[CML 052440] 転載歓迎 リニア新幹線・見切り発車の残土問題

Kasuga Masao t352191 at takamori.ne.jp
2018年 4月 29日 (日) 04:05:33 JST


転載歓迎 見切り発車の残土問題

「飯田リニアを考える会」です。

※ 審査請求・国交省にリニア工事の認可取り消しを求めましょう
http://www.nolineariida.sakura.ne.jp/2018-0416.html

長文で失礼します。リニアの問題点の第2回。

要旨:リニアは全線の86パーセントがトンネル。建築資材として有効活用できる量をはるかに超える残土が発生。処分先の残土の盛土が災害を引き起こす危険性が高い。リニア自体の安全性への懸念に留まらず、沿線の地域社会にも危険を生じるのがリニア計画。

 リニアは、中部山岳地帯を通過。南アルプス、中央アルプスをトンネルで抜けます。山梨、静岡、長野、岐阜では、トンネル掘削残土の処分が大きな問題です。工事認可前、当時の石原伸晃環境大臣も残土問題について、処分先が決まっていない点に懸念を示していました。

https://www.nikkei.com/article/DGXNASGG03006_T00C14A6EAF000/

 長野県内では、残土の処分先については、長野県が沿線市町村からの候補地情報をJR東海に提供するかたちで選定されてきました。しかしその過程で、市町村も長野県も防災上の危険性について何も検討をすることなく情報を提供。候補地の使用は、基本的には、JR東海と地権者のあいだの契約だけで決まります。

 候補地はいずれも谷や沢(洞)であり、永年かけて削れてできた地形であって、そこへ残土を積み上げることは極めて不自然なことです。リニアの通過する長野県南部の伊那谷では、1961年に三六災害があり、至る所の谷で崩壊や土石流(山津波・鉄砲水)がありました。その経験から、谷筋やその下流域の住民は残土の処分先について大きな懸念をしめしています。一方で住民の代表である、自治体の首長、議会の多数派は、地域を活性化するリニアという意識から、JR東海に協力的であるという傾向があります。

 残土の処分地は、地権者からJR東海が残土の発生期間だけ借りて、埋め立て工事が終われば返却するという形をとります。残土が原因で起きる土石災害の責任問題がまったく不明なままです。

 現在候補地として挙がっているのは、松川町生田地区、豊丘村神稲地区、飯田市内の下久堅、龍江、下條村睦沢、阿智村萩の平付近などです。松川町生田地区では3つの谷に600万立米の処分地の計画がありますが、下流域の福与区が町に残土受け入れの中止の要望を2016年、2017年の2回提出しており、使用できる可能性はほとんどない状況。豊丘村では牛草沢、南の沢(約52万立米)については住民の反対運動により、JR東海は使用を断念せざるを得ませんでした。残土処分地は用地収用の対象ではありません。また虻川支流のジンガ洞(130万立米)については地権者である森林組合は受け入れを決定しましたが、リニア推進の立場にある長野県から受け入れの決定は無効とされ、現在は計画は白紙に戻された状態です。無効とした理由は組合の運営方法が生産森林組合法に沿っていなかったためですが、長野県の治山や砂防の担当部署では谷に100万立米を越えるような埋めてをすることへの困惑があることも事実です。

 飯田市の下久堅では、飯田市の担当者の言い方では、「候補地として検討することについて、地権者が了承を得た」という段階ですが、残土置場の、まさに直下に、人家があるという条件。同市龍江ではやはり下流に大きな集落があるうえに地権者不明の土地もあるという状況。下條村睦沢の候補地はすでに上部に埋め立て造成した「道の駅」がありますが、この谷に沿って活断層があります。「道の駅」は1995年頃造成されたのですが、僅かとはいえ、不完全な造成が原因と思われるものの、すでに一部が崩れ始めています。

 作業トンネル(斜坑)口近くの谷に廃棄処分することは、JR東海にとっては費用の点で有利であること、市町村にとっては多数にのぼる残土運搬車両が市町村内を走る距離を減らせるというメリットはありますが、住民にしてみれば将来にわたって土石災害の心配を抱えることになります。最善の施工と維持管理をしてもせいぜい100年しか安全性を保てないのであれば、谷に残土を廃棄することは避けるべきです。人命にかかわるほどでなくとも流出した土砂の処分には費用がかかりますが、それは結局は長野県が負担せざるをえず、県民の税金で行われることです。

 大鹿村の小渋川斜坑口は現在斜坑を約400m掘り進んだそうです。2月と4月に隣接する残土仮置き場を見ました。残土の山の大きさにほとんど変化がありません。残土の処分先が決まらなければ、トンネルは掘れないという事実を象徴しているかのようです。

 残土の安全で適当な処分先は、現実的にはないというのが正しい認識で、計画以前からそれは容易に判断できたはずです。リニア計画が夢想に基づく現実離れしたものであることは明らか。しかし、日本といういう国は、そういうことをやってしまうのです。負けるという状況分析結果があったのに、日米開戦に踏み切った過去と同じ判断が国交省によって行われた可能性が極めて高いリニア計画です。被害が少ないうちにリニア計画を止めさせましょう。

以上

「飯田リニアを考える会」
HP: http://www.nolineariida.sakura.ne.jp/toc.html
メール: mail at nolineariida.sakura.ne.jp






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