[CML 057961] 関西救援連絡センター第349号 2020年2月号

shoichi matsuba mauricemerleau @ yahoo.co.jp
2020年 2月 26日 (水) 15:49:03 JST


第349号 2020年2月
関西救援連絡センター
〒530‐0022大阪市北区浪花町11‐14
   電  話 06-6372-0779
   振替番号 00910-2-73915
発  行  隔月刊(原則として) 
賛助会費  月 額 1口   500円
年間購読  送料共 1部 1,500円

■大阪地裁は、再審請求中に死刑執行されない権利を認めず
 二月二十日午後一時十分から、大阪地裁八〇六法廷において、松本健次氏を原告とする訴訟の判決の言渡しがあった。主文は「原告の請求棄却」(大阪地裁民事七部)。
 判決は、第一の争点である「訴えの適法性」については、「当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する現実の紛争=法律上の争訟」に該当し、「訴えの利益」もあり、再審ではなく「行政訴訟法で判断を求めることが許される事項である」と認め、門前払いとはしなかった。
 しかし、第二の争点であり、原告が判断を求めた「再審請求中の死刑確定者に対して、死刑を執行することは、再審請求中の死刑確定者の裁判を受ける権利という基本権のための基本権とも言うべき重要な権利(憲法三一条、三二条および一三条)を侵害し、再審開始決定を受ける権利を侵害するものである」との主張に対しては、「独立した公平な裁判所の公開法廷で判決を受けている」ことを根拠に、「憲法三二条は、刑事訴訟において独立した公平な裁判所の公開法廷での判決であることを規定したものである」「再審請求中に死刑が執行されてもB規約のいう『恣意的に生命を奪われた』『残虐な、非人道的な取扱い』にはあたらない」「刑事訴訟法四七五条二項但書を根拠として導き出すことはできない」と退けた。
刑事訴訟法四七五条
一項 死刑の執行は、法務大臣の命令による。
二項 前項の命令は、判決確定の日から6箇月以内にこれをしなければならない。但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であった者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない。

■【関生弾圧】武委員長と湯川副委員長の勾留は既に一年六ヶ月
 現在も、武委員長と湯川副委員長は保釈申請が認められず、勾留が続いている。早急な身柄の奪還が、求められている。
 また、保釈された組合員も、個人名を指定しない「関係者との接触」や「関係箇所への立入り」の制限が保釈条件とされているため、組合事務所に入れず、会議も持てない状態にされている。
 裁判所による労働運動への妨害ともいうべきこのような状態が継続しており、保釈条件の制限の撤
廃も課題となっている。
【裁判】大阪地裁での審理が先行している。Aグループ(ゼネストの現場にいたとされる)の検察側立証は終了し、弁護側立証へ。ゼネストを指示したとされるBグループは被告三名の証言も終了し、結審/判決が近い。
【国賠提訴へ】現在委員長・副委員長の長期勾留、警察での取調べ時の組合脱退強要等に対して、国賠提訴の準備が進められている。
 昨年、国連人権理事会恣意的拘禁ワーキンググループへの申立が行われている。ILO(国際労働機関)の過去の判例に照らせば、「労働組合の正当な活動に対する弾圧=労働基本権の侵害」「認められた人権(労働基本権)の行使を理由とする恣意的拘禁」に該当するとの指摘がある。

★関生弾圧公判日程一覧★
関生弾圧公判日程一覧
裁判は、大津地裁2グループ、大阪地裁2グループ、京都地裁2グループ、和歌山地裁と7つの法廷で進行。
※傍聴券は抽選。抽選の〆切時間は、裁判によって異なるので、「傍聴券交付情報-裁判所」で検索して確認を。
※裁判や被疑事件の等の詳細については連帯広報委員会(http://rentai-union.net/archives/2467)
「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さない東海の会」のHP(https://kannama-tokai.jimdofree.com/)で確認を。
大津地裁の情報や大津署への抗議行動は「かんなま勝手連 滋賀」で検索して、複数あるFacebook等で確認を。

◆大津地裁◆
A+Bグループ
(湯川副委員長他5名、委員長は大阪へ併合)
「湖東協8・9、8・28弾圧、
大津協11・27弾圧、湖東協2・5弾圧」
5月27日10時~(第33回/終日証人尋問)
5月29日10時~(第34回/終日証人尋問)
Cグループ「湖東協2・5弾圧」
 公判整理手続中

