[CML 060299] 【国際キャンペーン参画のご報告と呼びかけ】新型コロナに対する公正な医療アクセスをすべての人に!
qurbys @ yahoo.co.jp
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2020年 12月 4日 (金) 18:24:17 JST
紅林進です。
私も会員になっていますNPOアジア太平洋資料センター(PARC)の共同代表
の内田聖子さんの下記呼びかけをPARCの会員MLより転載させていただきます。
(以下、転送・転載歓迎)
皆様
今年はまさにコロナ禍の1年でしたが、感染者数もさらに増えている中、皆様お
元気でお過ごしでしょうか。
PARC事務局では、来年度の自由学校の企画やAV作品など、いずれもオンライン化
が一気に進んだ年でした。改めてご支援・ご参加いただいた皆様に御礼申し上げ
ます。
さて、本日はコロナとも関連する重要な国際キャンペーンに、PARCも参画し、行
動を始めましたのでご案内いたします。
新型コロナに対する治療薬やワクチンの開発合戦が進む中、日本を含む先進国は、
すでに大手製薬企業と契約し、国民への治療薬等の争奪戦を繰り広げています。
各国政府が自国のための治療薬等を確保することはもちろん重要ですが、一方、
途上国・新興国はそうした財源もないばかりか、新型コロナ以外にも、HIV/AIDS
やマラリア、その他感染症との闘いを余儀なくされています。
一部の国にのみ、治療薬が行き渡り、医薬品の特許が壁となって貧しい国ぐにの
人々の医療・医薬品のアクセスが阻まれることが懸念されます。
こうした背景から、10月、インド、南アフリカがWTOの中で、一部の治療薬や医
療機材などにかけられている特許権の一時停止を求める画期的な提案をしました。
多くの途上国・新興国が賛同する中、日本、米国、EU、ブラジルなどは特許保護
を優先するという観点から、これに反対し、対立が続いています。
一部の先進国による「ワクチン・ナショナリズム」に、途上国・新興国は大きな
懸念を表明しています。
この問題を、日本の市民社会はどう考え、行動できるのか。国際的な連帯運動を
行うため、このたびPARCを含む貿易、保健医療などに関わる日本のNGOで「新型
コロナに対する公正な医療アクセスをすべての人に!」連絡会を立ち上げました。
まずは、この連絡会からの日本の市民社会への呼びかけ文をご覧いただければと
思います(長文すみません)。
併せて、12月16日(水)19:00~、このテーマでのオンラインセミナーを開催いた
します(呼び掛け文の下に貼り付けます)。知財と貿易の問題はなかなか難しい
ものですが、まずはこのセミナーにご参加いただき、参加の輪を皆さんで広げて
いきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
※ボランティア(翻訳、ウェビナー開催スタッフ、事務等)も大歓迎です!ボラ
ンティアは全国どこからでも参画いただけます。
内田聖子
(転送・転載歓迎!)
