[CML 061032] 東京都の『未来の東京』戦略(案)に対する批判的パブコメを出そう!(締め切り:3月13日(土))
qurbys @ yahoo.co.jp
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2021年 3月 5日 (金) 11:31:58 JST
紅林進です。
東京都は、新たな都政の羅針盤となる長期戦略の検討を進めており、『未来の東京』戦略(案)を取りまとめ、2月12日(金)~3月13日(土)までパブリックコメント(意見公募)を募集しています。
<東京都から出されている資料>
「『未来の東京』戦略」(案)のパブリックコメント実施|東京都
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/02/12/25.html
長期戦略の策定に向けた取組|都の基本計画|東京都政策企画局
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/basic-plan/choki-plan/
「『未来の東京』戦略」(案)
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/basic-plan/mirainotokyo-senryaku_d/html5.html#page=1
この『未来の東京』戦略(案)は、横文字だらけのバラ色の未来を描く美辞麗句を並べていますが、現実の格差や貧困をどう解決するのかという視点が全くなく、「デジタル化」「スマートシティ」や「稼ぐ東京」「国際金融都市・東京」「世界を勝ち抜く国際的ビジネス拠点の形成」などを強調する一方、コロナ禍の下、格差と生活に困窮する人々が増大している現実に対して、どう救済するのか、再分配こそが求められているのに、それらのことについては触れません。
「希望のまち東京をつくる会」(代表:宇都宮けんじ)のブログにも「東京都の『未来の東京』戦略(案)に対するパブリックコメント(2021年3月13日締め切り)を出そう!」 http://utsunomiyakenji.com/4844
が掲載されていますので、併せてご参照ください。
以下は、紅林個人として東京都に送ったパブリックコメント(パブコメ)です。
なお今回私が提出したパブコメでは触れられませんでした(改めて出したいと思っています)が、「戦略12:稼ぐ東京・イノベーション戦略」こそは大問題で、小池都政がまさに狙っている核心で、「国際金融都市・東京」「世界を勝ち抜く国際的ビジネス拠点の形成」など、都民・住民にとって住みやすい・生活しやすい東京ではなく、多国籍企業や巨大企業が活動しやすい、彼らが稼ぎやすい東京をつくろうとするものです。
皆さまも自分の関心のあるテーマだけでよいので、『未来の東京』戦略(案)に対する批判的パブコメを出してください。何回かに分けて追加的にパブコメを出すことも可能かと思います。締め切りは3月13日(土)です。
書き方としては、先ず全体的、総論的な意見を書いた後、各戦略(20+1の戦略が出されている)についての具体的な意見や批判を書いてください。パブコメでは、この各戦略についての具体的な意見や批判が重要なポイントになるようです。
そして書いた意見は、パブコメだけでなく、SNS等も使って、広く共有、拡散しましょう。
パブコメをただ都民の意見を聞いただけのアリバイ作りに利用されないためにも、世論を喚起してゆくことが必要です。
なお「御意見の提出に当たっては、下記事項を記載してください。個人の方:氏名、お住まいの地域(区市町村名)、性別、年齢」とあるので、細かい住所は記載する必要がなく、区市町村名まででよいようです。ただし「性別」を記載させるのは、LGBTQなどの観点からは、問題があるという意見もあると思いますが。
紅林 進
qurbys @ yahoo.co.jp
(以下、紅林が個人的に出したパブコメ)
東京都政策企画局計画部計画課御中
『未来の東京』戦略(案)への意見
<総論>
この『未来の東京』戦略(案)は、、「デジタル化」や「スマートシティ」など新たな技術によるバラ色の未来を描いていますが、コロナ禍の下、格差と生活に困窮する人々が増大している現実に対して、どのように対処し、解決してゆくのかという視点が感じられません。
<『未来の東京』戦略(案)の各戦略に対する意見>
「戦略0:感染症に打ち克つ戦略)」では、東京版CDCの創設等を掲げ、「診察・検査体制の拡充」と述べていますが、PCR検査等の拡充については、「特別養護老人ホームや障害者の入所施設などを対象としてPCR検査等の感染症対策経費を補助」としか述べておらず、それ以外の広範な検査体制の構築(コロナ以降の今後の新たな感染症対策をも視野に)が必要なのに、触れられていません。