◆大阪地裁◆
Aグループ(8名)
「大阪9・18、10・9弾圧」
 2月17日10時~(第10回)
 3月16日10時~(第11回)
 5月18日10時~(第12回)
 6月19日10時~(第13回)
Bグループ(3名)「大阪11・21弾圧」
 2月27日10時~(第9回)

◆京都地裁◆
Aグループ(4名)「加茂生コン事件弾圧」
 3月18日14時~(第1回/証人尋問)
Bグループ(2名)グループ「加茂生コン、近畿生コン、ベストライナー事件弾圧」
 公判整理手続中

◆和歌山地裁◆
「和歌山広域7・22弾圧」(3名)
 公判整理手続中

■【和歌山カレー事件・民事訴訟】河合教授&被告(鑑定人)が証言
 この裁判は、二〇一七年四月三日に、ヒ素と毛髪の鑑定人である中井泉と山内博を、名誉毀損で訴えた民事訴訟である。同年七月七日に第一回口頭弁論が開かれた後は、十八回におよぶ進行協議が開かれ、原告側が証人申請した河井潤京大教授と、被告本人二名の証人調べが採用された。
 訴えた不法行為は二つ。
① 被告中井が実施した分析からは、同一物とまで結論することは誤りで、公判で虚偽の証言をした」「被告山内は、原告の頭部から採取した毛髪を分析し、三価の亜砒酸を検出できなかったにもかかわらず検出されたと記載した鑑定書作成し、公判で虚偽の証言をした。
② 逮捕された年の十二月記者会見し、中井は原告の関係箇所から発見された六つの亜砒酸と青色紙コップ及びカレー鍋の亜砒酸が「同じ工場で同時期に製造された中国製の同一物である」と誤った事実を発表し、山内は「前髪から検出されたヒ素は、毛髪の表面に付着した無機ヒ素」と誤った事実を発表し、マスコミに本件事件の犯人であると誤信させた。
 一月三一日午前十時から、河井教授の主尋問が行われ、スペクトル図のヒ素のピークが、ヒ素のピークではなく鉛のピークだと気付いた理由などが解説された。
 同日午後は、被告人である中井泉氏と山内氏への主尋問が行われたが、河井教授の分析についての反論などはほとんで行われず、「提出した陳述書のとおり」と述べるにとどまった。
 二月十四日、反対尋問が行われた。午前中の河井教授に対する反対尋問は、山内氏が前日に提出した客員教授としてメリーランド大学に滞在したという書類についての質問から始まり、河井教授から「Guest Professorは客員教授」と言わせようとしたが、うまくいかなかった。被告代理人からはほとんど実のある反対尋問は行われず、原告代理人の補充尋問で、コップの亜ヒ酸が他のものとは異なる成分であることが証言された。
 中井氏は「和歌山地裁の証言は、質問に答えただけで不正確」「ヒ素のデータ測定は、なんやかやで数回行った」「測定したデータの記録は、実際に測定した助手が持っている」と公判とは異なる証言を行い、検証再現性についても「私が大丈夫と思った」からと、客観性の担保は不要と述べた。
 記者会見に関しては、「鑑定書を出すのではないから、大谷検察官から了解をもらった」「検察官に会って了解を得たのは中井氏」との証言が行われた。
 七月十日十三時十五分からの口頭弁論で結審の予定。

■常態化する年末の死刑執行―第二次安倍政権で三九人目の死刑執行
 御用納め前日の十二月二六日、森まさこ法務大臣の執行命令で、魏巍(ウェイウェイ)氏(福岡拘置所)に死刑が執行された。
 十二月六日午前、森法務大臣は安部首相を訪問しており、昨年同様、年末の死刑執行が危惧されていた。
 執行時の記者会見で森まさこ法務大臣は、「死刑は人の生命を絶つ極めて重大な刑罰であり、執行に際しては慎重な態度で臨む必要がある」「法治国家においては、確定した裁判の執行は厳正に行う」という、あらかじめ法務省が用意した文言を読み上げた。
 執行された魏巍氏は、貿易を学びたいと二〇〇一年に来日し、日本の大学を二度受験したが失敗し、多額の資金援助をしてくれた親にも頼れない状況で、知り合いから誘われて犯行に加わった。
 共犯者は三人とされ、二人は中国で逮捕され、主犯は中国で死刑が執行されたが、魏巍氏と同じような立場の共犯者は、捜査協力などの理由で無期刑となっている。
 森法務大臣は、魏巍氏が再審請求中であったかどうかについては回答を拒否したが、再審請求中だったようだ。また遺族は、この事件が本当に犯人とされる三人だけの犯行であるか疑問があり、全容が明らかになっておらず、再捜査を求めていたという。
 二〇〇四年二月五日付の西日本新聞の朝刊は、「福岡市東区の衣料品販売業一家四人殺害事件で、被害者のいとこの男性が三日、捜査本部のある福岡東署を訪れ、『中国人三人だけの強盗目的の犯行とは到底考えられず、ほかにも共犯者がいるはず』として、再捜査を求める書面を提出した。書面は『容疑者不詳への告発状』としており、この男性ら親族四人が提出。」と報じている。

