[CML 049071] 五十嵐仁さん(元法大教授)の「米・仏・英と同様の『左翼バネ』が都議選でも働くのか」(2017年6月28日付)という論を批判する。(この投稿をもって最後にします。)

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2017年 6月 29日 (木) 09:34:40 JST


この投稿をもって最後にします。

この1か月ほどの私の投稿の再開は、この国の市民運動に大きな影響を持つ共産党という政党はすでに「左翼」とはいえ
ない政党に転落していること、その右傾化の凄まじさの一端を明らかにすることによって私たちの持っている従来の「共産
党観」もすでに崩壊していることを世の「左翼」を自認する人たちに警鐘を鳴らすことでした。従来の「共産党観」はすでに崩
壊しているというこの認識は日本社会の変革を展望するためにはその土台(変革主体)の部分に関わる欠かすことのでき
ないもっとも緊要というべき認識だというのが私の認識です。私が、沖縄の翁長県政とオール沖縄の問題性をとりあげるの
は、この問題は、オール沖縄を主導する共産党の右傾化と深くかかわっている。その端的な現われが沖縄の市民運動が
日本共産党によって歪められていること、それが「オール沖縄」という問題だ、と私は見ているからです。

五十嵐仁さん(元法大教授)の「米・仏・英と同様の『左翼バネ』が都議選でも働くのか」(2017年6月28日付)という論を批判
する。

東京都議選も終盤を迎えたということもあるのでしょう。五十嵐仁さん(元法大教授)が「米・仏・英と同様の『左翼バネ』が
都議選でも働くのか」(2017年6月28日付)という左翼=共産党支援の論を新たに 書いていますので、私もまた改めて 五
十嵐さんの論の誤りを指摘しておきます。

五十嵐さんの論の第1の問題点は、共産党を当然のごとく無条件に「左翼」とみなしていることです。しかし、結論から先に
言えば共産党はすでに「左翼」とはいえません。2、3例証を挙げておきますと、この都議選のこととして、同党はいまでこ
そ都議選では複数の選挙区で都ファと議席を争うことになり選挙戦術として対決姿勢に転じていますが(毎日新聞、2017
年6月23日)、今年のはじめにはいち早く小池与党宣言をしていました。そこには日本共産党都議会議員・とくとめ(徳留)
道信(同党の東京都小選挙区の衆院議員候補者にもなっています)の名前でこう書かれていました。「いよいよ今年の夏
には都議選がおこなわれます。昨年誕生した小池都政がかかげる『都民ファースト』の改革に都民の期待が高まっていま
す。(略)小池都政の掲げる『都民ファースト』、すなわち都民第一の立場で都政改革を進め、いのち・くらし・福祉中心の
希望ある都政を実現するチャンスです。私は都民要望にそった小池都政の改革を協力・応援し、さらに良くするための積
極的提案をおこなって」云々(いたばし区民タイムス、新年挨拶号)。明らかに小池与党宣言というべきものです。そこに
は都知事になる前までは自民党の中でも超タカ派の議員として鳴らし、日本会議の国会議員懇談会副会長もつとめる極
右、改憲派、核武装論者としての小池百合子を批判する視点はまったくありません。そういう政党を「左翼」とは言いませ
ん。

第2。一昨年12月の「慰安婦」問題に関する日韓両国政府の合意を評価した共産党の対応も「左翼」の対応とはとても
いえません。同党の同問題に対する対応は極右の小池百合子の対応とそう大差ないものです。

第3。天皇臨席の国会開会式の出席、最近の「天皇退位」法案に賛成した共産党の対応も「左翼」の対応とはとてもいえ
ません。

五十嵐さんの論の第2の問題点は、民主党中心の連立政権から自民党が政権を奪還した2012年の総選挙はポピュ
リズム選挙と厳しく指弾しながらも、その前の自公中心の連立政権から民主党が政権を奪還した2009年のいわゆる
政権交代選挙とその後に成立した民主党政権についてはポピュリズム選挙、あるいはポピュリズム政権とまったく批判
する様子が見られないことです。しかし、民主党政権の実態は、朝鮮人学校排除問題、外国人参政権付与法案問題、
夫婦別姓等民法改正問題、抜け穴だらけの労働者派遣法「改正」問題、官僚・法制局長官の答弁禁止問題、大企業
優遇税制非是正問題、中小企業減税見送り問題、米軍思いやり予算非是正問題、普天間問題公約違反問題などな
ど先の自民党政権に勝るとも劣らない悪政のオン・パレードでした。だから、「結局民主政権になってみたら自民と変わ
らず大失望。だから今回「他にどこもない」とますます政治に関心を失って、安倍消極支持が続いてるのだと思うのです。
何が民主党の罪かと言えば、これが一番の大罪です。民主党政権の失敗は、特に小泉内閣以降、日本が急速に戦前
回帰の憲法破壊というゴールに向かって転がりおちてる速度を、更に加速させました。今の戦後最悪の民主主義破壊
政権を固定させた立役者は民主党なのです」(Afternoon Cafe 2015/02/28)という厳しい評価もあるのです。五十嵐さ
んの論は民主党政権に無批判的でありすぎます。いまの共産党の「野党共闘」路線の影響があって民主党(いまの民
進党)を批判できないという自らつくりだしたタブーがあるからそういうことになるのでしょう。これも「左翼」的な態度と言
えないことはいうまでもありません。

五十嵐さんの論の第3の問題点は小池百合子と都民ファーストに対するアンビバレントな評価ということになるでしょう。
第1の問題点で述べた小池与党宣言と最近の都民ファースト批判の矛盾がそれに該当します。しかし、この点につい
ては第1で述べたことと重複しますのでここでは省略します。ただ、もうひとこと述べておけば最近こそ共産党は都民フ
ァースト批判を強めていますが、にもかかわらず産経新聞の最近の世論調査で共産党支持者の58・5%、実に過半
数以上が「小池氏を支持」しているという事実があることです(産経新聞 2017.6.26)。身から出た錆とはこういうことを
いうのでしょう。いまの共産党の都ファとの対決姿勢はなんのことはない都ファになびいた同党の支持者を必至で取り
戻そうとしているだけのことのように私には見えるということです。しかし、同党が小池与党化宣言をきちんと反省しな
い限りこのアンビバレントな都ファに対する姿勢は選挙結果にもマイナスに大きく影響するでしょう。


東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/ 



CML メーリングリストの案内