[CML 051515] IK改憲重要情報(214)
河内 謙策
kenkawauchi at nifty.com
2018年 1月 19日 (金) 16:49:41 JST
IK改憲重要情報(214)[2018年1月19日]
私たちは、内外の改憲をめぐる動きと9条改憲反対運動についての情報を発信しま
す。
(この情報を重複して受け取られた方は失礼をお許しください。転載・転送は自由で
す)
弁護士 市川守弘、弁護士 河内謙策
連絡先:〒170-0005東京都豊島区南大塚3-4-4-203 河内謙策法律事務所
電話03-6914-3844,FAX03-6914-3884
河内が参加している「南シナ海問題署名運動」のサイトは以下のとおりです。
http://www.southcs.org/
__________________
(以下の見解は、河内の見解です。市川の見解は必らずしも河内と同一ではありませ
ん。御了解ください。)
私は老人になりましたので、明日にぽっくりということになるかも分かりません。
それで、言いたいことを今のうちに言っておかなければ、と考えて、日本の平和運動
の問題点を「IK改憲重要情報(213)」に書かせていただきました。本日も、日本の
平和運動に大きな影響力をもつ、研究者の方に対する苦言を書かせていただきます。
民主的研究者は何をしているのか
自己の研究活動を日本の民衆運動と重ね合せて活動している「民主的研究者」とい
われる集団が存在します(必ずしもアカデミズム在籍者とは限りません。自然科学研
究者を除きます。)
日本の平和運動に大きな影響を与えてきた民主的研究者は、何をしているのでしょ
うか。さっぱり、その活動が見えてきません。私は、民主的研究者の社会運動のこと
を言っているのではありません。その研究活動のことを言っているのです。残念なが
ら、民主的研究者から、アメリカ論、中国論、沖縄論、朝鮮論、アジア論、憲法論な
どの日本の平和運動がどう取り組むべきか悩んでいる課題についての、本格的な研究
書や深い研究に裏付けられた時事評論がほとんど生まれていないのではないか、と思
えるのです。もちろん私が見逃しているものもあると思いますが、それにしても、民
主的研究者の研究の衰退は、日本の平和運動の衰退と同じように深刻なものがあるよ
うに思うのです。
私は、横から見ていて、それには二つの原因があるように思います。
第一に、民主的研究者は、研究の面で「(日本伝統の)空気重視」に負けているの
ではないかということです。
私がアメリカの大学に留学して感動したのは、アメリカでは、多数意見を無批判に
繰り返すのは馬鹿だ、というのが徹底しているということでした。だから日本では
「今までの研究をふまえていない」とか「それは誰の意見か」とか「そこまで言い切
るのはどうか」とか言われるわたしの意見も、アメリカでは大歓迎されるのです。こ
れには、ほんとうにびっくりしました。アメリカの友人は「君はもっと意見をなぜ発
言しないのか」と私を責めたのです。
日本では、少数者になる勇気がなければ、
新しい問題提起はできません。民主的研究者は、この深い意味を把握していない人が
多いのではないでしょうか。
第二は、民主的研究者には、日本の民衆運動に対する遠慮があるように思います。
私は、1970年代には大月書店という出版社にいました。私が、発表された論文を読
んで「先生、ぜひその論文をまとめて本にしてください」というと、「私の見解はラ
ジカルだから、日本の民衆運動に迷惑をかけるといけない」と言う人もいましたし、
「私がこういう本を出してよいか共産党中央に聞いてみないと」と言う人もいまし
た。この人たちはスターリン主義について何を勉強してきたのか、と唖然としまし
た。
真理を何よりも愛すること、自分が真理と思うことと民衆運動の見解が異なってい
れば民衆運動を批判すること、この簡単なことが分かっていないから足がすくんで大
胆な問題提起ができないのではないでしょうか。
私が民主的研究者に問題提起をしたいということは、以上の2点です。
なにとぞ、よろしく御検討をお願い申し上げます。
以上
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