[CML 053382] 戦争孤児
donko at ac.csf.ne.jp
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2018年 8月 13日 (月) 00:11:36 JST
坂井貴司です。
転送・転載歓迎。
再放送です。
大日本帝国賛美本や神風特攻賛美本、仮想戦記のラノベ(ライトノベル)が絶
対に書かない太平洋戦争の悲惨な忘れ物です。「戦争孤児」です。
NHKスペシャル
『“駅の子”の闘い〜語り始めた戦争孤児〜』
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20180812
放送日:8月15日
放送時間:午前0時40分〜1時29分(14日深夜)
枕言葉として
「1945年8月15日正午の『玉音放送』によって太平洋戦争は終わった」
と当たり前のよう語られます。
しかしこの戦争で親兄弟、親戚、友人を失った子供たち、すなわち戦争孤児の
本当の『戦争』はこの時から始まりました。
戦争孤児の中には、父が神風特別攻撃(神風特攻)の隊員だった人もいました。
「軍神」の遺児もいました。
敗戦直後は混乱と飢え、貧困の中にあっても、日本は民主主義国家、平和国家
への再出発を始めたと明るく語られるますけれど、戦争孤児にとっては、生きる
か死ぬかの闘いを強いられた悪夢の時期でした。
大人の保護がない戦争孤児は「自己責任」の中に突き落とされました。飢えを
しのぐためにあらゆることをしました。
闇物資の担ぎ屋、靴磨き、廃品回収などの仕事をした孤児は、まだ恵まれてい
ました。物乞い、残飯あさり、そして詐欺や盗み、売春を行った子供が大勢いま
した。
犯罪に巻き込まれる孤児もいました。漫画『はだしのゲン』では、ヤクザの抗
争の駒に使われて殺害される孤児が描かれます。
戦争孤児に対する大人たちの態度は無慈悲でした。ヨゴレ、野良犬と呼んで邪
険に扱いました。孤児に暴力を振るうことは普通でした。『はだしのゲン』に描
かれたように、孤児を保護すると見せかけて、奴隷として酷使した者がいました。
売春を強要した者もいました。
戦争孤児に対する行政の対応策は、野良犬と同じでした。治安対策として「狩
り込み」を行い、孤児を警棒でメッタ打ちにしてトラックに放り込みました。犬
小屋同然の檻で閉じられた施設に押し込みました。これも『はだしのゲン』に描
かれています。
飢えと貧困、大人の無関心と敵意の中で、多くの戦争孤児が路上で死亡しまし
た。生き残った孤児たちは成長して、戦後の高度経済成長を支えました。必死に
努力して家庭を持つことができた孤児もいました。一方で、忌まわしい記憶に苦
しみ続け、孤独の内に一生を終えた孤児もいました。就職や結婚で差別を受けた
孤児は大勢いました。自殺した人もいました。
戦争は子どもを真っ先に犠牲にする実態を描いた番組です。
坂井貴司
福岡県
E-Mail:donko at ac.csf.ne.jp
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「郵政民営化は構造改革の本丸」(小泉純一郎前首相)
その現実がここに書かれています・
『伝送便』
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