[CML 053887] 週刊朝日の「教育勅語」記事

小林 久公 q-ko at sea.plala.or.jp
2018年 10月 7日 (日) 12:58:13 JST


小林です



★作家、高橋源一郎氏の現代語訳「教育勅語」が話題!!



https://dot.asahi.com/wa/2017041800076.html?page=1

dot. 亀井洋志 2017.4.20 07:00 週刊朝日



 何かと物議を醸している「教育勅語」だが、作家の高橋源一郎さんの現代語訳がい
ま、SNS上で話題になっている。

 今年3月15日、ツイッターのアカウントに掲載した。高橋さんは「方丈記」など古
典の現代語訳にも取り組んでいるが、こう綴る。

<いわゆる「現代語訳」を読んでいてもピンとこないことが多い>

<いま話題の「教育勅語」を読んで、やはり同じ感想を持った。なので、一時間ほど
かけて訳してみた>

 ご本人の承諾を得て高橋源一郎版「現代語全訳」を以下に記す。



 ■高橋源一郎「現代語全訳」

 『はい、天皇です。よろしく。ぼくがふだん考えていることをいまから言うので
しっかり聞いてください。もともとこの国は、ぼくたち天皇家の祖先が作ったものな
んです。知ってました?とにかく、ぼくたちの祖先は代々、みんな実に立派で素晴ら
しい徳の持ち主ばかりでしたね。君たち国民は、いま、そのパーフェクトに素晴らし
いぼくたち天皇家の臣下であるわけです。

 そこのところを忘れてはいけませんよ。その上で言いますけど、きみたち国民は、
長い間、臣下としては主君に忠誠を尽くし、子どもとしては親に孝行をしてきたわけ
です。その点に関しては、一人の例外もなくね。その歴史こそ、この国の根本であ
り、素晴らしいところなんですよ。そういうわけですから、教育の原理もそこに置か
なきゃなりません。

 きみたち天皇家の臣下である国民は、それを前提にした上で、父母を敬い、兄弟は
仲良くし、夫婦は喧嘩しないこと。

 そして、友だちは信じ合い、何をするにも慎み深く、博愛精神を持ち、勉強し、仕
事のやり方を習い、そのことによって智能をさらに上の段階に押し上げ、徳と才能を
さらに立派なものにし、なにより、公共の利益と社会の為になることを第一に考える
ような人間にならなくちゃなりません。もちろんのことだけれど、ぼくが制定した憲
法を大切にして、法律をやぶるようなことは絶対しちゃいけません。よろしいです
か。

 さて、その上で、いったん何かが起こったら、いや、はっきりいうと、戦争が起
こったりしたら、勇気を持ち、公のために奉仕してください。

 というか、永遠に続くぼくたち天皇家を護るために戦争に行ってください。

 それが正義であり「人としての正しい道」なんです。

 そのことは、きみたちが、ただ単にぼくの忠実な臣下であることを証明するだけで
なく、きみたちの祖先が同じように忠誠を誓っていたことを讃えることにもなるんで
す。

 いままで述べたことはどれも、ぼくたち天皇家の偉大な祖先が残してくれた素晴ら
しい教訓であり、その子孫であるぼくも臣下であるきみたち国民も、共に守っていか
なければならないことであり、あらゆる時代を通じ、世界中のどこに行っても通用す
る、絶対に間違いの無い「真理」なんです。

 そういうわけで、ぼくも、きみたち天皇家の臣下である国民も、そのことを決して
忘れず、みんな心を一つにして、そのことを実践していこうじゃありませんか。以
上!明治二十三年十月三十日天皇

 とまあ、サクっと訳したので、若干間違いあるかもしれませんが、だいたい、いい
線いってると思います。自分で読み返して思ったんですが、これ、マジ引くよね…
…』

 

そして旧文部省図書局が訳した「全文通釈」は以下の通り。

 ■教育勅語「全文通釈」(文部省図書局による)

 『朕(ちん)がおもふに、わが御祖先の方々が国をお肇(はじ)めになったことは
極めて広遠であり、徳をお立てになったことは極めて深く厚くあらせられ、又(ま
た)、わが臣民はよく忠にはげみよく孝をつくし、国中のすべての者が皆心を一つに
して代々美風をつくりあげて来た。これはわが国柄の精髄であって、教育の基づくと
ころもまた実にこゝにある。汝(なんじ)臣民は、父母に孝行をつくし、兄弟姉妹仲
よくし、夫婦互(たがい)に睦(むつ)び合ひ、朋友(ほうゆう)互に信義を以
(もっ)て交(まじわ)り、へりくだって気随気儘(きずいきまま)の振舞(ふるま
い)をせず、人々に対して慈愛を及(およぼ)すやうにし、学問を修め業務を習って
知識才能を養ひ、善良有為の人物となり、進んで公共の利益を広め世のためになる仕
事をおこし、常に皇室典範並びに憲法を始め諸々の法令を尊重遵守(じゅんしゅ)
し、万一危急の大事が起(おこ)ったならば、大儀に基づいて勇気をふるひ一身を捧
げて皇室国家の為(ため)につくせ。かくして神勅のまにまに天地と共に窮(きわ
ま)りなき宝祚(あまつひつぎ)の御栄をたすけ奉れ。かやうにすることは、たゞに
朕に対して忠良な臣民であるばかりでなく、それがとりもなほさず、汝らの祖先のの
こした美風をはっきりあらはすことになる。

 ここに示した道は、実に我が御祖先のおのこしになった御訓であって、皇祖皇宗の
子孫たる者及び臣民たる者が共にしたがひ守るべきところである。この道は古今を貫
(つら)ぬいて永久に間違がなく、又我が国はもとより外国でとり用ひても正しい道
である。朕は汝臣民と一緒にこの道を大切に守って、皆この道を体得実践することを
切に望む』(出典=文部省「聖訓ノ述義ニ関スル協議会報告」1940年2月。田中壮一
郎監修、教育基本法研究会編著「逐条解説 改正教育基本法」から)

 「教育勅語」の本質が伝わるのは、いったいどちらでしたか?(本誌・亀井洋志)





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小林 久公

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