[CML 060495] 関西救援連絡センターニュース第354号 2020年12月

shoichi matsuba mauricemerleau @ yahoo.co.jp
2020年 12月 24日 (木) 10:52:57 JST


第354号 2020年12月
関西救援連絡センター
〒530‐0022大阪市北区浪花町11‐14
   電  話 06-6372-0779
   振替番号 00910-2-73915
発  行  隔月刊(原則として) 
賛助会費  月 額 1口   500円
年間購読  送料共 1部 1,500円

■関生支部弾圧 京都地裁判決に抗議する
 十二月十七日午後二時から、加茂生コン第一事件(村田建材)の判決公判が開かれた(京都地裁刑事三部柴山智裁判長、内山孝一・山田覚己裁判官)。
 判決は、Y執行委員に懲役一年、Y組合員に対し懲役八月(両名とも未決算入 六十日、執行猶予三年)の有罪判決である(求刑は懲役二年)。被告らは控訴。
 被疑罪名は強要未遂。起訴事実は、①「就労証明書の作成提出」、②「正社員としての雇用と賞与支給」の強要だが、裁判所は①のみを認定し、それをもって有罪とした。
 組合は、二〇一七年十月から団交申入れを行っていたが、一向に団交が開催されず、十一月四日に会社は突如廃業を表明。そのため組合は、偽装廃業ではないかと疑い、十一月に何度かの申し入れを行った。検察はこれらも脅迫と主張したが、裁判所は認めず、十一月二六日の六度目の申し入れ以降十二月四日までの申入れのみ認定。しかし、偽装廃業を監視する行為を強要罪の脅迫にあたるとして、強要未遂の成立を認めた。また、判決は委員長とY副委員長の共謀は否定したが、現場にいなかったY執行委員の共謀を認定。
 左記の条文のように、強要罪には「義務のないことを行わせ」るという要件が必要であるが、裁判所は就業証明書の必要性を認めながら、発行義務を認めなかった。
 詳細は、「関西生コン弾圧事件ニュース」で検索して、確認を。組合および弁護団声明は、判決全文入手後に出される予定(刑事事件の判決文は判決日ではなく後日渡される場合が多い)。

■東京ではこんなことが
 新型コロナウィルス感染症対策条例 罰則規定は盛り込まず
 専決処分による条例改正が行われてきた東京都新型コロナウイルス感染症対策条例。 
 九月九日、都民ファーストの会が、
・感染が疑われる人への検査命令を可能とし、正当な理由なく拒否した場合
・陽性者が就業制限や外出しないことの要請に従わずに、他人に感染させた場合
・事業者が新型コロナ特措法に基づく休業要請などに従わずに、一定人数以上の感染を起こした場合(感染防止対策を順守しているときは除く)
に、いずれも5万円以下の過料を科すとの改正案を提出していた。
 結果として、十月八日の都議会の最終日に成立したのは東京都が提出した「入院や療養をして、みだりに外出しない」「保健所の調査に協力する」との感染者に対する罰則のない努力義務を追加したものとなった。
 しかし、罰則規定を求める声はあり、今後全国の自治体の動向に注意する必要がある。 
※専決処分とは
 地方自治法第一七九条第一項の「緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる」との規定。
(強要)
刑法第223条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3 前2項の罪の未遂は、罰する。

★関生弾圧公判日程一覧★
 裁判は、大津地裁2グループ、大阪地裁3グループ、京都地裁2グループ、和歌山地裁と7つの法廷で進行。
 変更されることもあるので確認を!!
※傍聴券は抽選。抽選の〆切時間は、裁判によって異なるので、「傍聴券交付情報-裁判所」で検索して確認を。
※裁判や被疑事件の等の詳細については 連帯広報委員会(http://rentai-union.net/archives/2467) 
関西生コン労組つぶしの弾圧を許さない東海の会(https://kannama-tokai.jimdofree.com/) 
稲村守(かんなま勝手連しが)で検索を。

◆大津地裁◆
A+Bグループ
(湯川副委員長他5名、委員長は大阪へ併合)
「湖東協8・9、8・28弾圧、
大津協11・27弾圧、湖東協2・5弾圧」
 2月1日、2月8日、3月1日、3月8日
 いずれも10時~
Cグループ10名「湖東協2・5弾圧」
 公判整理手続中

◆大阪地裁◆
Aグループ(7名)「大阪9・18、10・9弾圧」
 1月27日 10時~ 被告人質問
 2月12日 10時~ 被告人質問
 3月15日 10時~ 被告人質問
Bグループ(3名)「大阪11・21弾圧」
(委員長)1月19日10時~17時