■公判日程
公判日程
2月27日14時   琉球遺骨返還請求訴訟       京都地裁(民)第4回
3月11日11時   吉田寮現棟/食堂明渡請求訴訟*※1 京都地裁(民)第4回
3月19日14時   マイナンバー違憲訴訟・大阪*   大阪地裁(民)第17回
3月27日11時半  白バス弾圧ガサ国賠請求訴訟    大阪地裁(民)結審
4月20日15時半  フェミニズム科研費裁判*     京都地裁(民)第4回
4月22日15時   人民新聞押収品不返還訴訟     大阪地裁(民)第8回
7月10日13時15分 和歌山カレー民事訴訟vs中井&山内 大阪地裁(民)結審
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*は傍聴券が抽選になる可能性の高い裁判です。
※1/詳細は以下のURLへ 吉田寮広報室:https://twitter.com/yoshidaryo_koho
吉田寮公式サイト:https://sites.google.com/site/yoshidadormitory/
★12月17日の森友学園(売買契約書不開示)裁判大阪高裁での全面勝訴判決は、上告されなかった為、確定した。
★「戦争法違憲訴訟・大阪」1月28日の大阪地裁判決は、訴えの中身に入らず、門前払い。現在控訴中。
★「大阪・花岡国賠訴訟」の2月4日の大阪高裁判決は控訴棄却、原告らは上告!
★2月20日13時10分 公法上の法律関係確認訴訟
★琉球遺骨返還請求訴訟の次回以降の口頭弁論期日は、全国連絡会のFacebookでご確認を。 https://www.facebook.com/events/1063152940690639/

★即位・大嘗祭違憲訴訟第5回口頭弁論 5月20日(水)14時、東京地裁103号
詳細は、即位・大嘗祭違憲訴訟の会HPへ URL : http://sokudai.zhizhi.net/
第2次提訴分の差止め訴訟
―東京高裁は「原判決破棄・一審差し戻し」を決定!
 12月24日(火)東京高裁は、第2次提訴分の差止め訴訟について、東京地裁の却下判決を破棄し、地裁での裁判のやり直しを命じた。地裁判決は納税者基本権に基づく差止めは却下したが、人格権に基づく請求について判断していなかったため、手続き上法令違反にあたる、と判断された。結果的に、原判決の破棄と一審差し戻しを要求していた訴えが、認められたのである。 
 2月7日には、「高裁から差し戻されて、東京地裁で再審理される」との東京地裁民事38部からの連絡もあった(第1回口頭弁論期日は未定)。
 差止め請求第1次提訴分については、国家賠償請求と差止め請求とに分離され、既に最高裁で棄却決定が出され、確定している。
★ノーハプサ2次訴訟控訴審 第2回口頭弁論 3月24日(火)11時、東京高裁101号

■催し物■中止になる可能性があります、事前にご確認下さい。
◆■自由人権協会京都 例会■ 参加費:1000円(会員、学生、司法修習生は無料)
https://jclu-kyoto.jimdofree.com/ホーム/イベント/
刑事弁護のココロ 講師:金杉美和さん(弁護士)
3月12日(木)18:30~20:00 京都弁護士会館 地下大ホール
金杉美和弁護士は、数々の事件で弁護人を務められただけでなく、高野隆弁護士が主催する、一般社団法人東京法廷技術アカデミー(通称TATA。全国各地で刑事弁護、特に裁判員裁判における弁護技術の普及・向上のためのワークショップを開催している団体)や日弁連において、法廷技術研修の講師を務めるなど、日本でも有数の刑事弁護のエキスパートです。今回は、金杉弁護士が刑事弁護に注力されるようになったきっかけや普段の弁護活動で心掛けておられること、さらには実践的な刑事弁護技術に至るまで、広く 深いお話しをいただきます。

◆天皇代替わりに異議あり!関西集会 いま共和制日本を考える
 4月12日(日) 午後1時開場-1時半開会 於:エルおおさか6F大会議室
  講師:堀内 哲さん 資料代:500円(学生以下半額/介護者無料)
  主催:天皇代替わりに異議あり!関西連絡会 

