[CML 048498] 出生前診断をどう考えるか-学生たちの意見

りょうこ baffydct at gmail.com
2017年 6月 7日 (水) 17:44:49 JST


*出生前診断をどう考えるか-学生たちの意見*
http://www.jesuitsocialcenter-tokyo.com/bulletin/no087/bu_ja873.html
デメリットのなかで第一は、その診断によって異常が見つかった場合の胎児の堕胎である。
生きる権利が障害の有無によって決定されてよいのであろうか。
そして、第二に本人や家族の社会から受ける疎外感がある。社会が障害者を認めようとしないのだ。…第三に障害の診断によって人間の価値を下げるようになってしまうのではないかということだ。
これから分かるように、出生前診断を取り巻く唯一にして最大の問題はこの社会である。…社会全体の障害者に対する意識の改革こそが、最も困難ではあるが、出生前診断のデメリットを防ぐ最大の方法ではないだろうか
診断のデメリットをゼロにする方法は、診断を受けないか、あるいは診断を受けて障害がわかっても産むことに限られるように思う。しかし、メリットがあるのも確かなことなのだから、そのメリットを尊重することも悪いことではないはずである。障害児を産むことが不幸だとする傾向が強い今の社会を変えていくには、むしろ障害をもった胎児を自然に産む人が増えることに、解決の糸口があると思う。そしてまた、そうなるためには、障害児を受け入れる社会が万全である必要がある。今この双方がまだあまりにかけ離れている。この先、双方がコミュニケーションをとって、互いの声を聞いて少しでも近づいていかなければ最終的な解決にならないことは確かである。
受精卵検査、賛成? 反対?
受精卵検査を日産婦の禁止に反して実施している医師が、処分方針を示す日産婦に「検査で流産しにくい受精卵を選び、子宮に戻してあげることは医学の良心」と反論
<https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170601-00000007-kobenext-hlth>。受精卵検査は「命の選別」との批判もありますが、あなたは、受精卵検査に賛成ですか?
反対ですか?
https://news.yahoo.co.jp/polls/domestic/29363/result
「着床前診断」報道に関する日本産科婦人科学会の声明

   日本産科婦人科学会(以下、本会)は、本会会員の根津八紘医師が、本会見解「着床前診断に関する見解」(平成10年10月施行、平成18年4月および平成22年6月改定)において「本法の実施にあたっては、所定の様式に従って本会に申請し、許可を得なければならない」と定めているにもかかわらず、本会が提示する適応例以外の例に対し無申請で施行していたことについて、その行為を決して容認しないことを言明いたします。

   生殖医療において「着床前診断」という新しい技術が登場した際、本会はその有用性とともに、安全性ならびに倫理性を十分に考慮する必要があること、および、本診断法に反対する立場からのご意見も多くあることを踏まえ、公開での討論会等を行った上で、慎重に対応を進めてまいりました。本会の「着床前診断に関する見解」についても、技術の向上や時代の流れを考慮しながら徐々に改定を加え、現在、「重篤な遺伝性疾患児を出産する可能性のある、遺伝子変異ならびに染色体異常を保因する場合に限り適用される。ただし、重篤な遺伝性疾患に加え、均衡型染色体構造異常に起因すると考えられる習慣流産(反復流産を含む)も対象とする」と定めております。また、本診断法にはヒトの胚における遺伝学的情報を扱う操作が含まれることから、実施にあたっては厚生労働省の定める「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」、ならびに日本医学会の「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」の遵守を要求しております。

   着床前診断に関する本会見解が示されて以降、着床前診断を実施しようとするすべての会員が、本会見解および上記の倫理指針とガイドラインを遵守し、対象となるクライエントについては、会員が所属する医療機関の倫理委員会の承認を受けたうえで本会へ申請する手順を守っております。本会倫理委員会では、外部委員を含む着床前診断審査委員会を定期的に開催し、一例ごとに疾患とその病態、家族情報やその疾患に対する理解、さらに遺伝カウンセリングなどの観点からも実施の適否について真摯に検討・審査し、本診断法実施の承認可否を決定しております。今回の根津医師の行為は、本会見解および上記の倫理指針とガイドラインに沿って診療を行っている他の会員の誠意ならびに本会の努力に背を向けるものであります。