◆京都地裁◆
Bグループ(2名/委員長+副委員長)
「加茂生コン、近畿生コン、ベストライナー事件弾圧」
 公判整理手続中

◆和歌山地裁◆
「和歌山広域7・22弾圧」(3名)
 公判整理手続中

◆大阪高裁◆
「大阪11・21弾圧」Bグループ
(2名)10月8日大阪地裁判決(控訴中)
「加茂生コン事件弾圧」Aグループ(2名)
 12月17日京都地裁判決(控訴中)

■白バスガサ国賠 控訴審は第一回口頭弁論で結審
 十二月二日十一時から開かれた控訴審の第一回口頭弁論において、裁判所は結審とし、判決期日を決定した(大阪高裁第四民事部、中村也寸志裁判長、大西忠重・山口浩司裁判官)。
 原告側は、原告本人を再度証人申請し、以下の二点の証言を得ようとしたが、裁判所は事実に争いはなく、法律論を検討するとして、採用しなかった。
証言が予定されていたのは、以下の二点である。
① この裁判提訴後は、大阪府警は家宅捜索の際のカメラ撮影を告知するようになった事実
② 『罪証隠滅やっとんねん』との発言に対して、組合員しかいなかったので社会的に広がらないとして、名誉毀損を認めなかったが、既に辞めた組合員もおり、外で話されると信用失墜を招くこと
 争点は一審同様、「白バス営業の違法性の不成立」「家宅捜索の違法性」「家宅捜索時の警察官の発言に対する名誉毀損の成立」「抗議の際の大阪府警への要請書の不受理の違法性」の法的判断である。
 判決は、二月四日午後一時十五分 八四号法廷

■証拠開示のデジタル化を実現する会
十一月三十日、内閣に要望書提出
 十一月十日、検察が証拠資料を弁護側に開示する手続きのデジタル化を求め、「供述調書などの証拠を紙でなく、電子データで渡すべきだ」として刑事弁護を専門とする弁護士が中心となり、「証拠開示のデジタル化を実現する会」が設立された。
 刑事事件における検察側証拠は、コピーしなければ手に入れることはできない。そのためのコピー代は、大阪ではモノクロで一枚四十円、カラーは八十円が必要となる。争っている事件では、開示された捜査報告書や調書など大部の証拠をコピーすると、数十万円あるいは数百万円かかる。
 国選弁護人の事件は税金で賄われるが、私選弁護人の場合は被告の負担となっている。 
 十一月三十日には、問題点をまとめた要望書を、デジタル政策を担う河野太郎行政改革担当相、上川陽子法務大臣、林眞琴検事総長に提出している。
 現在、「証拠開示のデジタル化を求める要望書」の提出に向けて、賛同署名が集められている(来年一月中旬〆切予定)。
 詳細は、「証拠開示のデジタル化を実現する会」のHPへ。
https://www.change-discovery.org/


■和歌山カレー事件 対中井・山内民事裁判
民事訴訟法二四九条三項に基づき一月二七日に再度の証人尋問
 前回十月二一日更新手続きが行われ、陳述されていなかった提出済みの被告側最終準備書面と原告側第十三準備書面が陳述された。また、原告側の証人申請三名のうち、河合潤京大教授のみ認められ、一月二七日午後一時半から証人尋問が開かれる。
 民事訴訟法二四九条三項による証人への再尋問のため、新しい事案についての尋問はできないが、既に行われた証言について、ポイントを絞って詳細な証言がなされると思われる。


■和歌山カレー事件 再審請求(特別抗告)
 十一月十三日、科警研の異同識別鑑定と中井鑑定および谷口早川鑑定の誤りを指摘した補充書2を最高裁に提出。
 また、十一月十八日には、山内毛髪鑑定の鑑定方法の問題点と虚偽性を指摘した補充書3および証拠開示命令申立書を提出。開示を求めたのは「捜査機関が作成した物の供述書、供述調書、録音録画記録、供述を聴き取った捜査報告書、再現状況実況見分調書等、供述の経過分析報告書、捜査官の聴き取り捜査メモ等」「捜査機関が作成した林家など七箇所の実況見分調書、検証調書、写真、動画等」
「捜査機関が作成した捜索、押収、任意提出、領置関係、保管関係に関する調書又は書類、及び捜査報告書等」「亜砒酸等に関連する鑑定関係の書類及び鑑定資料となった証拠物等」「林眞須美=犯人と絞込みにいたる捜査方針に関する捜査報告書等」三三点。