◆和歌山カレー事件 林眞須美さんは無実!!
 林健治さんを囲んで 和歌山カレー事件のこと、眞須美さんのことを根掘り葉掘り聞く集い
眞須美さんをカレー事件の犯人だと思いますか?ヒ素を眞須美さんに飲まされたのですか?
どうして眞須美さんがマスコミの人に向かってホースで水を撒いたのですか?                    家の中で主導権があったのは健治さんですか?眞須美さんですか? 
眞須美さんは、強い人ですか?・・・・・・・・・・・
4月19日(日) PM2時 開始 (PM1時半 開場)
社会福祉法人ピースクラブ4F(最寄り駅 JR環状線・新今宮駅 地下鉄御堂筋線・大国町駅)
参加費:五百円
主催:林眞須美さんは無実! あおぞらの会
聞く集い連絡先: ℡06-6681-1067(坂口)  Email seiyadenden @ bluesky.zaq.jp

◆第14回国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)が
今年4月20日(月)から27日(月)まで、国立京都国際会館で開催されます。
 5年に一度開催される犯罪防止・刑事司法分野における国連最大規模の会議で、各国の司法大臣や検事総長等を含む世界中の犯罪防止・刑事司法分野の専門家が集まり、議論や知見の共有などを通じて、様々な分野における国際協力を促進し、より安全な世界を目指して協働することを目的としている。京都コングレスの全体テーマは「2030アジェンダ※の達成に向けた犯罪防止、刑事司法及び法の支配の推進」で、国際社会が直面する刑事司法上の問題に効果的に対処するための方針を打ち出すとされている。 
※国連サミットで採択された行動計画。持続可能な開発目標(SDGs)。

◆国際シンポジウム(内容調整中) 	日本弁護士連合会主催関連企画
https://www.nichibenren.or.jp/event/year/2020/200425.html
「刑事司法の未来を展望する―刑事司法制度は死刑制度や弁護士への攻撃とともに共存できるのか」
4月25日(土)12:30~(12:00開場)百周年記念ホール(京都大学百周年時計台記念館1階) 
参加費無料/事前申込不要
 刑事司法が持続可能なものとなるためには、法の支配を促進し、すべての人々に司法への平等なアクセスが提供されなければなりません(SDGs16.3)。しかし、そうした目標を達成していくために、今日の刑事司法はいくつかの問題に直面しています。一つには、大国においても引き続き残され執行されている死刑制度です。二つには、法の支配を支えるべき弁護士がなお、その職務を理由に暴力、脅迫、嫌がらせに直面していることです。 
 この国際シンポジウムでは、持続可能な刑事司法の実現のために、この2つの挑戦的な問題を、国際・国内の専門家を集めて討論し、目指すべき刑事司法の姿を提示します。
◆第1部(12:30~15:15)
   テーマ 「世界のあらゆる国と地域での死刑廃止を目指す~国際法における死刑制度の違法性~」 
(1) 基調講演「国際法は死刑を違法とみなしている(仮称)」  講演者調整中 
(2) 国連事務総長によるビデオメッセージ「Transparency and the Death Penalty - What’s to Hide?」の上映 
(3) パネルディスカッション「日本は死刑を廃止する~国際社会でリーダーシップを発揮するために~」 
 パネリスト: 	〓山 佳奈子氏(京都大学大学院法学研究科教授) 
	小熊 英二氏(慶應義塾大学総合政策学部教授) 
	国際法曹団体推薦者(調整中) /駐日欧州連合代表部推薦者(調整中) 
 コーディネーター:海渡 雄一会員(京都コングレス対応WG委員、刑罰制度改革実現本部委員) 
◆第2部(15:30~17:00)
  テーマ 「弁護士の役割に関する基本原則採択30周年―弁護士の職務の独立と保護を確立するために」
(1) 基調講演 「弁護士の保護と独立のための弁護士会の役割―2018年国連人権理事会報告書(仮称)」
 Diego Garcia-Sayan氏(国連人権理事会裁判官と弁護士の独立に関する特別報告者)
(2) パネルディスカッション「弁護士の役割に関する基本原則30周年―適正な刑事司法の実現のために必要なシステム(仮称)」
 パネリスト:	Diego Garcia-Sayan氏(国連人権理事会裁判官と弁護士の独立に関する特別報告者)
	東澤 靖会員(京都コングレス対応WG事務局長、国際人権問題委員会委員)
	国際法曹団体推薦者(調整中)
 コーディネーター:大槻展子会員(京都コングレス対応WG委員)



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