[CML 053522] 徴兵を逃れて鍛冶屋「日の出」とは 波瀾ばんじょう佐川光晴

大山千恵子 chieko.oyama at gmail.com
2018年 8月 26日 (日) 07:40:21 JST


「日の出」 <http://subaru.shueisha.co.jp/books/1807_1.html> 佐川光晴
<http://renzaburo.jp/shinkan_list/temaemiso/180518_book01.html> 集英社

日露戦争。家のために教員を辞めて出征した父は負傷して帰国、おもちゃの鉄砲の音で錯乱して走り出し、急死する無惨。1908年。

その後、
*中学生十三歳の清作は戦争の徴兵から逃れるために、家を飛びだし鍛冶職人として岡山から九州、川崎、横浜へと移りながら過ごす。そして関東大震災での朝鮮人虐殺。*

各章ごとに時代が入れ替わる。現代、その清作を曽祖父にもつ女子学生あさひは教員をめざしている。その理由は、朝鮮人ヘイトを目にしたからだ。

*ふたりの生きる様子を交互に見ることによって、過去の差別と現在の状況が繋がっていることについて深く考えさせる。*
などと説明すると難しそうだが、少年の成長に廻りの対応に嬉しく一気よみだ。

ただし、234頁の教員の猫写には大いに違和感。その提供元が、なにやら母校埼玉大学の後輩なので複雑な心境。




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大山千恵子
ブログ 「千恵子@詠む...」 毎日更新http://blog.goo.ne.jp/chieko_oyama


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