[CML 054223] 大法院判決と日韓経済協定の第二条

masuda miyako masuda_miyako1 at hotmail.com
2018年 11月 12日 (月) 20:14:26 JST


皆さま
 こんばんは。増田です。友人から、今回の韓国大法院判決について以下の質問がありました。ご存知の方も多いかと思いますが、ご参考になればと転載します。このMLは資料が添付できないので、史料の欲しい方は個人メールでご連絡ください。

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 先日韓国で判決が出た「徴用工」判決の問題です。最初に断っておきますが、私も今回の判決は、とても嬉しいです。何故なら、当時朝鮮人労働者を奴隷扱いにした会社(この場合は、新日鐵住金)は、一円の金も出していないし、1965年の日韓基本条約で韓国に支払った金が、一番の被害者の徴用工の人たちに全く行っていないのだから、今回の判決自体としては当然だと思います。

  以上の事は、はっきりしていますし、その意味では、今回の判決は画期的なもので、素晴らしいものだと思います。

 私が、しっくりいかないのは、日本政府の意見でもある1965年締結された日韓請求権協定の第二条(下記参照)の解釈を否定出来るか? という事です。第ニ条の3が特に問題ですが、「−−締結国及び国民に対するすべての請求権ーーー」と「国民」という言葉が入っています。これは、「個人の請求権」も、いかなる主張もすることはできないものとする。と解釈されても曲解とは云えないのでは?こんなことを自分が言うのも、腹が立ちますが、この解釈が正しいとすれば、原告は韓国政府に請求するのが筋になります。

 韓国政府はこの不平等条約の問題の或る部分の内容を変え、再締結するーーーー。私ならぬ意見ですが、どうも、条約上から見ると、今の私では、日本政府の意見を否定できない。自分をごまかして運動するのは嫌なので、増田さんの見解を聞きたくてメールしました。
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〇〇様 
 増田です。ご質問の件は、以下のように考えます。

>「−−締結国及び国民に対するすべての請求権ーーー」と「国民」という言葉が入っています。これは、「個人の請求権」も、いかなる主張もすることはできないものとする。と解釈されても曲解とは云えないのでは?
>
 いえいえ、それは完全に曲解であると断言できます!

 添付のようにサンフランシスコ条約締結後、一貫して日本政府は(日韓)「条約上は、国の請求権、国自身が持っている請求権を放棄した。そして個人については、その国民については国の権利として持っている外交保護権を放棄した。したがって、この条約上は個人の請求権を直接 消滅させたものではないということでございます。」(1992年 柳井俊二条約局長)と主張してきました。

 ひょっとして、〇〇さん、MLに流した大和魂とやら自称するヤローとのやりとり、読んでないのかな? ぜひ、読んでください!

 そもそも国家と国民個人は別法人格(主体)なんですから、国家という第三者が勝手に同意なく他者の個人の権利を処分できるはずがありません。

 条約に言う「国民に対するすべての請求権」というのは添付外務省南東アジア課…これは慰安婦支援の市民団体が情報公開請求して慰安婦問題ファイルの中から出てきたんですって!…が答えているように「条約上 国が国民の請求権を放棄するというのは、相手国がかかる請求権を否認しても外交保護権を行使してその国の責任を追及することはしないという意味であるとの考え方」なんですから…

 日本の裁判所もその考え方を執ってます。添付の中国人強制連行の西松建設最高裁判決(2004年)は1972年の日中共同宣言で「中華人民共和国政府は,中日両国国民の友好のために,日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する。」としているから、中国は外交保護権を失ったけれども「中国国民が請求権を放棄することは明記されておらず,中華人民共和国政府が放棄するとしたのは『戦争賠償の放棄』にとどまること」

 「請求権の『放棄』とは,請求権を実体的に消滅させることまでを意味するものではなく,当該請求権に基づいて裁判上訴求する権能を失わせるにとどまるものと解するのが相当である。したがって,サンフランシスコ平和条約の枠組みによって,戦争の遂行中に生じたすべての請求権の放棄が行われても,個別具体的な請求権について,その内容等にかんがみ,債務者側において任意の自発的な対応をすることは妨げられないものというべき」

とします。つまり、労働者の債権は債務者が債務を履行しない限り消滅しない…当り前よね?…けど、条約上、裁判に訴えることはできない、として請求そのものは棄却したのです。

 そこで、この時の最高裁裁判官は頭がいいと思うのは「裁判はできないけど、債務不履行の企業が債務を履行する、つまり、被害労働者に賠償するまで被害労働者の債権は消滅しないのだから、自主的に支払って清算したらどーよ!」と勧告し、西松建設はそれを受け入れて財団を作って支払いをして清算・和解したんです。額は一人当たり174万円とかで少ないけどね…

 で、今回の添付大法院判決は「日韓条約は、そもそもが植民地支配の結果の強制動員、強制労働・虐待という当時でもILO29号条約違反の犯罪行為に対する賠償なんか入ってないんだから、被害労働者の請求は、そもそもが日韓条約の対象外のものであり、韓国の被害労働者が消滅することのない個人請求権に基づいて新日鉄住金に補償要求裁判を起こしたことは正当」と認めて、そう判決したわけで…

 アベ政府…アホの河野太郎含め…は過去「日本政府は個人請求権は消滅していない、と主張していたこと」「日本の最高裁でも個人請求権は消滅してない、と確定していること」を知っていながら隠している…いや、もしかしたら超アホ揃いだから、無知だってこともあるかなぁ…そんで、マスゴミもアホ揃いの日本政府と同様に騒ぎまくりヒステリックに大騒ぎするもんだから、大和魂みたいな人物ばっかで日本列島はうずまっちまった感じだねぇ…

 ま、その他、言いたいことあるけど、疲労困憊なので(笑)またね!
          


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