[CML 055654] 【今日のブログ記事No.3161】■日本の調査報道の中で高い評価を得ている『東京新聞こちら特報部』の記事は一見まともに見えるがよく読むと『一番肝心なところ』がすべてスルーされている!

山崎康彦 yampr7 at mx3.alpha-web.ne.jp
2019年 4月 27日 (土) 08:17:18 JST


いつもお世話様です!                         

【杉並からの情報発信です】【YYNews】【YYNewsLive】を主宰する市民革命派ネットジャーナリスト&社会政治運動家の山崎康彦です。    

昨日金曜日(2019.04.27)夜に放送しました【YYNewsLiveNo.2766】の『メインテーマ』を加筆訂正して【今日のブログ記事】にまとめました。

【放送録画】73分28秒

https://ssl.twitcasting.tv/chateaux1000/movie/540682162

【今日のブログ記事No.3161】

■日本の調査報道の中で高い評価を得ている『東京新聞こちら特報部』の記事は一見まともに見えるがよく読むと『一番肝心なところ』がすべてスルーされている!

大村歩という記者が書いた2019年4月21日付け記事『バブルの負債 子世代に 
銀行にだまされ迂回融資協力 親の借金強引に回収図る』全文を下記に書き起こしたので読んでいただきたい。

【画像】『東京新聞こちら特報部』2019年4月21日付け記事

この記事は1986年の『平成バブル発生』から1990年の『平成バブル崩壊』の4年間に日本全国で発生した大手銀行による『権力犯罪』である『過剰融資詐欺事件』の一つを取材したものである。

以下は私がこの記事を読んで気づいた問題点を箇条書きにたものだが、この記事がスルーした『一番肝心なところ』を指摘している。

1.だました金融機関名が『B銀行』と匿名になっており実名が隠されている。しかも記者は貸し手責任のある『B銀行』への取材はしていない。

2.だました『B銀行』の支店長名が隠されている。自ら犯した『過剰融資詐欺事件』で親子二代の人生を完全に破壊したこの元支店長は今頃、優雅な年金生活をエンジョイしているはずだ。記者はこの元支店長の取材はしていない。

3.『B銀行』が被害者親子に融資返済を求めた訴訟で、『B銀行』の言い分を100%認め、だましたB銀行の『権力犯罪』を見逃した一審、二審の裁判長の名前が隠されている。記者は裁判所と裁判長の取材をしていない。

New!4.なぜ日本の裁判所は権力を持つ組織や個人の主張を採用し権力を持たない一般庶民の主張を採用しないのか?日本の裁判が抱えるこの根本問題に対する分析が一切ない。

5.この記事で記者が言いたかった以下の主張は、記者自身の言葉ではなく取材した椎名弁護士の言葉としてしか書かれていない。なぜこの記者は自分の言葉で自分の主張を書かなかったのか?

『迂回融資.つけ替えとという銀行のひどい手口を裁判所が見逃し、銀行の言い分を鵜呑みにする。金融庁も銀行を指導しない。もとはと言えば、銀行のせいで起きたことなのに、貸し手の責任は全く問われていない』

6.この記事が暴いた大手銀行による『権力犯罪』である『過剰融資詐欺事件』は、単に銀行だけが犯したものではない。これは、金融行政を支配し1990年3月に『不動産融資規制』の大蔵省局長通達を出して『バブル崩壊』させた大蔵省と、1986年に『円高不況対策』の名目で『低金利』と『金融緩和』で『平成バブル』を発生させた日銀と、大手銀行の三者による『複合権力犯罪』であったのだ。この記事はこの根本問題に一切触れていない。
【該当記事】

▲バブルの負債 子世代に 銀行にだまされ迂回融資協力 親の借金強引に回収図る

2019年4月21日 東京新聞こちら特報部

  (有料記事全文書き起こし)

バブル経済絶頂期の1989年に平成は始まり、あと10日で終焉する。あれから30年。「第二の敗戦」とも呼ばれたバブル崩壊の余波は、さすがにもうおさまったのだろうか。「とんでもない。今もなお多くの個人を苦しめ、次世代にもその影響を及ぼしている」と語るのは96年に結成された「銀行の貸し手責任を問う会」事務局長を務め椎名麻紗枝弁護士。平成の金融・行政・司法が、いかに庶民を犠牲にしてきたのかを聞いた。(大村歩)

金融機関と対峙 椎名弁護士に聞く

「30年前に端を発したある銀行の迂回融資事件がやっと昨日完全に終結した。しかし平成の30年間を銀行に騙され、司法に裏切られてきた被害者家族は「本当に終わりなのか」と疑心暗鬼のまま…」19日の取材で椎名氏はこう語った。一体どんな事件だったのか。

時は1990年にさかのぼる。

横浜市のマンションオーナーの男性Aさん(50)の父親は、旧知の銀行支店長から執拗に頼まれ、しぶしぶ口座の名義が使用した。B銀行は市内のC不動産会社に迂回融資するためだった。90年と言えば、大蔵省(現在財務省)が不動産会社に融資の総量規制を通達した年。C社に貸せなくなると、建設中だったマンション2棟のプロジェクトが行き詰まる。

B銀行は父親を通じてC社に金を回すことを計画したのだ。融資額は計23億円にも上った。しかし、この迂回融資には罠があった。銀行は「形だけだから」と父親に契約書へ実印を押させ、「カネの出入りの処理はこちらでやります」と通帳も預かった。さらには「C社への融資を保全するためマンションの名義を父親にしてほしい」と書き換えせた。こうしてあたかも父親が23億円を借りてマンションを建設したかのようにしたのだ。

後に銀行が融資返済を求めた訴訟で、父親は「銀行を信用して支店長に協力しただけ。騙された」と怒りの反論をしたが、一、二審も銀行勝訴の判決、2002年には銀行が父親への破産を申請し、全財産を身ぐるみ剥がそうとした。国会などで銀行のこの強強引な手口が問題視され、父親とB銀行は23億円の分割払いに合意し、父親は0億円分を返済した。

だが父親が死去した16年以降、銀行側は「合意は父親と結んだもので、相続人のAさんとの合意はない」として遅延損害金計21億円を加えた計34億円を一括返済するように要求した。Aさんが「とても払えない」と拒否すると、Aさんの全財産を競売にかけると裁判所に申請したのだ。

昨秋の「こちら特報部」の取材に、Aさんは「父親は死ぬ間際まで『銀行に騙された』と繰り返していた。裁判所で真実が明らかになるとも信じていたが裏切られた、と。なぜこんなひどい仕打ちを受けなければならないのか・・・許せない」と語った。その後、心労から体調崩し入院。体重は50キロも減り、重篤な病気にかかった。

椎名氏は「迂回融資.つけ替えとという銀行のひどい手口を裁判所が見逃し、銀行の言い分を鵜呑みにする。金融庁も銀行を指導しない。もとはと言えば、銀行のせいで起きたことなのに、貸し手の責任は全く問われていない」と話す。

(おわり)

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