[CML 055897] おかしいぞ!裁判員十年 「医学証拠」南部さおり

大山千恵子 chieko.oyama at gmail.com
2019年 5月 25日 (土) 21:37:03 JST


*おかしいぞ!裁判員十年  「医学証拠」南部さおり*

もう十年か、裁判員制度。法務省と日弁連が旗振りしてるやつ。まるで弁護士が「お上」の手先になったみたいで嫌だなあ。ぜんぜん人気ないのに、マスコミは宣伝の棒かつぎ特集。おめでたいのお。

何日も拘束される裁判員なんて非正規人間には、無理々々の世界だ。結果、妙に正義感に溢れたひとが「裁く」と求刑超えをも招く。ぞわっ。

さて、*浦和での「問われる裁判員制度の現状」*
集会に参加した。埼玉弁護士会が主催。えらい。なにしろ三年目の見直しに関して「裁判員制度の見直しに関する意見書」をだした弁護士会だ。どうやら日本で一番りっぱな意見書。そもそも他の単位会は、ほとんど出してないせいもあるけど。

この集会で、意見書の八項目の説明が立石雅彦弁護士から。全面証拠開示、整理手続きの廃止、裁判員に対する罰則の撤廃、少年逆走事件の除外、性犯罪事件の一律排除などなど革新的だ。

講演は*「裁判員裁判の問題点 医学的証拠を中心として」、南部さおり*日体大スポーツ文化部准教授。

裁判員がストレス障碍を発症して国賠訴訟を提起した件は、傷や死体を見せらることの怖さを世間に知らしめたのは覚えてるかい?

南部准教授は法医学の観点から、さらに具体的問題を指摘している。プレゼンテーションは映像を駆使して、語りも魅力的だ。しかし死体関連の研究者用語のメモが取りきれなかったので、気になった範囲で書いてみる。

死体写真を見せるのは、まずい。白黒ならよいのか。イラストにする。イラストだと書いたものの主観が入るさまを、具体的に例示。当初はコンピューターグラフッィクスという案もあったが、金がかかり人手がないので没。

専門家がプレゼン方式で、イラストやスライドを使って三十分。しかし、関係ない/ある?ものも入っている現状。

いちばん問題なのは、「専門家のバトル」微妙に分野の違う専門家が素人(裁判員)に分からないことを言う。二人、三人、四人の説明シャワーを浴びせられる。結局、裁判員は「どちらが説得的か」で判断してしまう。

赤ちゃんの首についた傷は、絞殺なのか。あせもなのか。いくつかの説。

こんなんで死刑判決を貰ったら堪ったもんじゃないぞ。いや、こんな専門家証言は、ほかの刑事事件でも問題だよね。

なお講演内容については素人メモなので、いずれ発行される講演録を熟読されたい。

画像は 裁判員制度の真相おそろしや 猪野亨らの花伝社本
<http://blog.goo.ne.jp/chieko_oyama/e/eb3bddfd69ece3f63ebb167c7a60c524>

「まえがき」は、小出重義 <http://koideshigeyoshi.blog.fc2.com/>弁護士。埼玉で「まっぴらごめん裁判員
<http://blog.goo.ne.jp/chieko_oyama/e/aa0df82398bc3a97ba357bb966aba423>
」集会で活躍してるひと。

「研究コラム」新穂正俊 <http://asunaro-law-office.p-kit.com/page0003.html>
弁護士も、埼玉弁護士会。わーお、埼玉県民としては心強い。

「おわりに」の田中重仁 <http://www.saiben-kawagoe.jp/member/list.html>弁護士もだ。



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大山千恵子
ブログ 「千恵子@詠む...」 毎日更新http://blog.goo.ne.jp/chieko_oyama


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