[CML 055484] 「国書って?」石川逸子さんの詩

masuda miyako masuda_miyako1 at hotmail.com
2019年 4月 7日 (日) 15:38:03 JST


皆さま
 こんにちは。増田です。これはBCCでお知らせしています。石川さんからすでに受け
取ってらっしゃった方には重複お許しを!

 転載許可を得たので、お知らせします。

 相変わらず、優しい易しい言葉で綴りながら、「欺瞞」の政治屋を刺す詩ですね!
「とある国の首相」には、これを理解できる知性は無さそうな気はしますが(笑)…

 石川さんの経歴や著書(詩集)についてはWikiをご参考ください。

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国書って?

とある国の首相が 鼻高々と申しました
「元号は「令和」
国書から取りました」

え?「令」も「和」も そもそも
漢字ですよね
その漢字をもたらしたのは ほかでもない
百済の王仁博士

『万葉集』巻5・梅花の歌の
「序」から取ったとありますが
序文は  かの王羲之の「蘭亭序」を
そっくり模した文ですよね
353年  3月  中国・晋の名士41人が
蘭亭で開いた  曲水に盃をながし  詩を詠んだ宴
序文中の「梅披鏡前之粉」
梅は鏡の前の白い粉のように白く咲いて  は
梁簡文帝の梅花賦「争楼上之落粉」
あるいは陳後主の梅花落「払妝疑粉散」などを
模したもの  とか

見えてくるのは
いにしえの中国・朝鮮の香り豊かな文人たちの
宴に  詩に
300年余の後  はるかに  心を寄せ 敬い
   「淡然自放」淡々としてほしいまま
   「快然自足」愉快に満ち足りて
酒に酔い  陶然として  梅の花をめで
天から雪がながれくる  と詠んだ
大宰府の役人たちの  正月の宴

中国・朝鮮への蔑視を  折々にちらつかせ
2019年 「令和」で  あわよくば「時」を支配し
フクシマ原発事故も  ジュゴンの死も
なかったことにしようとする
とある国の首相よ

今一度  無心の心で
万葉集巻5・梅花の歌の「序」を読み
アジアの国々の文化を愛おしんだ  往時の役人たちを
見習いませんか

                                                    ―2019.4.5





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