[CML 053100] IK改憲重要情報(254)
河内 謙策
kenkawauchi at nifty.com
2018年 7月 8日 (日) 16:01:03 JST
IK改憲重要情報(254)[2018年7月8日]
私たちは、内外の改憲をめぐる動きと9条改憲反対運動についての情報を発信しま
す。
(この情報を重複して受け取られた方は失礼をお許しください。転載・転送は自由で
す)
弁護士 市川守弘、弁護士 河内謙策
連絡先:〒170-0005東京都豊島区南大塚3-4-4-203 河内謙策法律事務所
電話03-6914-3844,FAX03-6914-3884
河内が参加している「南シナ海問題署名運動」のサイトは以下のとおりです。
http://www.southcs.org/
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(以下の見解は、河内の見解です。市川の見解は必らずしも河内と同一ではありませ
ん。御了解ください。)
米朝会談の意味しているもの
7月6日、7日と平壌でアメリカ(ポンぺオ米国務長官)と北朝鮮(金英哲労働党副
委員長)の間で非核化に関する交渉・協議が行われました。
きわめて長時間の交渉・協議であったにもかかわらず、その全容は、なぜか明らか
にされていません。言われているのは、非核化実現に向けた「核心的な事象
を取り扱う」複数の作業部会を設置することで、米朝が合意したということだけで
す。
http://www.sankei.com/world/news/180707/wor1807070025-n1.html
一方、北朝鮮外務省は、アメリカ側が「首脳会談の精神に反し、申告だの検証だの
一方的非核化要求だけを持ち出した」という報道官談話を発表しました。
http://www.sankei.com/world/new2s/180707/wor1807070036-n1.html
これらの記事からうかがえるのは、「首脳会談の前から、北朝鮮は濃縮ウランの増
産など、非核化の意思を疑わせる行動を何故とってきたのか」という追及をアメリカ
は最初から放棄していたということです、また、「申告」や「検証」をアメリカが
言ったのかも知れませんが、非核化につながる具体的な行動の約束は一切なされな
かったということです。
今度の会談の第一の「成果」は、北朝鮮の行動により、北朝鮮がそもそも非核化の
意思を有しないで、首脳会談にのぞんだことが、はっきりしたことです。首脳会談で
約束をとりつけられなかったことを、実務者レベルで約束をとりつけることができる
はずがありません。
今度の会談の第二の「成果」は、アメリカが、北朝鮮の策略に乗せられて(策略と
知ってかどうかは分かりません)、北朝鮮との泥沼の交渉に引きずり込まれたという
ことです。
米朝首脳会談につき、あれほど多くの人が「期限を切らない約束は、北朝鮮の策略
に乗せられるものだ」と批判したにもかかわらず、またも期限を切らない約束をして
しまったのです。作業部会の設置に数か月、作業部会の議題の設定に数
か月、作業部会の討論に数か月、結局合意はできなかった、ということになる可能性
が大と思います。
このようになった一つの原因がアメリカの弱気です。「相手に拒否されたらどうし
よう」ということばかりを重視し、自分が攻めるのを忘れて、相手のペースにはまり
こむ人や弁護士は、裁判所に行けば沢山みることができます。アメリカがこのような
弱気になっている最大の原因は「秋の中間選挙に向けて、なんでもいいから成果をあ
げろ、決裂は許さない」というトランプの指示に間違いないと思います。
では、今後どうすべきでしょうか。
私は、日本の民衆運動の構成員と指導部が、北朝鮮は非核化を直ちに実施せよ・拉
致被害者を即時に一括して帰国させよ、という声を挙げ、その声を国内でも国外でも
大きくしていくしか方法がないと思います。
私が、これだけ声をからして訴えているにもかかわらず、反応は、芳しくありませ
ん。一体、どれだけの団体や人が声をあげのでしょうか。朝鮮総連やアメリカ大使
館、首相官邸に対し、メールをしたり、デモをしたり、集会をしたりしたのでしょう
か。
私には、日本の民衆運動の幹部も構成員も、民衆運動の大原則(歴史は民衆が作
る、歴史は民衆運動が作る)を忘れてしまったのではないか、と思えて仕方がないの
です。だから、民衆運動の活動家は、北朝鮮問題でのデモ一つなくても不思議と思わ
なくなっているのではないでしょうか。
民衆運動の大原則を忘れた民衆運動は、民衆から見放され、歴史の藻屑に消えると
いうのが歴史の教訓ではないでしょうか。
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以上
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