[CML 061255] フランシス「ノマドランド」の旅なのさ クロエ監督えがく路上と

大山千恵子 chieko.oyama @ gmail.com
2021年 4月 1日 (木) 22:12:20 JST


米国映画「ノマドランド」 <https://searchlightpictures.jp/movie/nomadland.html>

野原、のっぱら。しゃがんでる女主人公。おしっこ、してる。お尻をふって、ぶんぶん。紙なんて使わないんだ。んー。水洗便所は紙を流すだけだから、紙もないほうがいいのか。大草原では。

髪を鋏で切る、自分で切ったら後ろは見えない。ま、いいか。見えないし。

お水をポリタンクから、口飲みする。あー、20年近く前に英国グリーナムピースキャンプで見て以来だよぉ。ワイルドな千恵子も流石に、やったことない。というか衛生上こわいし。

せまいキャンピングカー内の便器。あちゃ、臭気と片付け処理を考えるだけで一日たりとてできない某生活。それより水洗の監獄を選ぶかも...軟弱ごめんね千恵子。

びっくりしたので悪口みたいに書いてしまった貧困放浪者フランシス。映画の原作は*「**ノマド:漂流する高齢労働者たち」ジェシカ・ブルーダー(春秋社)*
<https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393333648.html>

この説明だと貧困が主題に見えるけど、じつは*「路上に生きる自由、路上で死ぬ自由」*とか気持ち心意気のことを描いているのだよ。

ネバダ州の企業城下町。ネバダって核実験やった砂漠のとこという印象が強い。エンパイアという町。リーマンショックで石膏工場も、地域共同体も、郵便番号さえ!無くなった町。そして最愛の夫も亡くした彼女は、キャンピングカー生活を始める。そのなかで出会ったひとたち。高齢の女たち、戦争で心を病んだ男とか。

*実際のノマド達がでてくるから、セミ・ドキュメンタリーとも言えるか。職業俳優は、ふたりだけなんだとさ。*

違和感を持ったのは、アマゾン配送センターで下層労働者が和気あいあいとしてるとこ。あの悪名たかいとこが良い場所みたいに見えるじゃないか。ろくに休憩時間もとれない極悪なのに。

一般的には、わかりやすい場面。有名会社に現場協力させちゃうなんて、クロエ・ジャオ監督ならではなのか。社会派っぽい匂いはするけど、彼女の求めてるのは違うみたい。なんせ次作はマーベル・スタジオの最新ヒーロー超大作「エターナルズ」の監督に抜擢されてる。北京生まれの30代、注目しようぜ。

*原作を気に入って映画化への道を切り開いた、製作者フランシス。そして主演。この存在感、あっぱれ。*

すべての60歳以上の女たちに見てほしい作品。




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大山千恵子
ブログ 「千恵子@詠む...」 毎日更新http://blog.goo.ne.jp/chieko_oyama


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