[CML 049582] 「あらかぶさん」裁判

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2017年 7月 16日 (日) 23:15:08 JST


 坂井貴司です。
 転送・転載歓迎。
  
  北九州で反原発運動をしている友人の報告を転載します。

 反原発運動が見落としてきた問題が取り上げられる裁判が行われている、とそ
の友人は言います。
 被曝労働による被害です。

(ここから)

 福島第一原発事故の収束作業に応募して、北九州市から「あらかぶさん」が働
きに行きました。現金収入をえたかったことと、原発事故の後片付けをして、福
島の人を助けたいという思いがあって作業に従事したそうです。
 ところが作業現場の放射線管理は、杜撰極まりないものでした。
 不十分な装備で高線量の放射能が漂う中で、危険な作業をしました。しかも、
多重的な下請け構造の雇用によるピンハネで「あらかぶさん」は最初提示された
金額をはるかに下回る賃金しかもらえませんでした。
 それでも2011年から2013年まで収束作業に従事しました。 
 そして、2013年12月に体調が悪化しました。翌年1月に急性骨髄性白血病と診断
されました。
 死の恐怖により、「あらかぶさん」は鬱病にもなりました。それで労災を申請
しました。2015年に二つとも労災認定されました。

 ただしこれは

「救済のためであり、原発での被曝の健康影響が証明されたわけではない」 

と厚労省はしました。

 東京電力は

「コメントする立場にない」

としました。

 「あらかぶさん」の白血病は原発事故収束作業で浴びた放射能によるものでは
ない、と厚労省はしました。東電は、我が社には無関係な事だ、と知らんぷりで
す。
  
 私を白血病と鬱病にした東京電力の責任を認めさせたい、と「あらかぶさん」
は労組として反原発運動を行ってユニオン北九州に加入して、2016年11月に東京
地裁に提訴しました。

 今日は「あらかぶさん」の裁判を支援するために「福島原発被ばく労災損害裁
判を支える会・北九州」の結成集会が行われています。

 この裁判は「あらかぶさん」個人の問題ではありません。 
 労働者が放射能に汚染されることを前提にして、原発や核燃料製造、再処理工
場が動かされ、福島第一原発事故の収束作業が行われている事実を明らかにする
のが大きな目的です。そして、廃炉作業も労働者の被曝によって行われる現実を
訴えることも視野に入れています。
  
 放射能で汚染される労働現場で働く多層的な下請け構造の中で働いた労働者の
立場から行われている裁判です。
 

 これから、被曝労働に従事する機会が増えて行きます。この裁判は未来に向け
た裁判でもあります。
 
 なおなぜ本名を公表しないかと言うのは、
 
「本名を公にすれば、妻と幼い子どもに危険が及ぶ可能性がある」

からだそうです。

 「ベースロード電源」が、何によって支えられているかがわかります。
 
  「あらかぶさん」本人の発言です。

「私は東日本大震災で被害を受けた福島の人々を助けたいと思っていました。
 その時勤めていた会社の社長から、福島で働かないか、と誘われました。同僚
は皆断りました。私は、福島の人々を助けるチャンスだと
応じました。
 初めは、竹中工務店が元請けした現場で働きました。私は三次下請けでした。
正社員でした。
 私は津波で破壊された原子炉を鉄板で覆って、水を注入して密封するシールド
ブロックという作業を行いました。
 その作業をした私には放射能防護服は支給されませんでした。普通の作業着を
着ました。
 放射能を防ぐ鉛ベストは高額(一着18万円)なため、会社は全員分用意していま
せんでした。それを着たのは、作業を監視する人と、ひどく破壊された原子炉で
作業する人だけでした。
 ところが15キロの重さがある鉛ベストを着ると、ロボットのような動きしかで
きません。これではまともな作業ができないため、鉛ベストを着ない人が大勢い
ました。
 一方で、放射能の知識がある人は自費で鉛ベストを購入しました。
 竹中工務店の放射線教育は、ひどいものでした。使ったテキストは、事故が起
こる二年前に東電が出版したものでした。『明るい未来、未来のエネルギー原子
力』という題名でした。それを読んで、作業開始でした。
 放射能の知識がなく、関心もなかった私はそんなものか、と思いました。
 次に移動した鹿島建設は大変詳しく放射能についての講習会を行いました。竹
中工務店との違いに驚きました。