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★「新型コロナに対する公正な医療アクセスをすべての人に!」連絡会
新型コロナ克服の取り組みを世界全体で進めよう
=世界の市民社会は動いている:日本の市民社会への呼びかけ=
https://ajf.gr.jp/covid-19/network_covid19/
「新型コロナウイルス感染症」(COVID-19)の世界的流行は、北半球における冬
の到来を目前に激しさを増しています。東アジアに始まり、欧米を席巻した
COVID-19は、中東・北アフリカ、中南米、南アジア、サハラ以南アフリカなどの
中所得国・低所得国(途上国)にも拡大し、1年足らずの間に5000万人以上の感
染、120万人以上の死者をもたらしてきました。
COVID-19は世界の社会、経済、環境に多様かつ甚大な影響を及ぼしており、その
対策も多岐に及びます。世界はこの1年足らずの間に新規医薬品の研究開発、社
会・経済的影響の緩和のためのIT技術の開発と適用、その他様々な既存技術の活
用を行ってきました。COVID-19は異次元のグローバルな脅威であり、開発された
新規医薬品への世界全体の平等なアクセスを含め、COVID-19の克服のための手段
は世界に開かれたものとしてあるべきです。2020年10月2日、南アフリカ共和国
およびインド政府は、世界貿易機関(WTO)の「貿易関連知的財産権協定」
(TRIPs)理事会に対して、各国が医薬品、診断薬、有望なワクチン候補等の製
造を拡大できるようにするため、知的財産権保護を定めるTRIPs協定の特定条項
を放棄することを要請しました。この提案には、ケニアおよび南部アフリカのエ
スワティニ王国が賛同し、現在、WTOのTRIPs理事会で審議されています。
私たちは、日本の市民社会が、COVID-19に関連して、途上国における医薬品への
平等なアクセスを阻む要因となっている、知的財産権を含む貿易ルールの問題に
ついて、より強い関心を払うこと、日本政府を含む先進国および一部の新興国政
府に対して、COVID-19という異次元のグローバルな危機に際して、医薬品を始め、
これを克服するための新規技術への平等かつオープンなアクセスを保障するよう
に求める世界の市民社会の運動に合流することを、強く呼びかけます。呼びかけ
の理由は以下の通りです。
(1) COVID-19の流行に際して、米国をはじめとする先進国はその資金力により
個人防護具(PPE)や医薬品を大量購入するとともに、開発系製薬企業が開発す
るワクチンの事前大量買い取り契約を結び、これらの市場を独占しています。結
果として、世界の大半を占める途上国・新興国が、これらの物資を確保するうえ
で大きな支障が生じています。
(2) こうした問題を解決するため、4月24日、WHOおよび保健に関わる国際機
関、民間財団が連携して、新規医薬品の開発と途上国における平等なアクセスの
確保を一体で手掛ける「ACTアクセラレーター」(COVID-19関連製品アクセス促
進枠組み)が発足しました。また、WHOとコスタリカのリーダーシップおよび世
界37か国の支持により、COVID-19に関する新規技術に関わる知的財産権をプーリ
ングし、途上国における安価な供給につなげる仕組みとして「C-TAP」
(COVID-19関連技術アクセス・プール)も発足しました。しかし、ACTアクセラ
レーターは現在、年末まで46億ドル、来年分を含めると280億ドル(11月10日現
在)という巨大な資金不足に直面しており、C-TAPについては、多くの先進国か
ら支持を得られず、機能が発揮できない状況が続いています。
(3) こうした状況下で、COVID-19への取り組みを世界全体で推し進めるには、
ACTアクセラレーターなどの革新的な仕組みを十全に活用するのみならず、途上
国・新興国自身の資源動員と、医薬品の開発や製造、普及の能力と意欲の拡大が
不可欠です。
(4) COVID-19の脅威は、世界の社会・経済・環境の持続可能性の低下と強く結
びついています。COVID-19は「最後のパンデミック」ではありません。世界は今
後も登場するパンデミックへの準備度を向上させるとともに、パンデミックのリ
スクを拡大する様々な非感染性疾患やその他の基礎疾患等に対するレジリエンス
(対応力、復元力)を増大させる必要があります。そのためには、COVID-19の教
訓を踏まえ、知的財産権をはじめとする、国際保健に関わる諸制度を柔軟に変革
していく必要があります。
WTOのTRIPs理事会において、途上国・新興国の多くが南ア・インド政府の要請を
歓迎したのに対して、残念なことに、日本をはじめ、米国、西欧諸国など先進国
の多くは、これを拒否する姿勢を示しました。グローバルな異次元の危機として
のCOVID-19の一刻も早い克服のために、また、今後のパンデミックに備え、真に
持続可能で健康な社会・経済・環境を創っていくために、私たち市民社会は可能
なあらゆる手段をとって働きかけていく必要があります。私たちは今後、この課
