[CML 061804] チョウ類研究者宮城秋乃さんの自宅の不当捜索に抗議する
kodera @ tachibana-u.ac.jp
kodera @ tachibana-u.ac.jp
2021年 6月 9日 (水) 12:37:15 JST
皆様
ご存知だと思いますが、6月4日、沖縄県警は威力業務妨害の疑いでチョウ類研究
者の宮城秋乃さんの自宅を家宅捜索しパソコンなどを押収しました。
宮城さんはこの間、返還された米軍北部訓練場跡地の森を踏査し、米軍廃棄物の
2000発以上の空包、手投げ弾、放射性物質コバルト60を含む電子部品などを発見
し、防衛省や米軍などに対応を求めてきましたが、形だけの回答で跡地をきちん
と原状回復しようとはしていません。
そこで宮城さんは4月7日に、同訓練場ゲート前にある基地との境界線内側に米軍
の物と思われる廃棄物を置いて抗議したのです。県警はそれが米軍や軍雇用員ら
の通行を妨害したとして威力業務妨害としたのですが、そもそも米軍が廃棄した
ものを米軍の敷地に置いただけで、自分たちで片づければ済むものです。
その写真は琉球新報に載っています
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1334355.html
この問題について、朝日のWEB論座に桜井沖縄大学名誉教授が
「沖縄県警は、なぜチョウ類研究者宅を家宅捜索したのか 国策に異を唱え、米
軍の廃棄物を告発した宮城秋乃さんを見せしめに」
という論考を書かれています。
https://webronza.asahi.com/science/articles/2021060700003.html?page=1
その中で桜井氏は「米国政府と一体となって、南西諸島の軍事要塞化を推し進め
ようとしている日本政府にとって、物言う研究者の宮城秋乃さんは目障りな存在
であったに違いない。菅首相が就任早々に行った日本学術会議会員の任命拒否と
ダブって見えてくる」と記しています。
一研究者のやむにやまれぬ訴えぬ耳を貸すのではなく、強権的に取り締まる、し
かもパソコンや研究データを押収する、こういう政府のやりかたに、科学者とし
ても声をあげていくべきではないでしょうか。
この事件は国会で審議中の重要土地規制法案とも関わる問題です。桜井氏は「自
衛隊基地や米軍基地が集中し、国境離島を抱える沖縄は、この法律によって地域
の少なからざる部分が注視区域や特別注視区域となる。そこで暮らす人々の財産
に制約が課されるだけでなく、個人情報が収集されて思想調査にまで国が立ち入
ることが可能となりかねない」と訴えています。
是非上記論座をお読みください。
小寺隆幸
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