[CML 062494] NHKEテレ「ハートネットTV」『いのちの格差~”逸失利益”をめぐって~』紹介

小野政美 ono-m @ k9.dion.ne.jp
2021年 9月 16日 (木) 13:18:22 JST


元「いのちの差別を許さない!ハヤト裁判を支援する会」事務局の小野です。
重複送信をお許し下さい。
なお、ネットでの関係者攻撃が続いていますので、拡散はご留意ください。

多くの皆さんにご支援・ご協力を頂いた「いのちの差別を許さない!ハヤト裁判」は、2019年9月、「勝利的和解」により集結し、「ハヤト裁判を支援する会」も、9月13日の報告集会をもって解散しました。ご支援してくださった皆さんに改めてお礼を申し上げます。

障害者差別は多くの場所で、さまざまな形で、全国各地でいまも続いています。また、いのちの差別、障害者差別、「逸失利益」をめぐる裁判もいくつか起こされています。

さて、聴覚障害で生まれた11歳の井出安優香さんが事故で無くなったことにに関する、いのちの格差・障碍者の「逸失利益」をめぐる数少ない裁判について、NHKEテレ・ハートネットTV『いのちの格差~”逸失利益”をめぐって~』が制作され、昨日放映されました。
この番組では、「ハヤト裁判」原告の鶴田明日香さんも取材を受けました。本日はその番組の紹介です。

この番組を観て、鶴田さんとともに、「ハヤト裁判」を署名や街頭署名、裁判傍聴などで支援してもらった皆さんや、「いのちの差別」、障害者差別に関心を持たれる方々に、NHK・ハートネットTV『いのちの格差~”逸失利益”をめぐって~』を皆さんに紹介することにしました。ぜひ、番組を観て頂ければと思います。

再放送は、2021年9月22日(水)13:05〜13:34 NHK Eテレ です。ぜひ録画等も含めてご視聴ください。

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<NHK Eテレ ハートネットTV『いのちの格差~”逸失利益”をめぐって~』>
◆放送日:2021年9月15日(水)20:00〜20:29 NHK Eテレ

◆再放送:2021再放送:2021年9月22日(水)13:05〜13:34 NHK Eテレ

◆また、番組についてはNHKプラスとよばれる見逃し配信サービスやTVer(https://tver.jp/)での配信対象番組です。
配信は放送翌日14時〜1週間後の20:29までとなっており、ダウンロードはできない仕様となっています。

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聴覚障害で生まれた井出安優香さんを11歳で亡くされたご両親の想いに寄り添いながら、ディレクターさん、カメラ担当者さんを信頼して多くの取材を受け入れられたご遺族の想いと主張がよく分かる丁寧に作られたNHK番組だと思いました。

番組は、鶴田さんへの取材も、亡くなる前のハヤト君とお母さんの優しい交流やハヤト君と兄の鶴田さんとのやりとりなどの映像もあり、短いながらも、いのちの差別、「逸失利益」論がいかに不当で無用な考えがよく分かるものだったと思います。

いまも多くの葛藤を抱えながらかけがえのない弟さんを亡くした遺族である鶴田さんが生きている現実と賠償金額の問題ではなく、
「せめて差別はなくしてほしい」という明日香君の最後の言葉にありますが、
「損害賠償」一つをとっても、障害者がいかに差別されているという現実が見ている者にしっかり伝わってきました。

鶴田君への自宅と公園の滑り台近くでの取材とコメント、番組内で、「ハヤト裁判」も担当して頂いた中谷雄二弁護士の言われるように、「人のいのちの価値は平等を言いながら、お金を請求しているではないかというが、民事裁判という制度を使う以上は損害賠償の請求以外に訴える方法がないのでそうせざるを得ない。ほんとうはほ本人を生かして返してほしいわけです。それができないからこそ、せめて、ほかの人と、子どもと扱ってほしいという思いがある。皆さんそう言う思いです」というコメントは、今回の裁判にとっても、大きな役割を果たすものになったと思います。

ご遺族のご両親も、この番組や鶴田さんの証言が、今後の大阪府立生野聴覚支援学校生徒事故裁判を進めるうえで、きっと大きな支援になることでしょう。

大阪府立生野聴覚支援学校生徒事故裁判支援も、ぜひよろしくお願いいたします。
次回裁判は、大阪地裁で第9回法廷の予定です。

お元気で。再見。

以下、この裁判についての報道記事を二つ紹介します。

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難聴の娘亡くした悲しさ、裁判で上塗り 事故から3年
多鹿ちなみ
朝日新聞2021年2月8日 14時00分[image: 写真・図版]
<https://digital.asahi.com/articles/photo/AS20210204002246.html>
井出安優香さんのノート。父親の努さんと母親のさつ美さんは口をそろえて「難しいのによう頑張ってたな」と話す=2021年1月26日午後4時25分、大阪府豊中市、多鹿ちなみ撮影
<https://digital.asahi.com/articles/photo/AS20210204002246.html>

