[CML 059243] 「アメリカン・プリズン」ビズの潜入記よくぞ書いたり...シェーン・バウアー

大山千恵子 chieko.oyama @ gmail.com
2020年 7月 19日 (日) 08:07:20 JST


*「アメリカン・プリズン   潜入記者の見た知られざる刑務所ビジネス」*
<https://note.com/bunko_x/n/n0504cc27cd57>      シェーン・バウアー
<http://democracynow.jp/dailynews/18/09/20/5>     東京創元社
<http://www.webmysteries.jp/archives/22641010.html>

全米150万人の受刑者のうち、13万人を収容する民営刑務所。中東シリアで2年間の監獄経験のある著者は、実態を調べるために、スーパーマーケット
並みの時給9ドルで勤務したのだ。ルイジアナ州の刑務所の実録。

小型カメラとレコーダーを隠し持つ。トイレでメモを取る。あな恐るべしの実態。最後は自分自身が壊れそうになって辞めるまでの4ヶ月。貴重な体験記録。

*研修から始まって小さな章ごとに進む勤務内容と、過去の監獄の歴史が挟み込まれる構成。*
「風と共に去りぬ」スカーレットがやった経営方針の背景が丹念に描かれる。そうだ、そういうことなんだ。農園主からしたら、奴隷より囚人を借りる方が良かった。囚人の方が安いし、期間が決まっているから、奴隷のように歳を取ってからの面倒を見る必要がなかったとか。

また奴隷解放後は、白人たちは、自由な黒人が増えることを恐れた。そしてそんな自由な黒人を「服従させる施設」として「刑務所」が注目されたのだ。

そして報告の発表後の会社側、政府の対応なども興味深い。渾身の一冊。





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大山千恵子
ブログ 「千恵子@詠む...」 毎日更新http://blog.goo.ne.jp/chieko_oyama


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