[CML 061582] 「従軍『慰安婦』」表現否定の閣議決定は、事実の隠蔽である

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2021年 5月 13日 (木) 16:17:57 JST


「従軍『慰安婦』」表現否定の閣議決定は、事実の隠蔽である



菅義偉政権は2021年(令和3年)4月27日、「『従軍慰安婦』という用語を用
いることは誤解を招く恐れがある」として、

「慰安婦」と表現する答弁書を閣議決定した。

「慰安婦」とは国語辞典によれば「ふだんの苦労を慰める女性」となる。

このような女性は戦場・戦地には存在しない。

この閣議決定は戦時性暴力を真摯に反省していない証左である。

戦時、性暴力は日本に限ったことではない。戦争と性暴力は常につきものである。

軍事政権下、過去の日本政府は戦場、戦地での暴行・レイプ(強姦)を防ぐため、計
画的に慰安所を建て、

兵隊に対応できる女性を、日本人の他、現地住民・外国人女性を各地から集めたので
ある。

それゆえ単なる「慰安婦」ではなく「性奴隷行為を受け入れる要員として集められた
女性たちであった。

この女性たちが従軍「慰安婦」・日本軍「慰安婦」・と呼称されてきたのである。

元河野洋平内閣官房長官が呼称した「いわゆる従軍慰安婦問題」の人々がこれにあた
る。

初期に使われていた従軍「慰安婦」表現は、従軍記者、従軍看護婦どうように、

軍に従って自由に動いていた人々、と解釈され被害者から指弾を受けた。

それゆえ、現在では事実に基づいて、日本軍「慰安婦」呼称、が表現として定着して
いる。

日本軍慰安所の前で、行列で待っている兵隊(注)、これら兵隊の性のはけ口を受け
とめる労働、

それは拒否することも、逃げ出すこともできない。

人間の人権、自由を否定された人々に対する対応が現在においても問われ続けている
のである。

(注)私の従軍中国戦線・村瀬守保・日本機関紙出版センター)

次世代に伝えること

教科書を通じ、子どもたちにこの事実を伝えることは重要である。

現在では既に小学生でも妊娠する子どもがいる、と言われている。

性は人権にかかわることである。                

戦争とは何か、戦争は単に人の殺し合い、侵略・住居の破壊だけではない。

戦争とは食糧・土地・財産の争奪の他、女性の人権が奪われる現実が現在でも存在し
ている。

このような事実があるからこそ、日本は再び戦争・性暴力を行わない国として平和憲
法を創り制定したのである。

子どもたちに教育を通しこの事実を伝えていく必要がある。

これからも真実・謝罪・和解・記憶・共生を求める歴史を継続しなければならない。

菅政権はこの歴史を事実上、拒否していることになる。



2021年5月13日埼玉県平和資料館を考える会 石垣敏夫

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