■十二月八日閣議後の上川法務大臣の記者会見
死刑に関する質疑について
Q1 死刑確定から執行までの平均年数
A 二〇一九年までの十年間の判決確定から執行までの平均期間は、約七年四月。
Q2 現在の確定死刑囚の人数と再審請求している死刑囚の人数
A 死刑判決確定者は一一一名、再審請求中の者は七六名。
Q3 再審請求中の死刑囚への執行についての考え
A (一般論として)再審請求は,刑事訴訟法上、それ自体で、法務大臣が死刑の執行停止を命ずる事由には当たらないとされており、死刑確定者が再審請求中であったとしても、当然棄却されることを予想せざるを得ないような場合もあり、そのような場合は,死刑の執行を命ずることもやむを得ない。
* * * * *
 十二月四日、死刑をなくそう市民会議が、法務大臣への公開質問状を提出したが、対応したのは法務省刑事局参事官で、法務大臣とは面会できなかった。
 十二月六日には、上川陽子法務大臣の地元の静岡市で、集会「袴田巖さんの再審無罪を!再収監を許さない!上川陽子法務大臣の地元で死刑廃止を訴える」を開催した。事前に、要請文を事務所に要請に行く旨、ファックスで通告しておいたにもかかわらず、地元事務所は無人であった。
 今年は現時点(十二月二二日)では死刑の執行は行われていない。また、こうした対応などから、上川法務大臣は年内に死刑を執行するのではないかと、危惧されている。

■京都主基田抜き穂の儀、11月4日、京都地裁に提訴!
 11月4日、主基田抜穂の儀他大嘗祭関連行事への公金支出は、憲法の定める政教分離規定に違反した違憲違法な支出であるとして、監査請求人12名は住民訴訟を提起した。
 訴因は、以下の3点。①2019年9月27日、南丹市で行われた「主基田抜穂の儀」に京都府知事、京都府農林水産部長が参列し、農林水産部主査が府庁から出張。②同年10月15日、京都府東京事務所長が「主基田」で収穫された新穀献納の儀に参列するため東京事務所から皇居に出張。③同年11月14、15日に行われた大嘗宮の儀および16日の大饗の儀(「悠紀田供餞の儀」「主基田供餞の儀」)に参列するため、京都府知事が京都から出張。
 係属部は、京都地裁第3民事部(増森珠美裁判長)。
第一回口頭弁論2月9日(火)11時30分~ 京都地裁101号法廷
抽選の可能性が高いため、10時集合(裁判終了後弁護士会館にて報告集会予定)
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緊急お知らせ集まって!(ハイブリッドで講演の予定)
<社会的儀礼>は<宗教的儀礼>ではないのか? ―戦前・戦中の神社参拝の意味づけから考える
講師:駒込 武さん
1月23日(土)午後2時~(開場1 時半)エルおおさか本館5F研修室
資料代:500円 主催:主基田抜き穂の儀違憲訴訟団


■公判日程
1月27日13時半  和歌山カレー民訴vs中井&山内 大阪地裁(民)再証人調べ
2月3日16時   人民新聞押収品不返還訴訟   大阪地裁(民)第10回
2月4日13時10分 マイナンバー違憲訴訟・大阪  大阪地裁(民)判決
2月4日13時15分 白バス弾圧ガサ国賠請求訴訟  大阪高裁(民)判決
2月9日11時半  京都・主基田抜き穂の儀訴訟* 京都地裁(民)第1回
2月9日14時半  西成センター立退請求裁判   大阪地裁(行) 
2月26日14時半  琉球遺骨返還請求訴訟*    京都地裁(民)第7回
3月4日11時   吉田寮現棟/食堂明渡請求訴訟 京都地裁(民)第6回
4月16日14時  「戦争法」違憲訴訟*     大阪高裁(民)判決
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*は傍聴券が抽選になる可能性の高い裁判
※2月4日に控訴審(大阪高裁)判決の出た「大阪・花岡国賠訴訟」は現在上告中
 7月2日、最高裁に上告理由書+上告受理申立理由書を提出
※フェミニズム科研費裁判(京都地裁第4回)の口頭弁論期日は延期になり、次回は未定
 (HPで確認を)フェミ科研費裁判支援の会http://kaken.fem.jp/
※西成センター立退請求裁判は4月22日に大阪府が提訴。「あいりん総合センター」の野宿生活者ら22人に立ち退きを求めた裁判。7月22日、大阪府は仮処分申請も申請したが、「建物が補修を重ねて10年以上利用されてきた経緯を踏まえ、府が耐震性を喫緊の課題と認識していたとは考えられない」「路上生活者による暴力的な占有があったとまではいえず、立ち退きを認める緊急性はない」として、12月1日大阪地裁(内藤裕之裁判長)は仮処分申請を却下した。

★即位・大嘗祭違憲訴訟
第7回口頭弁論 4月14日(水)14:30~
詳細は、即位・大嘗祭違憲訴訟の会HPへ  http://sokudai.zhizhi.net/

第2次提訴分の差止訴訟
「納税者基本権に基づく訴え」は終結(棄却判決)。
同「人格権に基づく訴え」は東京地裁で差戻審
 第3回 2月10日(水)13時05分~(708号法廷) 
 第4回 3月8日(月)10時~(法廷未定) 

★ノーハプサ2次訴訟控訴審
第2回口頭弁論(現在未定) 



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