[CML 053577] 軍事要塞に変貌する奄美―種子島(馬毛島)―薩南諸島の実態!

MAKOTO KONISHI shakai at mail3.alpha-net.ne.jp
2018年 9月 1日 (土) 17:08:37 JST


社会批評社・小西誠です。

本日、拙著『自衛隊の南西シフト―戦慄の対中国・日米共同作戦の実態』の発売に合わせて、
本書の第4章・第5章の一部を公開します。

――今、先島諸島ー沖縄島とともに、この奄美ー種子島―薩南諸島の軍事要塞化が、恐るべき
勢いで進んでいますが、この重要事態をマスメディアは一切報道しません!
なお、この文章は、防衛省の情報公開文書と、僕の現地調査、現地の方々の協力で作成して
おり、リンクのブログに参考の写真を掲載していますので、ぜひ、ブログで全文をお読み下
さい。


以下、拙著から
第4章 軍事要塞に変貌する奄美大島――陸海空の巨大基地が建設される!

 「薩南諸島は重大な後方支援拠点」と明記する自衛隊文書

 奄美大島の自衛隊駐屯地建設で驚くのは、その基地の巨大さだ。名瀬港に近い、旧ゴルフ場の
跡地(大熊地区)に造られている奄美駐屯地(仮)の広さは、30ヘクタール(写真参照)。これ
は、地対空ミサイル部隊・警備部隊約350人規模の施設ではない。連隊規模の駐屯地、いや、
それ以上の大部隊の駐屯(兵站基地など)を予定していると言えよう。

 2016年6月から始まった駐屯地造成工事は、奄美の島民にほとんど説明らしい説明もない
まま、急ピッチで開始された。
 市主催の、自衛隊配備に関する説明会は、大熊地区、瀬戸内町ともわずか1回のみ。反対する
住民らは、何度も市議会・市当局に、市民全体への説明会開催を求めているが、ここまで工事が
進んでも、一向に開催する気配すらないのだ。

 要するに、防衛省も、市当局も、基地誘致派が多数だから、説明の必要はなし、としているの
である。
 実際、奄美大島への自衛隊配備計画は、2012年ころから、「島民からの誘致」という形で
始まった。2014年7月には、奄美市議会は、「奄美市への陸上自衛隊配備を求める意見書」
を採択し、防衛省に陳情する(『標的の島』社会批評社刊、城村典文論文)。

 ところで、後述する2012年の統合幕僚監部「日米の『動的防衛協力』について」という、
南西シフト態勢についての策定文書は、先島諸島への対艦・対空ミサイル部隊配備の記述がない
と同様、奄美への部隊配備についても一切記述がない。

 その奄美配備についての初めての記述は、次々頁掲載の「奄美大島等の薩南諸島の防衛上の意
義について」(2012年夏頃に作成された防衛省文書)である。それには「南西地域における
事態生起時、後方支援物資の南西地域への輸送所要は莫大になることが予想」「薩南諸島は自衛
隊運用上の重大な後方支援拠点」「薩南諸島は、陸自ヘリ運用上、重要な中継拠点」と明記され
ている(51頁図)。

 この文書作成以後、2014年には防衛副大臣が奄美を訪問、また同年「奄美市の誘致陳情」、
そして、2015年には駐屯地用地取得費計上と、急激な勢いで基地建設が始まったのだ。

 つまり、この奄美大島への自衛隊配備問題が示しているのは、自衛隊が当初計画した南西シフ
ト態勢は、先島――奄美への「自衛隊新配備」ということから凄まじい困難が予想され、あらか
じめ対艦・対空ミサイル部隊配備や、奄美大島への配備を含む先島―南西諸島への大規模配備を、
想定していなかったということだ。しかし、一旦、配備が強行された場合、自衛隊の増強・拡大
は一挙に進むということがここには表れている。

 対艦・対空ミサイル部隊配備も知らない住民ら

 こうして、一旦決められた奄美大島への駐屯地造りは、住民らが驚くほど急激に始まった。住
民全体への説明もなく、配備計画の全体までもが示されないまま、着々と進んだのだ。
 実際、今でもほとんどの奄美大島の住民らは、対艦・対空ミサイル部隊の配備は知らなかった、
というのである。もう一つ、具体的資料を示そう。

 57頁に掲載した陸自の対艦・対空ミサイル部隊の運用図は、石垣島・宮古島はもとより、国
会でも正確な説明がなされたかったものだ。この島中を対艦・対空ミサイル部隊が、移動し、発
射するという運用図を、奄美・大熊の説明会では、何とパワーポイントでチラッと見せただけな
のだ。たぶん、チラッと見ただけの人々は、何のことか意味がつかめなかっただろうと思う。

 この全文は、筆者が熊本防衛局に情報公開請求した「奄美大島への部隊配備について」(熊本
防衛局、2016年6月)という文書にあるが、このミサイル部隊運用図は、文書としてはつい
に奄美住民らには公開されなかったのだ。

以下の続きは、ブログ「今、自衛隊の在り方を問う!」で、奄美大島への自衛隊配備の全貌・
馬毛島などの薩南諸島の機動展開拠点化を叙述、参考にしてください。
https://blog.goo.ne.jp/shakai0427

『自衛隊の南西シフト―戦慄の対中国・日米共同作戦の実態』から目次・プロローグを読めます。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784907127251


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