[CML 048794] Fwd: [軍学共同反対:564] 教職課程カリキュラム改訂の問題

りょうこ baffydct at gmail.com
2017年 6月 19日 (月) 15:38:35 JST


---------- 転送メッセージ ----------
From: <kodera at tachibana-u.ac.jp>
日付: 2017年6月19日 14:59
件名: [軍学共同反対:564] 教職課程カリキュラム改訂の問題
To: liaison_nomillitaryresearch at googlegroups.com


皆様
横地さんがML561で指摘された教職課程カリキュラム改訂の問題について補足し
ておきます。
教員養成は戦前は師範学校が行っていました。
戦後は開放性となり、全国の大学で行われています。
ただ、教員の質を保障するために、学生にどういう教育を行うか、科目が定めら
れ、その大学の担当教員がそれを教える資格があるかを文科省が認定する制度に
なっています。
それを教職課程認定制度と言います
今、その改訂が進んでいます。
2016年に教育職員免許法が改訂、今年6月にその施行規則が改訂される予定です。
さらに7月に教職課程認定基準が変わるようです。

しかし今回出されてきた教職課程コアカリキュラムは上記の3つの規則などには
入りません。
今まで、設置するべき教職科目は法的に決められていましたが、その内容は担当
教員の自由でした。
ただこの間、シラバスのチェックはなされています。
認定の際に、文科省の役人が、このシラバスでは不十分だというような『指導』
はされているようです。
しかし今回のコアカリキュラムは、文科省のほうで、各科目の目標などを決め、
この通りにやれというものです。
しかしこれは大学の「学問の自由」と矛盾します。

例えば中学高校の教科教育法の授業の目標は「学習指導要領に示された当該教科
の目標や内容を理解する」こととされています。
指導要領の内容だけでよいというわけです。
しかしこれは教科教育の立場から言ってもおかしな話です。
学習指導要領は10年ごとに変わります。
例えば高校数学では、以前の指導要領には「行列」(線形代数の一分野です)が
ありましたが、いまはありません。
30年以上務める教員が数学をどう教えるかについて学ぶ際に、今の指導要領の枠
内に限定した視野の狭いことで良いのかという問題もあります。
そもそも指導要領に対して、学問的に批判的視点を持って見ていくことも必要な
わけですが、このコアカリキュラムの思想は、お上が決めた指導要領に忠実な教
師を育てるということにほかなりません。

実は今後もっと大きな問題は出てくるかもしれません。
例えば社会科の教員になるためには社会科教育法だけではなく、社会の専門授業
の習得が必要です。
今まではその内容について文科省は一切口を出していません。とうぜんです。
しかし今回、「教職に関する科目」について縛りをかければ、この次には教職課
程の中の「教科に関する科目」にも縛りをかける可能性が出てきます。
学習指導要領では指導内容は政府統一見解に基づくようにとされています。
たとえば「竹島は日本領土」と教えなければなりません。
今後、大学の歴史の授業でも、そう教えなければ教職科目に認定されないという
ような事態が起こりかねません。
まさに「学問の自由」の侵害です。

これ以上触れませんが、コアカリキュラムを制定しても大学に押し付ける法的根
拠はありません。
しかし、実際に認定権を持つ文科省が、行政指導として学問の内容にまで口を出
してくるのです。
それを許してはならないと思います。

そのことをおさえたうえで、横地さんの指摘した件について触れておきます。
これは「教育に関する社会的、制度的、または経営的事項」を教える授業のカリ
キュラムについてです。
その(3)が「学校安全への対応」です。
その2)が下記の文です。
その2)生活安全、交通安全、災害安全の各領域や我が国の学校をとりまく新た
な安全上の課題について、安全管理および安全教育の両面から具体的な取組を理
解している。”
実はこの「我が国の学校をとりまく新たな安全上の課題」という文言は、教育学
者らのワーキンググループが作った原案には入っていません。
文科省の事務方が勝手に付け加えたものです。
その背後には、やはり安全保障の視点を入れろという圧力があったのではないで
しょうか。

学校の安全と国の問題を直結させる狙いは、この間のミサイル問題から伺われま
す。
ミサイル発射で東京の地下鉄を止めるという信じがたい対応がされました。
同様に、ミサイル発射の警報があれば、学校から子どもを避難させることを考え
ているのでしょう。
もちろん政権自体は本気でミサイルが来るとは思っていません。
もし本気でそう考えれば止めるべきは原発です。
今の事態は聞きあおりであり、相手が怖いという意識の刷り込みです。
そして一旦緩急あれば、国民全員が防御、防災を、という意識を創ること、子ど
もたちにもそういう意識を育てるとともに、まずは教員がそういう意識を身につ
けること、それを狙っているのでしょう。

君が代の強制(今後は大学にも)、教育勅語美化、道徳教科化、など教育を支配
する動きが異常に強まっています。
そういう中で、物言わぬ従順な教師づくりの動きに学問の自由の立場から異を唱
え、さらにその中に安全保障や軍事の動きが忍び込んでいることに危機感と警戒
感を持って行きたいと思います。
今後、道徳などでも『国を守る気概』が前面に出てくるかもしれません。
軍学共同の一つの側面として、文系の先生方、とりわけ教育学の方々も考えてい
ただければと思います。
小寺隆幸

*******************************
[軍学共同反対:561]より

> 既にご存じのことかもしれませんが、現在、大学における教職課程の改訂に伴
い、パブコメが募られてます。
>
> http://www.jera.jp/20170529-2/
>
> これは、相当な問題を抱えているようです。
> 下記のHP等で詳細を知ることができますので、読みにくいですが、ぜひご一読
ください。
>
> https://edu566.wixsite.com/urgent-symposium
>
> このHPの論点整理は極めて重要です。
> 中でも、
> 「““2)生活安全、交通安全、災害安全の各領域や我が国の学校をとりまく新
たな安全上の課題について、安全管理および安全教育の両面から具体的な取組を
理解している。”
> における “*我が国の学校をとりまく新たな安全上の課題について*
> ”)があるが、そうした箇所に関しては、どの立場によってなぜ付加されたの
かの説明が必要であろう。その点でも、このコアカリキュラムの導入は時期尚早
である。」
>
> これは、「大学で軍事教育、軍国教育を行えと」、言っているように読めます。
> しかもこれはワーキングでは出なかった論点であり、勝手に加わっているとの
ことです。
>
> 「愛国教育」「軍事研究」「銃剣道」が導入され、そしてついに大学で「軍国
教育」導入ですか?本当だとすれば、恐ろしい事態だと思います。
>
> 軍事研究だけの問題ではなくなってきました。
>
> どうか、パブコメにご協力ください。締切は今月25日です。
>
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> 横地 拝



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