[CML 054422] 「当事者意識で考える、沖縄の基地問題」について

motoei at jcom.home.ne.jp motoei at jcom.home.ne.jp
2018年 12月 3日 (月) 18:42:39 JST


(情報記載いしがき)

みなさん、小金井市会議員 片山かおる様

拝 啓

さいたま市の石垣敏夫氏(安保法制違憲訴訟埼玉・原告世話人)から

11月20日小金井市議会への陳情をめぐって「当事者意識で考える、

沖縄の基地問題」という片山さんご執筆の「参考資料」をファクスで

送って頂き拝読しました。

 小生は眼病を患っているため、パソコン使用を全停止していますので、

  石垣氏にお願いしてメール送信させて頂きましたこと、ご海容下さい。

 

まず「当事者意識」ということですが、小生は「沖縄の基地問題」だけに

局限して考えてはいけない、と考える立場です。すなわち、

現行憲法の全条項を【99条】の憲法尊重擁護義務を広く解釈して

「市議」すべてにも課せられたものと考えます。これは、

憲法の“前文の精神”から考えても矛盾はないと思います。

(【99条】を守らず9条改憲を呼号する安倍首相には「引導」を渡すべきです)

 前沖縄県知事であった故翁長雄志さんも「沖縄」の問題を「平和的生存権」

「幸福追求権」さらに「法の下の平等」という民主主義の問題、

「地方自治」の問題という広い視野に立って憲法の沖縄への全面的施行を求めて

“ウチナンチュウ、マキテナイビランド”」と言っていましたことを決して忘れるべきではない、

というのが小生の総論的立場です。

 次に各論の「沖縄の基地問題」です。私は憲法前文に言う「自国の主権を維持し、

他国と対等関係に立とう」云々という『主権』の問題が、貴市の「意見書」には完全に

欠落していると考えます。4つのプロセスの文言にその問題意識の片鱗さえ見えません。

 貴市議会議員を始め多くの国民が「日本国憲法の上に日米地位協定(その背景には、

石垣氏の言われるように押しつけ安全保障条約がある)が厳然として存在する、

換言すれば『主権』が侵され米国の属国になっている」ことを平然と認めています。

あるいは考えようともしていません。

 このような状態を白井聡氏は「異様なる隷属」(同氏著『国体論 菊と星条旗』

集英社新書、2018年刊、291頁)と述べています。実に的確な表現だと思います。

前記翁長さんは、県職員を独、伊に派遣して独自に「米軍の地位協定」の

実施状況を調査しています。それによると「米軍が起こした事件や問題解決

のために政府や自治体の職員の米軍基地内への立ち入りは認められ、

誠実に対話をしている」すなわち『主権』が守られているとの報告を受けたそうです。

沖縄はそれすら行われていません。

 11月25日付けの『朝日新聞』の報道によると「水質汚染調査米軍阻む」

「地位協定が壁、沖縄県、基地入れず」「川から発がん性疑いの物質」と見出し

(31面)にありました。

 「日米地位協定」の改定云々よりも石垣氏がいわれているように

「在日米軍基地の縮小撤去は、日本の真の独立の基本です」に賛意を表します。

私の表現では「日本国憲法」の「前文」にいう「主権を維持=回復」が先決です。

石垣氏が主張されるように「一部の米軍基地を沖縄県以外の本土に移す」ことが

「当事者意識の共有になる、という議論が“法の下の平等”と考える」のは、根本的に誤謬です。

あえて極論すれば「欺瞞」であり、「まやかし物」以外の何物でもない、と断ぜざるをえません。

 私たち市民運動グループは、日本国憲法の前文の最後の一節にある

「日本国民は、国家の名誉にかけて、全力をあげてこの崇高な理想と目的を

達成することを誓う」という文言を想起すべきではないでしょうか。

 日本国憲法の「前文」と全条文が私たちの最大の武器です。

謹 白 

 2018年12月1日

 ウズベキスタン共和国サマルカンド国立外国語大学名誉教授

                          胡口靖夫(こぐち・やすお)

                    〒151―0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5―14―3    


CML メーリングリストの案内