[CML 054076] 「セックスワーク・スタディーズ 」当事者視点て だいじだよねえ

大山千恵子 chieko.oyama at gmail.com
2018年 10月 27日 (土) 09:32:34 JST


*セックスワーク・スタディーズ*
*当事者視点て だいじだよねえ*

典型的な事例を読む。コンパニオンをしていた女性がディスコで知り合った男性に強姦されたとして訴えた件。

女性の仕事を理由に、彼女の貞操観念を疑うような発言が裁判のなかでされた。

*「一般人から見ればかなり派手な経験の持ち主」「告訴をするか迷っていた時期に、自宅を訪れた交際中の男性がアダルトビデオを見るのを咎めずに許容した上、自らも鑑賞しているかもしれない」「法廷での証言においては概ね上品な言葉使いや態度に終止していたが、時折馬脚を現す言葉使いをしており‥‥」「慎重で貞操観念があるという人物像は似つかわしくない」という発言が認められ、被告人は無罪。*
東京地裁H8年12月16日判決、判例時報1562号141頁。

なんということだ。昨年に強姦罪が百十年ぶりに改正され、強制性交罪となった今も同じだとの報告に震える。

セックスワーカーが性暴力の被害に逢ったことを主張・立証するハードルは高い。

あのときもそうだ。「総理」という題の本を出したりする提灯持ちマスコミ人強姦者山口敬之、逮捕状まで出てたのに止まってしまった事件。詩織さんがピアノ・バーで働いていたのを、キャバクラだという報道があったな。

*「セックスワーク」という言葉は、性風俗における性的サービスの提供を労働として捉える意味合いで使う。当事者の視点で考えた本が出た。*

いろいろな立場の報告に、眼を見開かせられる。

児童自立施設施設で働いていると、高校生からガールズバーで働こうかなあと相談される。どう答えるか対話するか、一緒に考える形で検討していく。

パン屋の例え話は、示唆に富む。パン屋って、どんな商売? パンを渡して、こちらが決めた額の代金を客から貰う商売だ。

「金を払ったんだから、パンを載せていた皿もトングも下さい。金を払ったんだからいいでしょ」なんて言ってくる客は滅多にいないし、もしいたら「それは売り物ではないよ」と言って断ればいい。

断っても無理矢理持っていこうとする客がいたら、それは客ではなく強盗。それを言うと、子どもは笑う。あたりまえ過ぎることだから。

ではセックスワークは、どうだろう。客の顔をした強盗が近づいてきた場合は?

「セックスワーク・スタディーズ  当事者視点で考える性と労働」
<https://ryukyushimpo.jp/news/entry-818396.html>

SWASH <http://swashweb.sakura.ne.jp/>編 日本評論社
<https://www.nippyo.co.jp/shop/book/7869.html>




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大山千恵子
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