   - [image: 写真・図版]
   <https://digital.asahi.com/articles/photo/AS20210204002241.html>
   - [image: 写真・図版]
   <https://digital.asahi.com/articles/photo/AS20210204002242.html>
   - [image: 写真・図版]
   <https://digital.asahi.com/articles/photo/AS20210204002245.html>

大阪市 <https://www.asahi.com/topics/word/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%B8%82.html>生野区
<https://www.asahi.com/topics/word/%E7%94%9F%E9%87%8E%E5%8C%BA.html>
の交差点に重機が突っ込み、聴覚に障害のあった小学5年の井出安優香(あゆか)さん(当時11)が亡くなった事故から3年。両親は、「時間は止まったまま」と口をそろえている。娘を失った悲しみが癒えないまま、
民事裁判
<https://www.asahi.com/topics/word/%E6%B0%91%E4%BA%8B%E8%A3%81%E5%88%A4.html>
でも新たな心の傷を負っている。

事故は2018年2月1日。朝から小雨だった。下校中に信号待ちをしていた大阪府 <http://www.asahi.com/area/osaka/>
立生野聴覚支援学校の児童と教諭に、道路を工事していた重機「タイヤショベル」が至近距離から突っ込み、安優香さんを含む5人が巻き込まれた。

安優香さんの突然の死は、家族に大きな傷を残した。父親の努さん(48)=同府豊中市
<https://www.asahi.com/topics/word/%E8%B1%8A%E4%B8%AD%E5%B8%82.html>=は、娘の補聴器
<https://www.asahi.com/topics/word/%E8%A3%9C%E8%81%B4%E5%99%A8.html>
をいつもシャツの胸ポケットに入れて持ち歩いている。うどんは食べられなくなった。お揚げやネギ、カマボコを入れて、よく料理してくれた娘の姿を思い出してしまうからだ。

母のさつ美さん(49)は事故があった日と同じ薄暗い朝には自然と涙が出る。夕方に携帯電話が鳴ると、事故の連絡を思い出して、動悸(どうき)が激しくなることもある。

安優香さんは生まれつきの難聴で、補聴器
<https://www.asahi.com/topics/word/%E8%A3%9C%E8%81%B4%E5%99%A8.html>
を身につけても大きな音しか聞くことができなかった。4歳のころから片道1時間の支援学校に通って、発音の方法を学んだ。

小学部高学年では英語に興味を持ち、さつ美さんがふと「月曜日……」と口にすると「マンデー!」と言い返し、得意そうに笑っていた。事故の3カ月前にあった学校の学芸会ではセリフが一番多い役を任され、毎日リビングで練習する姿が頼もしかった。

でも、楽しみにしていた広島への修学旅行も、卒業式も参加できなかった。

重機を運転していた男性(38)は、事故をめぐる刑事裁判
<https://www.asahi.com/topics/word/%E5%88%91%E4%BA%8B%E8%A3%81%E5%88%A4.html>
で懲役7年が確定。夫妻は昨年1月、男性と男性が働いていた建設会社に対して計約6千万円の損害賠償を求めて民事裁判
<https://www.asahi.com/topics/word/%E6%B0%91%E4%BA%8B%E8%A3%81%E5%88%A4.html>
を起こしている。

裁判で争われているのは、安優香さんが将来得られたはずの収入である「逸失利益
<https://www.asahi.com/topics/word/%E9%80%B8%E5%A4%B1%E5%88%A9%E7%9B%8A.html>
」。会社や男性側は、健聴者と比べて思考力や学力が劣り就職も難しいために収入は一般女性の40%になると主張し、健聴者と同じだとする夫妻と対立する。努さんは「安優香が亡くなってつらいのに、さらに傷口を掘り下げられる思いだ」と感じている。

夫妻も障害のある人が自由に職業を選べなかったり、給料の低い仕事に就いたりする現実は知っている。だからこそ、「つらい思いをしないように」と厳しく育ててきた。さつ美さんは、「安優香は学芸会も運動会も、普通の子と同じようにこなしていた。11年の努力を認めてほしい」と話している。

損害賠償に詳しい立命館
<https://www.asahi.com/topics/word/%E7%AB%8B%E5%91%BD%E9%A4%A8.html>
大大学院の吉村良一教授は、「そもそもお金で測れない人の命を金銭で賠償するために、働く能力だけをみた極めて限定的な制度」と指摘。その上で、「裁判所は命に差はないということをベースに、将来の可能性と障害者をめぐる就労や社会の変化をしっかり見据えるべきだ」と話している。
(多鹿ちなみ)

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<https://news.yahoo.co.jp/byline/yanagiharamika/20210713-00247612>
news.yahoo.co.jp/byline/.../20210713-00247612
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<https://news.yahoo.co.jp/byline/yanagiharamika/20210713-00247612>

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