[CML 060413] コザ騒動は沖縄の叫びだった

donko @ ac.csf.ne.jp donko @ ac.csf.ne.jp
2020年 12月 17日 (木) 00:08:33 JST


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今から50年前の1970年12月20日、ベトナム戦争の最中、沖縄県旧コザ市(沖縄市)
でアメリカ軍兵士が交通事故を起こしました。
 事故を起こした米兵を拘束せずに基地へ帰した米軍憲兵隊に対して地元の人々
が抗議すると、威嚇射撃をしました。

 沖縄戦以降、アメリカ軍は全知全能の支配者として沖縄に君臨しました。
 「沖縄はアジアにおける民主主義のショーウィンドウ」と言いながら、米軍の
占領統治を痛烈に批判し有権者の圧倒的支持を受けて琉球政府立法院議員に当選
した瀬長亀次郎を逮捕投獄しました。
 沖縄の人々から土地を強奪して建設した普天間や嘉手納などの基地から、南ベ
トナム、ラオス、カンボジアへ米軍が出撃しました。北ベトナムを爆撃する「北
爆」へも出撃しました。
 爆音や落下物被害は常態化しました。
 米軍将兵が起こした犯罪や事故は全て不問にされました。
 人々の不満は臨界点に達していました。
 それに火を付けたのが、この威嚇射撃でした。

 人々は米兵の自動車をひっくり返して火をつけました。路上は火の海になりま
した。人々は炎を背にして、抗議の叫びを上げました。

 「米軍が発砲して、あわや人が死ぬところだった。
 沖縄人は人間ではないのか?
 人間ではないから、こんな事をされて当然なのか。
 教えてほしい。どこに民主主義があるのだ!」

 翌日、コザの歓楽街には焼かれた自動車の残骸の列と、無傷の店舗や家屋があ
りました。

 コザ騒動は暴動とされました。しかし実態は民衆蜂起でした。
 沖縄、日本本土、アメリカを震撼させました。
 沖縄現代史の転換点になりました。
 本土の目が沖縄に注がれました。日米安保条約自動延長阻止、ベトナム戦争反
対、三里塚闘争、反公害などで高揚していた学生運動は「沖縄解放」を掲げるよ
うになりました。
 アメリカ政府は沖縄の日本返還を考え始めました。

 今年で発生から50年の月日が経ったコザ騒動を、NHKのETV特集が放送します。
NHK教育
ETV特集
「沖縄が燃えた夜〜コザ騒動50年後の告白〜」
https://www.nhk.jp/.../ts/M2ZWLQ6RQP/episode/te/N32Q49PVJ8/
放送日:12月19日
放送時間:23時~ 

坂井貴司
福岡県
E-Mail:donko @ ac.csf.ne.jp


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