[CML 061741] フクシマ原発被災者の権利・東京新聞「こちら特報部」
maeda @ zokei.ac.jp
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2021年 6月 1日 (火) 17:58:24 JST
今朝の東京新聞「こちら特報部」は、「国連の勧告から4年」「自主避難者救済
尽力を」「政府の支援不十分なまま」「特別報告者受け入れ無視 難民申請など
へ飛び火警戒?」という記事です。
2017年に国連人権理事会が救済を勧告するなど、国際人権機関からの勧告に
もかかわらず、日本政府が被災者を無視してきました。
国連人権理事会のセシリア・ヒメネス・ダマリー国内避難民の権利・特別報告者
はこれまで2回、日本の状況調査を要請してきましたが、日本政府が受け入れな
いため訪日調査ができていません。
国や東電に損害賠償を求めてきた被災者たちの運動を紹介し、特別報告者を受け
入れるべきではないかという記事です。
私のコメントが以下のように記されています。
<東京造形大学の前田朗講師は「受け入れが大変なのは分かるが、日本は人権理
事会のメンバーでもあり、当然、特別報告者の調査を受け入れるべきだ」とし、
こう推測する。「今、日本の難民申請や外国人収容問題に、世界の注目が集まっ
ている。国内避難の問題はこれとは別問題だが、隣接するテーマ。もし、特別報
告者を受け入れ、原発避難が話題となれば、難民申請や外国人収容問題に飛び火
する恐れがあるため、受け入れたくないのではないか」>
私の推測が当たっているか外れているかはわかりませんが。
*
これまで日本政府は例えば下記のように特別報告者を受け入れてきました。
① 日本軍性奴隷制についてラディカ・クマラスワミ「女性に対する暴力特別報告
者」、
② 日本の人種差別についてアダマ・ディエン「人種差別特別報告者」、
③ 福島原発事故被災者の健康についてアナンド・グローバー「健康の権利特別報
告者」、
④ 表現の自由についてデヴィド・ケイ「意見・表現の自由特別報告者」、
⑤ ジョセフ・ケナタッチ「プライヴァシー権特別報告者」など
多くの特別報告者が日本を訪問し、人権状況を調査した結果として報告書を作成・
公表してきましたが、日本政府はこれらの特別報告者を非難してきました。
公式文書では確認できませんが、現在のニルス・メルツァー「拷問問題特別報告
者」が日本政府に訪問の要請をしたことも知られます。日本政府は応答していな
いため、メルツァー特別報告者の日本訪問は実現していません。
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前田 朗
Akira MAEDA
042-644-3140
E-mail:maeda @ zokei.ac.jp
http://www.maeda-akira.net/
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