのは、米国やNATOとの欧州のためのより包括的な安全保障協定である。
より広く言えば、米国もロシアと中国を敵対視する好戦的でイデオロギー的な見方をやめなければならない。米国は、法的にも、政治的にも、道徳的にも、一国独裁がもはや通用しない多極化した世界秩序と折り合いをつけなければならない。それが国際平和と安全保障の究極の課題である。
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