[CML 052585] 2018.5.3 ピース・フェスティバルinにいがた 新潟県9条の会事務局制作 小森陽一(全国九条の会事務局局長)のお話 3/4 

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2018年 5月 11日 (金) 22:55:23 JST


 その歴史的局面の中で、安倍政権がどういうふうに改憲をしようとしている、このことを訴えていく大事なポイントについて話したいと思います。自民党は今年の3月25日の党大会で自民党憲法改正推進本部のたたき台として出されたものです。基本は昨年の憲法施行70周年の5月3日の日本会議の集会に安倍晋三首相が「憲法9条1項、2項はそのままにして自衛隊という文字を書き加えるだけ」、何も変わらない、大丈夫だといメッセージを送って、その線で自民党・日本会議が改憲の発議に向けて一気に力を強めてきました。そのことがどういうふうになっているのか、ご理解いただきたいと思います。
 自民党の3 月25
 日の「たたき台」案の1は、憲法第9条2項に付け加えるのは「我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な措置をとることを目的として法律の定めるところにより内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する」これが案となっています。大事なことは「国及び国民の安全を保つため」という言い方ですね。多くの人は当然ではないかと思われるかもしれませんが、国だけだったら自衛隊の任務は個別的自衛権に限定されます。日本の領土領海を守るためだから外には出ません。でも「国民」というのが入ると海外にいる国民の安全を守るということを口実に自衛隊が世界中に出ていける。そういう事態になるわけです。ここが危険だぞということをぜひ訴えていただき
たい。
 2番目の案は、「前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する」。ここで大事なことは「必要な自衛の措置をとる」と書いてある。すでに2014年7月1日に、自衛隊の60歳の誕生日に閣議決定だけで安倍政権は、それまで憲法違反だとした「集団的自衛権の行使」ができるようにしました。「自衛」という言葉の中には、集団的自衛権の行使、世界中で自衛隊がアメリカ軍と一緒に軍事行動する、そのことが入っている訳です。これを文言に入れることは、明らかに自衛隊がアメリカ軍と一緒に世界中で軍事行動をするこ
とに道を開くことになります。絶対に危険だ。
 両方の案に、わざわざ「内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする」、内閣総理大臣の下で自衛隊が行動する。かって天皇が陸海軍二軍の統帥権を持つと軍人勅諭で定められていたわけですが、そのような体制にしようとしている訳です。あの危険な、そして国民に真実を隠すような安倍晋三のような総理の下で、このような体制にして良いのかということですね。その危険性をぜひ皆さんが多くの人に訴えていただきたいと思います。そしてもうーつ大事なことが有ります。それは9条1項、2項は変えずに自衛隊を書き込むだけだ」「何も変わらないんだ」という言葉の背後に潜んでいるウソをしっかりと伝えていただきたいということです。
 私たちは2015年「集団的自衛権の行使」を閣議決定だけで行使できるようにして、そのもとにアメリカ軍と一緒に国際的に協調した活動を「国際的な平和と安全を守るために行う」という文言を入れて安保法制が9月19日に国会で強行採決されたわけです。この安保法制で自衛隊の組織の任務が決められている訳です。自衛隊という3文字の背後には安保法制が全部貼り付いてきています。安保法制は全部で11の法律から成り立っています。10の法律は古い法律。古い法律というのは、例えば自衛隊が最初にできた時に自衛隊を規定したのが自衛隊法、自衛隊が最初に海外に出されるようになったのは宮津喜一政権の時、1992年6月に決められたPKO協力法、そのPKO協力法で日本の自衛隊が出ていけるのはどこかという時に大
事な漢字5文字が出てきて「非戦闘地域」しか行ってはいけないという縛りがかけられた訳です。ですからあの戦争であるイラクに自衛隊を送る時に、小泉純一郎首相は何と言ったかというと、「自衛隊が行くところが非戦闘地域なんです」と国会でいってしまったわけです。国権の最高機関である国会で内閣総理大臣、行政の長である内閣総理大臣が国権の最高機関である立法機関で「自衛隊が行くところが非戦闘地域なんです」と言明したんだから、そうせざるを得なくなったわけです。 
 だから、イラクに行っていた時も、現場で戦闘が起きています。南スーダンでははっきり「戦闘が起きています」という日報が上がった,それを隠蔽せざるを得なかった。つまり憲法に違反していることをやっている、国会で約束したことに違反したことをやっていることが解っているから、文書が隠蔽され、隠されてきたわけではないですか。そのことが内閣総ぐるみで、行政総ぐるみで行われるような国にしてしまったのが第二次安倍政権ではないですか。そんな政権に憲法を変えさせていいのか。これが今、多くの人達と一致点を作っていく大事なところです。繰り返します。憲法違反の集団的自衛権を閣議決定だけで認めて、自衛隊が海外で軍事行動をすることを可能にする道筋を開いたうえで、作られた
のが11の法律で「自衛隊はアメリカ軍と一緒に、国際的な平和と安全を守る活動をする」という文言が入っている。その戦争法である安保法制を背負って「自衛隊という組織の3文字があるわけですから、この「自衛隊という3文字を憲法に書き込んだら、憲法9条1項と2項は死文化してしまい、無効にされてしまうということです。これが狙っていることなんです。このところを絶対に許してはいけない。この一致点を「安倍改憲NO ! 3000万人署名」で作っていけるかどうか、これが私たちの大事な点なんです。(4/4に続く)


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