[CML 052681] Message flagged,【拡散希望】英国会計検査院(NAO)、ヨーロッパ会計監査院(ECA)ともに「PFIは割高で透明性悪化。使うべきでない」とレポートする中、今国会でPFI法を改正していいのか?

takeda kaori yytakeda at live.jp
2018年 5月 22日 (火) 21:25:15 JST


みなさま

いつも大変お世話になっております。

今国会でPFI法改正が衆院可決し、待ったなしの状況の中、英国会計検査院(NAO)、ヨーロッパ会計監査院(ECA)双方から
「PFIは割高で透明性悪化。使うべきでない」といったレポートが発表されました。

先ほど超特急でブログ等以下掲載いたしました。
ぜひご覧いただき、拡散等協力いただけますようよろしくお願い致します。

http://am-net.seesaa.net/article/459530694.html
https://twitter.com/amnetosaka/status/998894926279491585
https://www.facebook.com/amnetosaka/posts/1844835635555401

武田かおり AMネット

<以下ブログテキスト貼付>

【拡散希望】
英国会計検査院(NAO)、ヨーロッパ会計監査院(ECA)ともに「PFIは割高で透明性悪化。使うべきでない」とレポートする中、今国会でPFI法を改正していいのか?


英国会計検査院(NAO)、ヨーロッパ会計監査院(ECA)が続けて、発表したレポートで

「PFIでの入札価格は40%割高であり、コスト削減効果もなく、透明性も悪化」
「問題点が改善するまで、PPPを広い分野で集中的に使うべきではない」

と勧告する中、今国会において、「水道民営化」を加速させる「PFI法改正」が通ろうとしています。


英国会計検査院(NAO)、ヨーロッパ会計監査院(ECA)のレポートについて、岸本聡子さんより、超特急での報告をいただきました。
以下、ぜひご覧いただき、拡散いただけますようお願いいたします。


<以下、岸本聡子さん(トランスナショナル研究所(オランダ)によるレポート>

英国の官民パートナーシップ(PPP)請負企業カリリオンが2018年1月に倒産した直後、国家機関で財政の監査役である英国会計検査院(NAO)がPPPの仕組みを克明に報告するレポート「PFI 
and PF2」を発表した。

「PFI(Private Finance 
Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」とは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法である。英国ではPFIが用語として一般的に使われている。

PPPはより広義で、PFIは、PPPの代表的な手法の一つである。

折しも日本ではこの5月に、コンセッション方式の導入を推進するPFI法改正案が衆議院本会議で賛成多数により可決され参議院に送付された。


英国会計検査院はPFIの対費用効果と正当性を調査し、コスト削減の効果があるか検証した。

英ガーディアン紙は「納税者は先25年、200BnポンドをPFI契約に支払うことに」とする記事(1月18日)で英国会計検査院のレポートの主要な内容を掲載した。

レポートはPFIが公的な財政にプラスであるという証拠が乏しいと結論した。

さらに多くのPFIプロジェクトは通常の公共入札のプロジェクトより40%割高であると報告。

NAO(英国会計検査院)は、英国が25年もPFIを経験しているにもかかわらず「PFIが公的財政に恩恵をもたらすというデータが不足」と報告した。


現在英国では716のPFIプロジェクトが進行中で資本価値は£60 billion、年間の支払い額は2016-17で 
£10.3 billion。新しいPFIプロジェクトが全くなかったとしても2040年までの支払い金額は 
£199 billionに達する。

折しも英政府は、カリリオン(英国PPP請負企業)の£2.6mポンドの株を所有して主要なPFIプロジェクトに参画している。
カリリオンが倒産したことで、この公的な資金は危機にさらされている。

英国下院、公的会計委員会議長ののメグ・ヒラ―氏は
「民間の負債を相殺するだけの恩恵がないことを25年間のPFIの経験は示した。今多くの自治体は変更に膨大な費用のかかる柔軟性のないPFI契約で鎖でつながれた状態である」
とPFIスキームを痛烈に批判した。

「財務省は指摘された問題に対処しないままPF2という新しいブランド名でPFI 
を続行しようとしている。学校や病院にもっと投資が必要であるのに、間違った契約で結局は納税者が過剰な支払いをすることになる。」


PF2はPFIの批判を受けて、前ディビット・キャメロン首相のときに導入された。

支払ったお金に見合う価値があるかどうか (value for 
money)と透明性を高めるというのが主な趣旨であるが、PF2の6つのプロジェクトを精査した結果も懐疑的である。

レポートによると総体的に公的に資金調達されたプロジェクトよりPFIスキームは高くつき、学校建設の分析では政府が直接ファイナンスするよりも40%割高である。

主要なPFIプロジェクトを公的な所有に戻す場合、£2bnが追加であり、これは未払いの債務に加えて平均その23%を支払わなくてはならない。

労働党と労働組合は、この非常にリスクの高いPPP・PFI の停止を訴える。
「PPP・PFI企業は追い出されるべき。私たちに必要なのは公的な倫理と確かな管理のもので公務員によって提供される公共サービスである」
と党首のジェレミー・コービン氏は言う。

GMB(全国都市一般労組)の書記長レアナ・アザム氏は
「会計院のレポートはPFIが納税者のお金の破壊的な無駄づかいだであることを証明した。カリリオンは公共サービスを利益の最大追求の企業に任せたときにどうなるかを示す最新の例の一つでしかない。」
と批判した。

これに対し
「道路や学校や病院といった重要なインフラはPFI や 
PF2で支払われているし、これは経済を活性化させ雇用を創出している。私たちはPF2を通じてPFI 
契約の透明性を高めvalue for moneyを改善している。納税者のお金は、建設と長期維持管理のリスクが民間セクターに移譲するPFI 
や PF2を通じて守られている」
と保守党のスポースクマンは語った。


これに続き、ヨーロッパ会計監査院(ECA)もNAOに準じるレポートを発表。

ECAは欧州連合が共同出資する12のPPPプロジェクトを分析。
「短所と限られた費用効果が広く観察され、€1.5 
billionが無駄で非効率的に使われた。
支払ったお金に見合う価値があるかどうか (value for 
money)と透明性は広く悪化した。不明確な政策と戦略、不十分な分析、PPPの債務が公的なバランスシートに現われないこと(オフバランスシート)、政府と民間企業のリスク分担が不公平であることが特に問題である」と結論。

ECAはEU委員会とEU加盟国は指摘された問題点が改善するまでPPPを広い分野で集中的に使うべきではないと勧告。

2010-2014年の間、EUは €5.6 billion を84の PPPプロジェクトに提供した。
プロジェクトの全体の資本価値は, €29.2 
billionである。監査は.フランス、ギリシャ、スペインの道路、交通、情報テクノロジー分野の12のプロジェクトを調査。プロジェクトの総額は€9.6 
billionでうち EU が €2.2 billionを提供。

PPPs 
は公的機関に大規模なインフラを一つの手続きでまとめての発注を可能にするが、これによってリスクが高まり競争効果はなくなる。よって発注者の公的機関は交渉において弱い立場になる。

「さらに調査対象のPPPプロジェクトの大半(9のうち7)が建設期間中、相当な非効率と、無駄が見られ、プロジェクトの遅れ(最長で52か月)による損失総額は€7.8 
billionに上った。」

「スペインとギリシャで高速道路を完成させるために約 €1.5 billion の追加の公的資金は必要になった。その 
30 % (€422 million) はEUから拠出された。 」

レポートを担当したヨーロッパ会計監査院 のオスカー・へリックス氏は
「潜在的な経済的利益を得る手段として非効率」
と結論した。

<ここまで>


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