   いわゆる「着床前診断」には、特定の遺伝子異常の有無を診断する「着床前遺伝子診断 (pre-implantation genetic
diagnosis; PGD)」と、染色体の数的異常や性別などを検索する「着床前遺伝子スクリーニング (pre-implantation
genetic screening;
PGS)」とがあり、本会はPGSの実施を現時点では認めておりません。今回、根津医師は、本会への申請無くPGDを行ったことに加え、PGSを実施したことも明らかにしています。PGSについては、最近のメタアナリシス(過去に発表された多数の論文の解析)で、妊娠率や生児を得られる率の向上に寄与しないことが明らかにされました。欧州ヒト生殖学会議(ESHRE)も2010年に、反復流産や着床不全、高齢女性に対するPGSの有用性を示す科学的根拠が見出されないことから、多施設共同のランダム化比較試験(RCT)が必要であるとの声明を出しています。

   近年、遺伝子を扱う技術の進歩に伴い、着床前あるいは出生前の診断に大きな変化が表れてきています。着床前診断は、この動向においても臨床介入研究であることの位置づけを良く理解し、倫理指針に基づいて適否を検討したうえで実施することが必要です。もとより、生殖医療に関わる新たな技術の臨床応用や実際の施行は、クライエントへの有益性とともに、さまざまな立場の多くの方々の意見に耳を傾け、わが国の風土と文化的背景も踏まえたうえで、慎重に進めていくべきものと認識しております。本会は今後もその立場を堅持して行く所存であります。

平成24年9月1日

公益社団法人 日本産科婦人科学会
理事長 小西郁生
倫理委員会委員長 落合和徳

知っておきたい5つの問題点

出生前診断は、妊婦全員が受けるべきものではなく、受ける受けないは本人の判断にまかされています。「医師に言われたから」「とりあえず…」
という気軽な気持ちで受けてしまうと、思わぬところで深く悩んでしまうこともあります。出生前診断には、次のような問題があることをぜひ知って、
検査を受ける・受けないの判断をしてほしいと思います。
1.結果が出るまでの精神的な負担が大きい

「母体血マーカーテスト」や「羊水検査」は結果が出るまでに、10日~2週間ほどかかります。この間の精神的ストレスはかなりのものです。本来なら、
新しい命を授かった喜びを感じたり、リラックスして過ごしたい時期に、「悪い想像ばかりしてしまって、夜も眠れなくなった」「
結果が出るまで生きた心地がしなかった」など、強い不安や恐れを抱く人もいます。
2.検査でわかる先天異常は、ごく一部

出生前診断によってわかるのは、たくさんある先天異常の中の一部に過ぎません。たとえば、母体血マーカーテストの対象となるのは、染色体の数の異常(
ダウン症、18トリソミー、13トリソミー)と二分脊椎症だけです。精密超音波検査の場合は、これらの他に、心臓や内臓、脳神経、骨格などの一部も検査できます。

しかし、その他の遺伝子の異常や、小さな外表奇形、内分泌異常、代謝異常、脳性麻痺、視覚や聴覚などは、調べることができません。
出生前検査で異常が見つからなかったからといって、赤ちゃんが正常であることは保証できません。また、障がいの多くは先天的なものではなく、後天的なものです。
生きている限り、誰でも障がいを負うリスクがあります。
3.母体血マーカーテストの精度は低い

血液検査で染色体異常の確率を調べる「トリプルマーカーテスト」や「クワトロテスト」は、母体や胎児へのリスクもなく、
費用も2~3万と、比較的受けやすい検査です。でも、あくまでもリスクが高いと思われる人を大まかにふるいにかけるための「スクリーニング検査」なので、
検査の精度は高くありません。