題を前に進めるために、以下の取り組みをしていく予定です。
(1) インド・南ア政府のTRIPs協定の知的財産権関係の一部条項の放棄の呼び
かけに否定的な立場をとっている日本政府の政策を変えるための政策提言・働き
かけ
(2) COVID-19に関わる新規医薬品やその他の技術の途上国・新興国への平等な
アクセスを阻害している知的財産権など貿易ルールの問題に関する情報提供や啓
発などの取り組み、可能な形でのキャンペーンなど
ごく最近、市民社会の取り組みによって、貿易ルールを変えた実例があります。
去る11月15日に妥結された「地域的な包括的経済連携」(RCEP)協定」の交渉で
は、TRIPS+の条項を求める日本など先進国に対し、後発開発途上国(LDC)を含
むASEAN諸国の政府・市民は、知的所有権の保護強化によって医薬品アクセスが
阻まれないよう、粘り強い働きかけを行ってきました。その努力の結果、TPP協
定にあったような医薬品特許に関わる条項の多くは取り入れられませんでした。
これは、限定的ではあるにせよ、途上国・新興国の人々が、貿易協定における知
的財産権がいかに途上国・新興国の医薬品アクセスを阻害するかについて理解し、
運動を進めてきた成果であると言えます。また、日本政府も、南ア・インド政府
の呼びかけには反対する一方、医薬品に関する世界全体での平等なアクセス自体
については、その重要性を一定程度認識し、G7、G20などでは、COVID-19に関わ
る「特許プール」の必要性などについて積極的に発言しています。医薬品への平
等なアクセスを求める途上国・新興国の市民社会の運動に連帯するためにも、私
たちは、COVID-19に取り組む日本の市民社会関係者の皆様に、この問題に関心を
持つこと、COVID-19の克服のために取りうる手段を途上国にも開いていく取り組
みに協力することを強く訴えるものです。
【呼びかけ団体】(2020年12月2日現在)
(特活)アフリカ日本協議会:共同代表理事 津山直子・玉井隆、
国際保健ディレクター 稲場雅紀
(特活)シェア国際保健協力市民の会共同代表 本田徹
(特活)アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表 内田聖子
世界民衆保健運動(People’s Health Movement)日本代表幹事 宇井志緒利
★今後のご参加・ご協力の方法等
上記趣旨に基づき、COVID-19に関わる公正な医療アクセスをグローバルに実現す
るための政策提言や発信、情報流通に取り組むための市民社会の連絡会として
「『新型コロナに対する公正な医療アクセスをすべての人に!』連絡会」を設置
します。ご参加・ご協力を希望される方は、以下の登録フォームにアクセスし、
必要事項をご記入ください。
登録フォーム: https://forms.gle/9UJzzurvZPaCPBRm6
事務局:(特活)アフリカ日本協議会 国際保健部門(担当:稲場、廣内)
メール:ajf.globalhealth @ gmail.com
関連情報:https://ajf.gr.jp/covid-19/
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★オンラインセミナー★
新型コロナに対する公正な医療アクセスをすべての人に!
―途上国・新興国が求める医薬品特許の無効化
●日時:2020年12月16日(水)19:00~21:00
●オンラインシステム「ZOOM」を使用
お申込フォーム:
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_EZnTy7twRgCTpUPpxtmtSg
●参加費:無料
●プログラム
【報告】
1. 世界でのCOVID-19への取り組み、WTOの特許権条項の当面の放棄が必要な理由
稲場雅紀((特活)アフリカ日本協議会 国際保健部門)
2. 貿易交渉における特許権の課題―RCEP協定の結果と日本政府の方針
内田聖子((特活)アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表)
3. 医薬品アクセスを確保するための国際的な取り組み
金杉詩子(国境なき医師団(MSF)日本)
4. 民衆健康運動(People's Health Movement (PHM) )と日本での活動
本田徹((特活)シェア国際保健協力市民の会 共同代表)
【質疑応答】
参加者からのご質問・ご意見を受けて回答、ディスカッションを行います。
【行動提起】
政府への要請文への賛同お願い等
◆主催:「新型コロナに対する公正な医療アクセスをすべての人に!」連絡会
◆事務局:(特活)アフリカ日本協議会 国際保健部門(担当:稲場、廣内)
メール:ajf.globalhealth @ gmail.com
関連情報:https://ajf.gr.jp/covid-19/
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