[CML 052584] 2018.5.3 ピース・フェスティバルinにいがた 新潟県9条の会事務局制作 小森陽一(全国九条の会事務局局長)のお話 2/4

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2018年 5月 11日 (金) 22:54:14 JST


 
 1950年6月25日段階には、国連軍が存在します。国連軍というと分かりにくいかもしれませんが、連合軍は存在しました。どこに、この日本列島です。日本列島を占領していたのがマッカーサーが連合国軍総司令官を務める「連合国軍」だったのです。日本を占領していた連合国が国連決議に基づいて北朝鮮に軍事制裁をするというのが朝鮮戦争だったのです。そのことがちゃんと報道もされなかったし、学校でもきらんと教えられてこなかった。問題の根幹がどこにあるのか、それが見えてこなかった。日本列島を占領していた連合国軍が国連憲章第ニ条に違反した北朝鮮に対して軍事制裁を掛けるわけですから日本列島から一斉に出撃するということですね。そうすると日本列島は空になりますね。日本列島は出撃
基地なんです。弾薬も食料,もみんな日本列島から出してゆくんでしょう。こまりますね。マッカーサーは当然考えます。マッカーサーは 、自らが関わって作った9条第2項に「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない」と謳っているから、さすかがに軍隊は作れない。出撃していく連合国軍の基地を守る機能を持っている警察予備隊を作るにとどまった。でもこれが日本国憲法9 条を持っている国であるにも関わらずの再軍備の始まりでありました。そして、朝鮮戦争の只中でサンフランシスコ講和条約が結ばれることになります。
 日本列島から一気に朝鮮半島に上陸した連合国軍は、一気に北朝鮮軍を追い払い、どんどん北に攻め上りまります。そうすると当然、中華人民共和国の国境線近くまで行きますねそうなったら困るということで中華人民共和国軍の正規軍が出たら第三次世界大戦になってしまいます。だから義勇軍が勝手に出たということにしたわけですが、義勇兵と言っても最新鋭の戦闘機で武装している訳ですから、マッカーサー軍は、また38度線まで押し戻されるのが1950年の年末です二。アメリカの大統領は深追いをするなといっていたのをマッカーサーは行っちゃったわけですね。
 そうすると、マッカーサーを首にすればマッカーサーが関わって作った日本国憲法9
 条があっても日本を再軍備することができるだろうとアメリカの支配層は考えた訳です。1951年4月にマッカーサーを更迭し、朝鮮戦争の只中でアメリ力を中心とした連合国、ソ連その他の社会主義国を抜きにして講和条約を結んでしまおうというのが1951年9月のサンフランシスコ講和条約でした。サンフランシスコのオペラ座で吉田茂首相がサンフランシスコ講和条約に署名した後、サンフランシスコ郊外のアメリ力軍の基地に連れていかれて旧日米安全保障条約に署名させられるんです。この旧日米安全保障条約の前文に9条があるにもかかわらずアメリカ合衆国は日本国が最低限度の防衛力を持つことを要求するという再軍備の要求がアメリカから入ったのです。9条があるのに日本が軍事力を持っているというのは
アメリカの要請だった。そのことを改めて私たちは思い起こしておく必要があります。それは朝鮮戦争の只中でアメリカが日本を出撃基地にしていたからそうなった。その根本の問題が解決されようとしている。根本問題は何かというと朝鮮戦争が38度線で膠着して以降、1953年7月から65年間、いつでも再発する可能性のある戦争の休戦協定ラインが38度線で、そこにいる韓国軍は国連軍の兵士なんです。そのことが今、多くの人に、はっきりと、歴史的記憶ではなくて、今現在の事態の根幹にある問題として日々明らかになり  、やがて5月に米朝首脳会談も行われるはずです。
 ここまで大きく事態が進行したのは、韓国の新しい文政権のおかげです。その力を作り出したのは
 、韓国の市民運動なんです。あのローソク革命と言われた朴槿恵独裁政権に反対する韓国の市民の運動が今の政権を作っているのです。今年の3月13日、総がかり実行委員会の高田健さんや全労連議長の小田川さん、戦争させない1000人委員会の福山さん達と一緒に、私もソウルに行き、このローソク革命を実現した韓国の人達と、これからどうアジアで市民運動を進めていくかということをめぐるシンポジュウムを行いました。韓国の人たちは口を揃えて、自分たちが2016年のローソク革命を実現しえたのは2015年の戦争法に反対する日本の人たちが国会を取り囲み、国会だけでなく全国の都市で大きな市民の運動が街頭に出で行われた。そのことに勇気をもらい、そのことに学んで、自分たちの国でも、あの運動を起こ
そうとローソク革命を実現した。
 この大きな市民の共同、そのことによって野党の方たちが揃ってこの憲法を守ろうと、先ほどこの壇上であいさつをされました。そういう強い力を日本で最もしっかり作っているのが新潟な訳です。いま全国で新潟のみなさんが作り上げた市民の共同が野党の共同を作っていく、それが今日のこの憲法集会を主催する大きな力にもなっている訳です。このことをこれからどういうふうに進めていけるのか、それが今の歴史的局面の中で、とても重要になっていると思います。(3/4に続く)


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