[CML 053419] Nスペ「『モンハン 責任なき戦い』、良かったですが…

masuda miyako masuda_miyako1 at hotmail.com
2018年 8月 16日 (木) 11:58:21 JST


皆さま
 こんにちは。増田です。これはBCCでお知らせしています。重複・長文、ご容赦を。

 昨日は、いわゆる「終戦記念日」で…正確には「大日本帝国敗戦、公表記念日」、略せば「敗戦記念日」だと思いますが…世間的にはいろいろなイベントがありました。件名番組は、きちんと現地取材したうえで、残っている音声記録を使い、エビデンスのしっかりしたいろいろと考えさせる好番組でした。

 そこで、以下のように感想意見を先ずTwitter投稿しましたら、醍醐聡先生からご意見がありましたので、それに対する私の返信もつけます。現在のように正論を説くものが干される時代には、やっぱり迷いますねぇ…

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 昨夜のNHKスペシャル「ノモンハン 責任なき戦い」。良い報道だった。敵も知らず己も知らず、辻正信の立てたノモンハンでの越境対ソ攻撃。当然、大失敗し2万人もの戦死者。その責任は部下に取らせ、自決を強要。この朝日新聞の8.15テレビ番組紹介欄(添付、本MLは添付できないので無し)通り…しかし、この紹介者もそうだが軍隊組織図…分かりやすく良かった…の最高位に大元帥天皇を置きながら「天皇の叱責をも軽んじる」で済ませてしまい、一番の問題点を避けた。逃げた、といっていい。
  
  昭和天皇は2.26の時だけでなく、自分が必要だと思った時は輔弼者の進言など聞かず「可,不可」を明示し命令を出した(『昭和天皇は戦争を選んだ!』社会批評社、参照)。大元帥天皇の許可なく軍を動かすことは陸軍刑法では「死刑又は無期若しくは7年以上の禁固」の大罪。そもそもの中国侵略の初めだった満州事変の時も、昭和天皇は許可なく越境した林銑十郎将軍を軽度の叱責…つまり、口先処分…で済ませた。成功したら関東軍をほめた。そして関東軍は増長した。
  
  このノモンハンもそうだった。もちろん、関東軍参謀・大本営参謀も大量の将兵を、無謀な戦争計画によって戦死に追いやり、責任は部下にとらせた卑怯・卑劣さは、どんなに強調しても良いが、その最終責任は大元帥昭和天皇にある。「叱責」とは「誰に責任を取らせるか」という形で関東軍司令官植田謙吉に責任を取るよう暗示…結果責任が生じるので明示はしない…したことをいうが、それをしなかった大本営参謀たちに昭和天皇は責任を取らせなかった。
  
  ノモンハンでも、もし、2・26の時のような強い態度で参謀たちに臨んでいたら、後の歴史は大幅に変わっていた可能性はある。この都築和人氏も、この優れたドキュメンタリー制作者も、大元帥の責任については思考停止してしまうのだろうか。
  
  それとも、右翼どもの「反日」攻撃を避けるには、ここまでが限界と忖度したのだろうか…確かに大元帥昭和天皇の責任にまで言及すると予想される攻撃は凄まじいものになって、今後はこういうドキュメンタリーを作成することはできなくなることは目に見えているので、あまり責められないかもしれない…
 
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〇醍醐先生から
 「あまり責められないかもしれない」と番組制作者を思いやって済ませるのですか? それなら萎縮・自己規制やむなしでお開きになるのでは? みやさんらしくない? その手前の一連の書き込みと繋がらないように思いますが。


〇増田の返信
 迷いがあります。もし、大元帥昭和天皇の責任を正面切って取り上げて報道すると彼らは、真っ当な「慰安婦」報道番組を作ったためにアベらの介入を受けてNHKを追われた人々の二の舞になる事が99.99%の確率でありそうで…そうなって、こういうドキュメンタリー番組そのものが無くなってしまったら、と…


         


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