[CML 059275] 米国「奇妙な死刑囚」 三十年後に解放の実話
大山千恵子
chieko.oyama @ gmail.com
2020年 7月 24日 (金) 16:56:40 JST
*救援連絡センター
<http://www.toben.or.jp/message/libra/pdf/2007_6/p14_15.pdf>発行「救援」紙の、2面の連載コラムより*
*米国「奇妙な死刑囚」 **三十年後に解放の実話*
みなさま、気づいたかしらん新紙面。八月号から刷新したんだよ。微妙に違うの、わかるかな。一行に十字。そっ、文字を大きくすることになり、老人フレンドリー化。弱者に優しいと。
その分、情報量は減ってしまう。数年前にもやったけど更に減らすと。それよりも七面の長文映画紹介を何とかするとか工夫は、あるだろうに(以下、略)。幸いにも当コラムは矩形枠のまま原状維持なので、ご贔屓に。文字が小さくて御免ね。
★ ★ ★
さて今回の紹介。無実の罪で三十年間、死刑囚監房に監禁されたひとの回想録。米国南部のアラバマ州の黒人が、身に覚えのない強盗殺人の罪で死刑を宣告された。
*最初のも次のも、担当弁護士は酷い奴。*
最低野郎。黒人だから、貧乏だから満足な裁判を受けられなかった。お母さんは、嘘発見機の費用を用意するのだけで精一杯。そもそも何んで被告人の親が払うのか、意味わからんぞUSA。
*死の匂い。*電気椅子での処刑だから肉が焦げる匂いが漂う。換気が悪くて、一晩じゅう匂いは消えない。悪臭は髪に、喉に、口のなかに居座る。地獄の嫌がらせだ。
そんな中で、死刑執行室に歩いていった五四人の仲間全員の名前を知っていた。なかには*面識もない黒人をリンチ殺の白人*
もいた。KKKの親に育てられたヘンリーは、実際に黒人レイと交流して罪を悔いた。そう、鉄格子を超えて友達になるんだ。ヘンリーはKKK親父に黒人レイを親友として紹介する。父は挨拶もしないし、握手もしない。
レイが提案した読書クラブ。一ヶ月に一度、図書室に集まることを計画し実践する。死刑囚たちの交流は深まるけれど、仲間は次々と処刑されていく。
後半。ノンフィクション本も映画も素晴らしい「黒い司法」
<https://blog.goo.ne.jp/chieko_oyama/e/a5b6ad8ae05a0250d78783329dd5fbc2>
のブライアン・スティーヴンソン弁護士と組んだ十五年の闘い。これも長いよねえ。警察も裁判官も酷いが、ふたりの糞弁護士のミスを直すのに優秀なブライアンが悪戦苦闘するのさ。
やっと解放されたレイ。初行動は、愛する母さんの墓参り。三十年ぶりに車の助手席に乗る。「六十メートル先、右折です」の声に飛びあがる。あわてて振り返り後部座席に目を走らせる。
*彼女は何処だ。道案内をする白色女性は何処だ。*そう、運転ナビを知らないのだ。
その後にも*フォークを三十年ぶりに使う*場面があって、監獄の生活の異常さを考えさせられた。
■「奇妙な死刑囚」 アンソニー・レイ・ヒントン・著 海と月社・刊
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大山千恵子
ブログ 「千恵子@詠む...」 毎日更新http://blog.goo.ne.jp/chieko_oyama
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