[CML 052981] IK改憲重要情報(246)
河内 謙策
kenkawauchi at nifty.com
2018年 6月 24日 (日) 16:44:04 JST
IK改憲重要情報(246)[2018年6月24日]
私たちは、内外の改憲をめぐる動きと9条改憲反対運動についての情報を発信しま
す。
(この情報を重複して受け取られた方は失礼をお許しください。転載・転送は自由で
す)
弁護士 市川守弘、弁護士 河内謙策
連絡先:〒170-0005東京都豊島区南大塚3-4-4-203 河内謙策法律事務所
電話03-6914-3844,FAX03-6914-3884
河内が参加している「南シナ海問題署名運動」のサイトは以下のとおりです。
http://www.southcs.org/
__________________
(以下の見解は、河内の見解です。市川の見解は必らずしも河内と同一ではありませ
ん。御了解ください。)
歴史修正主義について
歴史修正主義という言葉を聞かれたことが有るでしょうか。
人によって用いられ方はいろいろですが、「実証的・客観的・論理的・科学的・学
問的に構築された歴史学のモデルから逸脱し、特定のイデオロギーにそって独自の修
正を加えている思想・歴史観である」と蔑称として用いられる場合もあります。様々
な使い方については、WIKIPEDIAの記事を参照してください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E4%BF%AE%E6%AD%A3%E4%B8%BB%
E7%BE%A9
私が強く関心を有するのは、現代史、特に第2次大戦以降の歴史です。この分野で
は、歴史修正主義者と呼ばれる人が目覚ましい研究業績をあげています。
ソ連と第二次大戦前後のアメリカにいたソビエトのスパイとの交信記録が解読され
「ヴェノナ文書」として1995年に公開されて以降、おどろくべき事実が次々に明らか
となっているのです。
最近、日本で、この「ヴェノナ」文書等に依拠した本が2冊刊行されました。
*江崎道朗『日本は誰と戦ったのか』KKベストセラーズ
この本により、ヴェノナ文書等に依拠した研究の概観を得ることができます。
たとえば真珠湾攻撃については、江崎氏によれば、「日本軍による卑劣なだまし討
ちだった」→「ルーズベルト大統領が第2次世界大戦にアメリカを参加させるため、
日本の機密暗号を傍受して日本軍の攻撃を知っていたのに、知らないふりをした」→
「日米両国はともに国益を追求した結果、戦争になった」→「ソ連のスターリンが秘
密工作員を使って日米和平交渉を妨害し、日米両国の対立をあおり、日米戦争へと誘
導した」と研究が発展していると言われています。
このように見てくると、歴史修正主義とは何か、とか、歴史修正主義は悪いかどう
か、などという論争を超えて、歴史の真実にせまるべきだということが明らかになっ
てきます。
*渡辺惣樹『第二次世界大戦 アメリカの敗北』文春新書
この本は面白い本です。「事実は小説より奇なり」を実感させる本です。
渡辺は、ヴェノナ文書等の研究をふまえて、二人のソビエト・スパイの活動と人生
を浮かび上がらせました。
一人は、ハリー・デキスター・ホワイト、アメリカ財務省のナンバー2、日米戦争
の開戦に影響を与えたハルノートの原案作成者、ケインズとやりあい、アメリカの代
表としてIMFを創設した立役者です。
もう一人は、国務省高官のアルジャー・ヒス、彼は、ヤルタ会談のアメリカの実務
者の最高責任者、国連の創設に関わったアメリカ代表の実務者の最高責任者でした。
このような大物が、ソビエトのスパイであったとは驚きですが、かれらが「アメリ
カ高官」として情報を入手し、入手した情報をソ連に伝え、「アメリカ高官」として
ソ連に有利になるよう意思決定をし、方針を出していたとは、本当に信じられない思
いです。
ゾルゲと同様に、「彼らは、ソ連に希望を託していたのだ」という弁護論も出てく
るかと思いますが、私見では、ソ連はロシア革命直後は別にして、国際共産主義の名
の下に、醜いソ連の国益を第一義的に追求していたのですから、ソ連に希望を託した
共産主義者に弁解の余地はないでしょう。歴史は、残酷なものです。
渡辺は、スターリンを利用して世界の平和組織=国連のトップに立とうとルーズベ
ルトが功名心にはやって世界的なレベルで譲歩したのがヤルタ会談であった(日本に
対する密約もここで生まれた)、しかし、スターリンは1枚上手、ルーズベルトを利
用し(ルーズベルトの背後にいたのがソビエトのスパイ=ヒスです)、世界的にス
ターリン体制・共産主義体制を確立した勝者であるとしています。騙そうと思った人
間が騙されたという点では、まるでトランプと金正恩の関係とそっくりです。
以上
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