ダウン症を例にあげます。35歳の人がダウン症児を妊娠する確率は約1/300、また、羊水検査によって流産するリスクも約1/300です。
母体血マーカーテストでは、ダウン症の確率が、羊水検査による流産率より高ければ(1/295以上)、「スクリーニング陽性」と判定されます。陽性となった人は、
流産リスクを考慮しながら、確定診断のための羊水検査を受けるかどうかを決めます。

陽性という結果が出た人のうち、実際にダウン症児である確率は2%。つまり、リスクが高いと言われた100人のうち98人はダウン症ではあり
ません。また、ダウン症児を妊娠している人のうち87%はこの検査で陽性となりますが、残りの13%は陰性と出ます。「陰性でリスクが低い」と思っていたのに、
生まれたら染色体異常があった、というケースは多いのです。

母体血マーカーテストよりも、超音波専門医・専門技師による超音波検査で、NT(nuchaltranslucency,後頸部透瞭像)
の厚みや鼻骨、血流などを総合的に調べたほうが、ダウン症や胎児の異常の検出率は高いのです。
4.検査結果が誤っている可能性がある

羊水検査や絨毛検査は、胎児の染色体異常の診断として行われます。しかしこの検査もまた、100%正確なものではありません。0.
1~0.6%という確率で、診断を誤る可能性があります。1000人に1~6人は、誤判定があるということです。実際に、羊水検査ではダウン症・陰性だったのに、
生まれてきたらダウン症児だったケースが報告されていますし、その逆もあります。
5.医療体制がじゅうぶん整っていない

出生前診断は、ときに胎児の命や家族の運命までをも左右する非常にセンシティブな検査です。事前に検査の意味や限界などを医療者がしっかり話すことが必要で
すし、結果が出たあとには、その病気の今後の見通し、生まれてからのサポート体制、同じ病気を抱える人たちの現状、
心のケアなどが求められます。これを「遺伝カウンセリング」とよび、遺伝専門医や遺伝カウンセラーが行うことになっているのですが、
人材が圧倒的に不足しています。多くの施設では、じゅうぶんなカウンセリングを施さずに、または出来ずに、出生前診断が行われています。


中国の科学者がヒト受精卵に遺伝子操作 欧米で激しい論争に
中国の科学者がヒト受精卵に世界初の遺伝子操作──タブーを冒したこの実験について、欧米では学術誌からマスメディアまで、その是非をめぐり大論争となっている。

世界を驚愕させたその実験は今年4月に生物学・生物医学の学術誌「プロテイン&セル」に掲載された論文で明らかになった。
中国広東省にある中山大学の黄軍就副教授らの研究チームがヒト受精卵の「ゲノム編集」を行ったというのだ。ゲノム編集とは何か。
サイエンスライターの島田祥輔氏が解説する。

「ゲノムはあらゆる生物がもつ、いわば設計図です。生物の身体を料理に例えるとゲノムはレシピにあたり、そこに書かれた情報を基に生物のかたちができあがる。
ゲノム編集とは、人為的にこのレシピを書き換えることで生物のかたちを変える技術の一種です。従来の遺伝子組み換えより簡単で、成功率の高い優れた技術です」

ゲノム編集の有益性は高く、農作物の品種改良や新薬の開発、遺伝子治療など様々な分野に応用できる。
米国ではHIVに感染したヒトの体細胞からウイルスを取り除く臨床研究が始まっている。

今回の実験が問題視されたのは、世界で初めてヒト受精卵にゲノム編集を施したからだ。欧米ではタブー視される行為であり、激しい論争を巻き起こした。

なぜ、ヒト受精卵のゲノム編集は問題なのか。目や髪の色、筋肉の質や量などの遺伝的特質を人為的に操作して「設計」
された「デザイナーベビー」の誕生につながるからだ。個人のさまざまな特質や能力の元となるゲノム情報を「書き換える」ことで、「ヒト作り替え」が可能になる。

さらに問題なのは、ゲノム編集した受精卵から生まれた子供の遺伝子が永遠に受け継がれる点。これにより、
現時点でわかっていない副作用などが将来世代に及ぶリスクがある。

続きます


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