[CML 057877] ギロチンから20年

donko @ ac.csf.ne.jp donko @ ac.csf.ne.jp
2020年 2月 15日 (土) 17:41:50 JST


転送・転載歓迎。

歴代自民党政が強力に推し進めてきた巨大公共事業です。
 
1997年、長崎県の諫早湾干拓事業工事が始まりました。
 干拓をするための締め切り堤防に次々に巨大な鉄板が海中に投下されました。
それはギロチンのように見えました。テレビ中継で見ていた私は、大きなショッ
クを受けました。

 干拓工事が始まると、有明海に異変が起こりました。潮流が変わったため、そ
れまで取れていたタイラギなどの貝や、有明海特有の魚が捕れなくなりました。
海苔も歴史的な不漁を繰り返しました。

 当時、有明海沿岸の柳川市に住んでいた私は、干拓事業によって漁業が壊滅的
な打撃を受けているのを目の当たりにしました。漁業を営んでいた友人の親や親
戚が次々に廃業しました。
「宝の海」と呼ばれたほど豊かな水産資源に恵まれていた有明海は、「沈黙の海」
になりました。

 柳川市などの漁業者は干拓事業に原因があるとして、事業の中止と締め切り堤
防の開放を求めて裁判闘争を始めました。

 それから20年が経ちました。

 表面的には有明海は穏やかです。しかしタイラギ漁は消滅しました。減少した
漁獲高は回復していません。海苔は収穫は不安定です。干拓事業が始まる前には
なかった事態です。
 20年間裁判で争った締め切り堤防解放は、今も実現していません。
 干拓事業は進み、野菜の栽培が行われています。しかし、栽培を行っているの
は農林水産省や長崎県から補助金をもらって農地を借りている外部の農事法人で
す。野菜の栽培と収穫は、農事法人に雇われた外国人技能実習生がになっていま
す。
 莫大な税金を投入して、農林水産省と長崎県は干拓事業を「成功」させようと
躍起です。

 「始まったら止まらない」とされる日本の巨大公共事業の典型例とされる諫早
湾干拓事業を映す番組です。

NHK総合
目撃!にっぽん「諫早の海に生きて〜長崎・巨大干拓事業の68年〜」
https://www4.nhk.or.jp/mokugeki-nippon/x/2020-02-16/21/34818/1077371/

放送日:2月16日
放送時間:午前6:10〜午前6:45(35分)

坂井貴司
福岡県
E-Mail:donko @ ac.csf.ne.jp
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「郵政民営化は構造改革の本丸」(小泉純一郎前首相)
その現実がここに書かれています・
『伝送便』
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