[CML 061819] ●【声明】元「徴用工」への6.7ソウル地裁反動判決を糾弾する(過去清算共同行動)

kenju watanabe nrc07479 @ nifty.com
2021年 6月 11日 (金) 15:16:02 JST


日韓ネット@渡辺です。 BCCおよび複数のMLに送ります。重複ご容赦・拡散歓迎。

ソウル地裁の反動判決に対して過去清算共同行動が声明を出しましたので送ります。
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【声明】
強制動員被害者らの請求を却下した6.7ソウル地方法院の反動的判決を糾弾する!

 6月7日、強制動員被害者・遺族ら85名が日本製鉄・三菱重工・住石ホールディング
ス等日本企業16社を相手に起こした損害賠償請求訴訟で、ソウル地方法院(キム・ヤン
ホ裁判長)は原告の請求を却下する判決を出した。
  私たちは、強制動員被害者らの訴えを一顧だにせずソウル地方法院が出したこの反動
的な判決を糾弾する。

 今回の判決は、以下の点で、被害者の人権回復の視点を欠き、また、脱植民地主義の
流れに逆行する反動的な判決である。
 第1に、本訴訟を審理した裁判長は、被害者原告が求めた弁論の機会を一切認めず、
被害事実等の訴えに全く耳を傾けることなく法理論だけで請求を却下した。国連自由権
規約第2条第3項(b)は、権利・自由を侵害された者の救済に向けて、「司法上の救済
措置の可能性を発展させること」を締約国に求めている。しかるに、今回の訴訟の審理
、判決は、司法に課されている人権侵害被害者の救済義務に背を向けるものであり、到
底認めることはできない。

 第2に、判決は強制動員被害者らに実体として損害賠償請求権があることを認めなが
ら、日韓請求権協定で財産・請求権問題は「一括処理」され、「完全かつ最終的に解決
」されたので、原告が請求権を行使することは制限されると言って、請求を却下した。
このような判断は、反人道的な不法行為の被害者の権利回復の道を塞ぎ、同時に加害当
事者を免責する法理であり、人権規約、国際人権法の発展に反するものでしかない。

 第3に、本判決は、強制動員被害者の慰謝料請求権を認め、被告日本企業に賠償を命
じた2018年10月30日大法院判決を、ウィーン条約第27条、禁反言の原則に反するもので
あると言って、自らを合理化している。ただ、同条約第27条は「どの当事国も、条約の
不履行に対する正当化の方法として、その国内法規定を援用してはならない」と規定し
ているのみである。他方、大法院判決は請求権協定を否定したものではない。反人道的
な不法行為に対する慰謝料請求権は請求権協定に含まれないと判断しただけである。ま
た、大法院判決は「植民地支配の不法性を認める国内法的な事情」からのみ出されたも
のでもない。2001年ダーバン宣言は、「植民地主義によって苦痛がもたらされ、植民地
主義が起きたところはどこであれ、いつであれ、非難され、その再発は防止されねばな
らないことを確認する。」(パラグラフ14)と規定している。植民地支配が「合法」、
「適法」などという主張はもはや通らない。また、植民地主義によって「苦痛がもたら
された」被害者の人権は回復されなければならない。このことを、裁判長は知るべきで
ある。

 第4に、判決は、被害者の請求が認められ、それが強制執行されたならば、対米、対
日関係が悪化し、「国家の安全保障と秩序維持という憲法上の大原則を侵害する」と述
べ、「権利濫用」とまで言う。しかし、本訴訟はあくまで強制動員被害者が加害日本企
業を訴えた民事訴訟である。それにも拘わらず判決は、「国家安保」「秩序維持」を前
面に出して被害者の人権回復の道を封ずる。さらには、請求権資金によって「漢江の軌
跡」がもたらされたとまで言って、暗に「だから我慢せよ」と被害者を黙らせようとす
る。許しがたい判決である。

 上記のように、今回の判決は、強制動員被害者の人権救済よりも、「自由民主主義と
いう憲法的価値を共有する」日本との関係、韓米同盟を重視、優先する極めて国家主義
的な判決である。キム・ヤンホ裁判長は、いまだに冷戦下の1965年に生きている感覚で
判決を書いたとしか思えない。
  これは国際人権の発展、脱植民地主義の世界史的流れに逆行する反動的な判決である
。このような判決は、上級審において必ず否定されねばならない。
  それだけでは済まない。2018年10月30日、11月29日、被害者の請求が認められ加害企
業(日本製鉄、三菱重工)に賠償が命じられた大法院判決から既に2年半以上が経過し
た。しかし、被害者の人権はいまだに回復していない。それどころか勝訴判決を得なが
ら謝罪も賠償も受けることなく亡くなった被害者も存在する。このような状況を一日も
早く打開し、強制動員被害者の権利回復、強制動員問題の解決が図られねばならない。

  日本政府は、この判決を受けて、「懸案の解決のため、韓国が責任を持って対応して
いくことが重要だ。韓国からの具体的提案を注視している」(加藤官房長官)と述べた
。自らには何の責任もないかのようである。被告企業のひとつである日本製鉄は「妥当
な判断である」とコメントした。2018年10月30日の大法院判決には服さず、自分たちに
都合の良い判決は肯定する。被害者の人権は二の次で自分たちの利益しか眼中にないの
であろう。私たちはこのような無責任を認めることはできない。

  私たち、強制動員問題解決と過去清算のための共同行動は、韓国の強制動員被害者の
人権回復のために、被害者、支援団体などと連帯し、さらに運動を広げていく決意を表
明する。

             2021年6月10日
強制動員問題解決と過去清算のための共同行動
  住所:〒230?0062 横浜市鶴見区豊岡町20番地9号
 サンコーポ豊岡505号 全造船関東地協労働組合気付
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