 私が福島第一原発事故収束作業をやめたのは、危険手当てがピンハネされたこ
とを知ったからです。20000円もらえるはずの危険手当ては、2000円しかありませ
んでした。
 それで会社と揉めて、辞めて北九州に帰りました。
 帰ってから、カラ咳をするようになりました。ひどいだるさと微熱を感じるよ
うになりました。
 診察を受けたら、白血病だと言われました。
死ぬのではないか、と恐怖を感じながら抗ガン剤を飲む治療を受けました。幸い、
その治療は効きました。
 その一方治療による痛みを和らげるために、モルヒネなどの薬も服用しました。
その影響もあったでしょうか。精神状態が悪化しました。鬱病になりました。
 
   「白血病と鬱病になったことで、妻と幼い子どもを養うことができなくなっ
た私は、労災を申請しました。2015年10月に認められました。
 厚労省の専門家検討家検討委員会は私が従事した原発事故収束作業によって白
血病を発症し、それがもとで鬱病にもなったと判断しました。
 ところが、労災認定は救済措置によるものであって、原発事故収束作業の被曝
労働によるものではないと厚労省はしました。
 専門家検討家検討委員会は被爆が原因で発症したとしたいい、厚労省は原発事
故収束作業による被爆と私の病気には因果関係が認められない、としました。そ
して、安全管理に責任があるはずの東京電力に対しては、何もしませんでした。
 私は東京電力に責任を認めさせるために裁判を起こそうと思いました。それを
聞いた父は反対しました。

 『労災認定されたからもういいじゃないか。下手に騒ぐと労災認定を取り消さ
れるぞ』

 翌日読んだ新聞記事に私は驚きました。東京電力は、

 「今回の労災認定に関してコメントできる立場ではない」

と発表しました。

 私は東京電力を告訴する決心をしました。許せないと思ったからです。絶対に
責任を認めないのか、すみませんの一言も言わないのか、これでは同じことが繰
り返される、と。
 2016年11月22日に私は東京電力に対する損害賠償を求めて東京地裁に
提訴しました。

 私の裁判を、多くの方々が応援してくれることに驚いています。
 たくさんの人々の前で話したのは、今日が初めてです。
 皆さん、ありがとうございます」

 発言した「あらかぶさん」は、鬱病と白血病で弱っているように見えました。

 「あらかぶさん」が加入しているユニオン北九州の委員長は、

 「困難な闘いになることは、わかっていますけれど、これから増える被曝労働
者のために、『あらかぶさん』をとことん支援していきます」

と決意表明しました。

(ここまで)

 東京電力は安倍政権と経産省、厚労省官僚の全面的支援を受けて、「あらかぶ
さん」を裁判で潰すつもりです。カネに糸目をつけず、腕の立つ弁護士を集め、
研究費を与えて飼い慣らしている「原子力の専門家」を動員しています。 それ
に対して「あらかぶさん」は白血病と鬱病におかされた身体をひきずって、妻と
幼い子どもを抱えて裁判闘争を行っています。象と蟻の戦いです。国家権力をバ
ックにした巨大企業と、働くことができない身体にさせられた労働者の闘いです。
 

 「あらかぶさん」の裁判闘争は支援する必要があります。勝利の鍵は支援の輪
がどれだけ広がるかです。もし裁判で負けたら、6万人以上に達する収束・廃炉
作業労働者と多くの被爆労働者の安全・補償が守られなくなります。将来、被爆
するであろう労働者も守ることができなくなります。

 以下にアクセスして、「あらかぶさん」の闘いを支援してください。

 あらかぶさんを支える会
 https://sites.google.com/site/arakabushien/

福島原発被ばく労災 損害賠償裁判を支える会(あらかぶさんを支える会)
〒136-0071 東京都江東区亀戸7-10-1 Zビル5階 東京労働安全衛生センター気付
電話:090-6477-9358(中村)E-MAIL:info at hibakurodo.net
九州連絡先
福岡県北九州市小倉北区真鶴1−7−7 井ビル21階
ユニオン北九州気付 
電話:093-562-5712
E-mail:union-k at joy.ocn.ne.jp

カンパは以下へお願いします。

団体:3000円/1口
個人:1000円/1口(何口でも!)

【郵便振替】
口座番号:00140−1−587769
口座名称:福島原発被ばく労災損害賠償裁判を支える会

【銀行振込】
ゆうちょ銀行 店名(店番)〇一九(ゼロイチキュウ)店(019)
当座預金 口座番号:0587769

坂井貴司
福岡県
E-Mail:donko at ac.csf.ne.jp
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「郵政民営化は構造改革の本丸」(小泉純一郎前首相)
その現実がここに書かれています・
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