[CML 057609] ゴーン氏も苦しんだ「刑事司法」の実態〜『裁判所前の男』13日に上映

Akira Matsubara mgg01231 @ nifty.ne.jp
2020年 1月 10日 (金) 16:18:28 JST


松原です。複数のメーリングリストに投稿します。転送歓迎。

 ビデオプレスの『裁判所前の男』(2015年作品・65分)が、1月13日の「自主制作映画見本市」で上映されます。ゴーン氏が苦しめられた日本の刑事司法の実態が『裁判所前の男』から見えてきます。東京・文京区民センターで午後6時からです。↓(詳細プログラム)
http://www.labornetjp.org/news/2020/0113kokuti

 この作品は、2015年秋の「東京平和映画祭」で上映され大好評でしたが、その後、上映する機会が少なく、広がっていませんでした。私はこの作品への思い入れが強いです。というのは、労働争議をはじめさまざまな社会問題が公的に争われるのは裁判所ですが、そこでは「不当判決」が連発され、人権救済どころかあたりまえの正義が通らない現実があるからです。司法は行政をチェックするどころか、国家・行政・企業のしもべになっています。民主主義の基本である「三権分立」が損なわれていることが、日本劣化の元凶のひとつであることは間違いありません。

 『裁判所前の男』の主人公、大高正二さんは、ごくふつうの庶民ですが、あまりの裁判所のひどさに一人立ち上がり、毎日裁判所前に座り込み、声を上げ続けた人です。かれの事件から、日本の刑事司法の実際の姿がみえてきます。また作品では、恐怖の429号警備法廷の実態や『日独裁判官物語』の映像も使ったドイツとの比較も出ており、司法全体の問題に迫っています。

 すでに2013年の国連拷問禁止委員会で「日本の刑事司法は中世」とまで言われ「勧告」が出されています。自白を強要する代用監獄制度、長時間取り調べ、長期勾留、弁護士の立ち会いなしの取り調べ、そして有罪率は世界一の99.9%、「推定有罪」の人権後進国日本。ゴーン氏の事件はその現実を世界に知らせることになりました。今こそ、この問題に火をつけるチャンスでもあります。

 この機会に『裁判所前の男』をご覧いただき、一緒に考えていければと思います。

●作品紹介 2015年・65分・ビデオプレス

 この作品は、2007年から2013年までの7年間を記録したものです。「裁判官は証拠資料をちゃんと読め」「裁判官の数を増やせ」「撮影・録音の自由を」など、ごくまっとうの訴えを裁判所前で連日行ってきた大髙さんは、裁判所の目の上のタンコブでした。
 大髙さんは、2010年に裁判所内にカメラ付きケータイを持ち込んだことを理由
に強制退去させられ、そのときに守衛を殴ったという理由で「公務執行妨害、傷
害」罪で逮捕されました。本人は事実無根と否定しましたが、3年近く勾留され
ました。
 国家権力が「もの言う人間」をひねりつぶそうとしたのです。果たしてその事
件の真相は? 公判が行われた「恐怖の429号警備法廷」の実態は? 秘蔵映像を
通して、知られることのなかった裁判所の闇が浮かび上がります。また元裁判官・生田暉雄弁護士も登場し、「裁判所の実態」を告発します。
→映画サイト(DVD購入可) http://saibanshomae.jimdo.com

  ●観た人の感想〜「裁判所」という病棟の膿を切り裂く

 題名から想像される緊張した空気は映画の進行と共に、軽快、痛快、壮快といった気分にさせ、歪んだ民主主義が巣食う“裁判所”という名の病棟の膿 
を切り裂く。日本の裁判所も拘置所も、いまだに人権を圧死させる仕掛けになっている。主演の大髙さんの歯に衣着せぬキャラは、一寸『男はつらいよ』的哀愁 
を醸しつつ、権力者のでたらめを打倒する凄さは感動であり、翻って私たちの人間としての魂を目覚めさせる。力強い作品であり、力強い大高さんに続かねば、 
と思う。(K・T)

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   松原 明 mgg01231 @ nifty.ne.jp
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