[CML 048701] 自由法曹団 共謀罪法案の強行採決に抗議する声明

りょうこ baffydct at gmail.com
2017年 6月 16日 (金) 09:34:23 JST


自由法曹団:http://www.jlaf.jp/html/menu2/2017/20170615161739.html



http://www.jlaf.jp/html/menu2/2017/20170615161739_5.pdf
共謀罪法案の強行採決に抗議する声明
1 本日早朝、参議院本会議において共謀罪法案(組織犯罪処罰法改正案) が強行 採決され、成立した。自由法曹団は、民主主義原理を無視した与党・日本維新の会
の参議院での強行採決を糾弾する。
2 日本国憲法は、国民主権の下での議会制民主主義を採用しており、いうまでも なく日本は、民主主義国家である。
しかるに共謀罪法案の国会における審議・採決過程は、民主主義国家における立 法府のあり方に真っ向から反するものであり、民主主義国家の体をなしていなかっ
たと言わざるを得ない。 民主主義国家においては、より広い国民の意思を反映させるとともに、多数派に
よる少数派の抑圧を防止し、また、よりよい方針の構築にもつなげるため、多数派
だけではなく少数派の意見も取り入れ議論を積み重ねることが本来の姿である。 ところが、共謀罪法案の国会における審議・採決過程は、少数派の意見を全く無
視し、多数派がただ採決に猛進したものであった。衆参の法務委員会での審議で は、政府は野党議員の質問にまともに答える姿勢を放棄し、的の外れた回答を延々
と繰り返し、「一般市民は捜査の対象にもならない」など根拠のない答弁を機械的 に繰り返した。また、担当大臣が法案の内容をそもそも把握しておらず答弁できな
いなど常識的な質疑応答の体すらなしていないものであった。にもかかわらず、衆 議院法務委員会では、与党と維新の党が形式的な審議時間が経過したことのみをも
って審議を打ち切り、強行採決をし、参議院においては、法務委員会での採決すら 行わず、「中間報告」(国会法第56条の3)という緊急手段を用いて本会議を開
催して採決を強行した。このように、常識的な審議もせずに少数派を全く無視して 採決を強行したのは、もはや民主主義国家の体をなしているとは言えず、独裁国家
そのものである。 このような民主主義原理を否定する国会のあり方は、特定秘密保護法、安全保障
関連法制など安倍政権が「戦争をする国」にするために進めてきた一連の立法過程
において繰り返し現れてきたものであったが、今回の共謀罪法案の審議では、一層 ひどい形で繰り返されたと言わざるを得ない。
とりわけ、安倍政権が「森友疑惑」「加計疑惑」の責任追及を逃れるために、会 期内での法案成立を最優先して強行採決を行ったことは、政治を私物化するもので
あり、絶対に容認できるものではない。
 3 共謀罪法案は、これまでの声明・決議で述べたとおり、憲法19条、21 条、 31条に違反する法案であり、行為主義原理・罪刑法定主義という我が国の刑法体
系における根本原理を破壊し、強力な萎縮的効果の下で国民の自由な行動を大きく 制限するものである。
政府答弁からも「一般人」が共謀罪の対象になることは明らかあり、様々な市民
の運動を抑圧するために濫用されるおそれが大きい。
また、処罰対象が前倒しされ ることで、捜査機関の権限が拡大し、これまで以上に監視社会が深刻化することも
明らかである。さらに、政府が言うように、テロ対策のための国連越境組織犯罪防
止条約の締結のためには共謀罪の制定は不要であって、その必要性すらなかったも のである。
共謀罪法案に対しては、国連人権理事会プライバシーに関する権利の特別報告者
であるジョセフ・カナタチ氏が、安倍首相宛に「法律の広範な適用範囲によって、 プライバシー権に関する権利と表現の自由への過度の制限につながる可能性があ
る」と指摘する書簡が寄せられた。しかし、政府は、これに誠実に答えるどころ か、「抗議」を行い、結局、回答を行う前に強行成立させた。このことは、わが国の
国際社会における信頼を著しく損なうものにほかならない。
 4 自由法曹団は、憲法違反である共謀罪を民主主義原理を無視して強行採決・成 立させたことに強く抗議する。
同時に、その内容においても成立過程においても、一片の正当性も認められない 共謀罪の発動を許さず、同法を廃止させるために引き続き全力を尽くすことを表明
する。
2017年6月15日 自由法曹団 団長 荒井新二


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