[CML 066045] 日本の未来

森中定治 delias @ kjd.biglobe.ne.jp
2022年 12月 1日 (木) 15:12:22 JST


みなさま

こんにちは。
いよいよ今年最後の1ヶ月になりました。
今日は冬らしい暗く寒い1日となりそうです。

10月下旬の、核とか汚い爆弾とかの米とロシアの会談の後、米は和解とか仲裁とかちょっと軟化してきたように感じています。
ポーランドに落ちたミサイルがロシアのものではないようだとわざわざ示唆したバイデン米大統領、プーチンロシアを人類の敵、全世界の悪と断定し敵対しあっていたことからは、ちょっと考え難いことです。そしてプーチン大統領も、そのバイデン大統領の言葉を誉めたとか・・。
でもロシアはともかく、ウクライナが和解できるはずがないでしょう。ゼレンスキー大統領は戦争をやめることができないでしょう。
国民がいっぱい死んでいるんです。

みなさん、サンクコストってご存知ですか?
株を買います。その株がどんどん値下がりして計算上100万円の損になったとします。もうダメだと思ってそこで売ってしまう。これを損切りと言います。でも普通の人は損切りがなかなかできないのです。だって翌日は上がってその損が消えるかもしれない・・。何より、平然と自分のお金を捨てることができるって・・、人間には感情があるからそれはとても難しいのです。そうしてもう一日、もう1日とどうにもできず放置して・・損が200万、300万と膨らんで、とうとうもう持っていることすら恐ろしいと我慢できなくなって売ってしまうのです。この時の最初の損切りした100万円をサンクコストというのです。じっと持って配当をもらおうとするのではなく、売り買いで金儲けをしようとするなら、平然と損切りできる感情を排した冷徹さがなければ株の売買で損するだけでしょう。

このサンクコストがお金ではなく、人間の生命だったらどうでしょう。お金ですら損切りは容易ではないのです。ましてやそれが人の生命だったら・・。お金なら捨て金、死に金ですし、人間の生命なら犬死にです。ウクライナではたくさんの国民が死にました。国民が死んだ全責任はプーチン大統領にある。ゼレンスキー大統領は、私にはその責任は一切ないと言って涼しい顔でいられるでしょうか。自国民の死は、本当にプーチン大統領に全責任があるでしょうか。

もしそうであれば、ゼレンスキー大統領は米国の仲裁を平然と受け入れるでしょう。
私はそれはできないと思います。自国民の死をサンクコストとして受け入れることは容易ではないと思います。日本の終戦の時、「忍び難きを忍び・・・」という放送が流れ、国民は皆すすり泣きました。そしてやっとそれを受け入れたのです。日本人の特性があってこそだと、そんな気がします。ウクライナの人々はどうやって自国民の生命の損切りを受け入れるのでしょうか。ゼレンスキー大統領は戦争をやめることができず、その結果もっと国民は死ぬでしょう。

だから、ポーランドに落ちたミサイルをロシアのものだと言い張り、NATOを戦争に引き込もうとするのも理解できます。世界戦争になれば、もはや一国の国民の死など消えてしまいます。ゼレンスキー大統領の気持ちもわかります。生命の損切りというのは、これくらい難しいと思います。
最初から戦争につながるようなことをしてはいけないのです。
戦争の種蒔き、そしてその成長・・、この時点で止めてしまわねば・・。
戦争になったあと、戦争の死の花が咲いてしまったあとで止めることは至難の業、もはや人間の能力の、その範囲を超えてしまうのだと、私は思います。

目の前で自分の伴侶や子どもが殺されれば、誰だって心は鬼になります。こいつらは皆殺しにしても飽き足らないと思うでしょう。その気持ちはわかります。戦争は人間を鬼に変えます。
でも、喜怒哀楽を持つ同じ人間です。
この原点を失ってはいけないと思います。

森中 定治





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