また「保健所の取組強化」と述べているものの、この間の保守都政の下、保健所が減らされ、それが保健所のコロナ対応に大きな困難をもたらしたのにもかかわらず、それへの反省と保健所等の具体的な拡充策(特に多摩地区では保健所が大きく減らされ、統合され、数市で保健所を分け合うという状態であり、地域の予防医療衛生機関として圧倒的に不足している現状の解決策)が示されていません。コロナ以降も新たな感染症の発生も予想される中、その拡充策は急務です。
「戦略5:誰もが輝く働き方実現戦略」では、現在問題になっている、非正規雇用や雇止め・解雇、ブラック企業などの問題にはほとんど触れていませんが、それらを解消するために都として何ができるのか、その施策こそが求められていると思います。テレワークについては触れていますが、コロナ禍、テレワークしようにもできないエッセンシャルワーカーの人たちの、安全と労働環境をいかに改善するかという施策については触れられていません。
「東京発ソーシャルファーム支援プロジェクト」を掲げ、「ソーシャル・インクルージョンの考え方に立ち、就労に困難を抱える方が働く新たな枠組みであるソーシャルファームの創設及び事業活動を支援」ということを掲げたのは画期的で評価しますが(この制度の実際の運用については課題も残りますが)、新たな働き方を掲げるのであれば、昨年12月に労働者協同組合法が成立しましたが、雇われず働く「協同労働」という働き方についても触れてほしいですし、都としてその支援策も打ち出すべきです。
「戦略6:ダイバーシティ・共生社会戦略」では、「様々な人が共に暮らし、多様性に富んだ東京」にするためには、LGBTQの人々も含めた、多様な人々の共生と活躍が必要であり、東京の渋谷区や世田谷区で実現している「同性パートナーシップ制度」なども都として積極的に制度化すべきです。
「戦略7:『住まい』と『地域』を大切にする戦略」では、「住宅セ一フティネットの強化 都営住宅の公平かつ的確な供給や、公的住宅(都営住宅・公社住宅)ストックの有効活用、東京ささエ一ル住宅の補助拡充による供給促進」「都営住宅など公的住宅の建て替えを梃子に、まちを動かすプロジェクト」「都営住宅用地の民間活用」などを掲げていますが、コロナ禍の下、住宅に困窮する都民が増えているにも関わらず、石原都政以来、小池都政下でも都営住宅の新規建設が行われておらず、都営住宅の新規増設や民間賃貸住宅居住者に対する家賃補助などの住宅政策こそが必要です。「都営住宅の公平かつ的確な供給」を掲げるだけでなく、都営住宅を具体的に、どのように増やすのか、具体的な計画を提示すべきです。「都営住宅用地の民間活用」については、その用地の単なる商業利用に終わらぬよう注意が必要です。
「戦略8:安全・安心なまちづくり」の「14:都立・公社病院改革プロジェクト」については、この間、民間病院がコロナ患者を受け入れると、経営困難になる中、都立病院・公社病院は、多くのコロナ患者を受け入れてきましたが、コロナ後も新たな感染症の発生も予想される中、それに備えるためにも都立病院・公的病院の拡充こそが求められており、小池都政がこの間、進めようとして来た、そしてこの『未来の東京』戦略(案)でも、その実現までの工程表まで掲げている、都立病院・公社病院の公的機能を弱めることになる「地方独立行政法人化」は撤回するべきです。「地方独立行政法人化」によって、独立採算化、営利優先になることは公立病院の役割を放棄することにつながります。
また「安全・安心なまちづくり」というならば、東京都心・人口密集地域を低空飛行する羽田飛行新ルートは直ちに変更すべきです。騒音や落下物の危険があるのみならず、一旦、墜落などの事故が起これば大惨事になりかねません。
やはり「安全・安心なまちづくり」に関わることですが、この『未来の東京』戦略(案)にその誘致案を掲げなかったのは良いですが、ギャンブルと射幸心を煽り、都民の生活を破壊し、青少年にも悪影響をもたらし、治安を悪化させる「カジノの誘致」は絶対すべきではありません。
「戦略19:オリンピック・パラリンピックレガシー戦略」ですが、コロナ感染が収束しない中、オリンピック・パラリンピックを開催することは、感染拡大の防止という観点から、都民にとっても、海外からのアスリートにとっても好ましくありません。オリンピック・パラリンピックは中止して、その予算をコロナ対策に振り向けるべきです。もしコロナ禍の中、オリンピック・パラリンピック開催を強行して、そのために感染がさらに拡大したならば、歴史に汚点を残す、負のレガシーになってしまいます。
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