[CML 063536] 憲法9条に(ノーベル)平和賞が与えられれば

motoei @ jcom.home.ne.jp motoei @ jcom.home.ne.jp
2022年 2月 8日 (火) 20:23:39 JST


情報記載
77年間戦争しないでこれたのは   転送 いしがき
拝復、著者から手渡されたこの本、その39pから42pから抜粋(Irohira Tturou)

> 憲法9条に(ノーベル)平和賞が与えられれば、軍事的なフリーハンドをめざして
いる
> 国内の改憲運動は一時的には冷水を浴びれられることになる。
> 9条が維持されるということになると、平和主義の旗を改めて掲げた日本に対して
> 軍事的威圧を与えてい隣国に対しての国際社会からの批判はいっそう強化されるで
しょう、、、
>
> それ以上に重要なのは、憲法9条がノーベル平和賞を受賞した場合、
> 顕彰されるのは憲法条文そのものではなく、憲法9条をさまざまな空洞化の圧力に
抗して、
> なんとか必死で守り抜いてきた日本国民の歴史的努力だということになるからで
す。
> 憲法そのものが受賞するのではない。
> 憲法の趣旨をよく汲んで、その困難な課題をなんとか現実化したという功績
> について日本国民が受賞するのです。
> これは自国の憲法について日本国民が国際社会から受けるはじめての評価になりま
す。
>
> 憲法9条そのものが仮にGHQのニューディーラーたちの作文であったとしても、
> あるいは日本を軍事的に無力化するというクールでドライなアメリカの戦略の帰結
> であったとしても、これを70年守り続けてきて、空文でないものにしたのは、
> 誰でもない日本国民です。
>
> 憲法が掲げる他の理想、「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から
> 永遠に除去」するというような理想は「はい、ここに実現しました」
> とお見せすることができない。
> でも、「武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、
> 永久にこれを放棄する」という条項に関しては、軍事力を行使しない1日が過ぎる
> たびにとりあえず100%実現されている。
> これはほんとうにたいしたことなのです、、、
>
> 先の大戦での占領地や植民地での非道についてはいまだに戦争責任を問われ続けて
> いますけれど、「そんな昔の話を蒸し返すな」と言っている人たちは、「そんな
昔」
> から後70年間にわたって「そんな話」が一つとして加算されていないという
> 驚くべき実績の前にもう少し居ずまいを正すべきでしょう。
>
> 憲法の脆弱性は、その起源において「私が憲法を制定する」と名乗る主体が生身の
人間
> として存在しないという原事実にある、と先ほど申し上げました。
> ということはつまり、起源に戻って憲法を堅く基礎づけることはできないというこ
とです。
> であるとすれば、残された道は論理的には一つしかない。
> その起源においての主体の欠如を補填するために、
> 「空文であった憲法を私たちが現実化した」と名乗り得る主体を立ち上げること、
> それしかない。
>
> 内田樹  憲法の「空語」を充たすために



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