[CML 049521] 捕って食うスズメを飼って愛せない不思議~時代遅れの鳥獣保護法~

りょうこ baffydct at gmail.com
2017年 7月 13日 (木) 13:40:01 JST


72歳男「好きだった…」 野生のメジロを違法飼育、現行犯逮捕 大阪府警
http://www.sankei.com/west/news/151112/wst1511120052-n1.html
捕って食うスズメを飼って愛せない不思議~時代遅れの鳥獣保護法~
<https://plaza.rakuten.co.jp/jackbo/diary/200910060001/>
https://plaza.rakuten.co.jp/jackbo/diary/200910060001/

前置き〕
文鳥などの小鳥の飼い主が、野鳥を家の中に持ち込むのは避けるべきだと思っています。自然界で生きる野鳥には、家の中で生きる
飼い鳥が持たない病原菌に感染している可能性があるので、近づけない方が無難だからです。
また、私個人は自然界のことは放っておくのが基本だと信じているので、例え迷子のスズメの子に遭遇しても、その不運に同情するだけで何もしません。しかし、そういった態度を誰もが取るべきだとも思っていません。他に既に飼っているなら、そちらに感染症を及ぼさないように十分注意しながら、自分の納得するような対応をすれば良いものと思います。何しろ他人に迷惑をかけない限りは自由です。
ただ、野鳥の保護は物議を醸すことが多く、まったく部外者の私にも飛び火してくることがあるくらいなので、当事者になりそうな人は、前知識として少し考えておいた方が良いと思います。そこで、以下参考までに以前考えてみた私見を、改めて提示しておきます(法律の専門家ではないので、誤解や曲解があるかもしれないので、お手柔らかにご教示願います)。



〔問題の所在〕
巣立ち直後のスズメのヒナが、地面でウロウロしているところを見つけ、迷子になったものと見て保護する優しい人は多いかもしれません。しかし、鳥類の多くは、巣から離れた後もしばらく親鳥の保護下にあり育つものなので、実はその人としてのやさしさを示す行為が、近くにいた親鳥からヒナを引き離してしまった「余計なおせっかい」になっていた可能性もあります。何しろ、その可能性を重視した日本野鳥の会などは、「ヒナを拾わないで!!」と一般に呼びかけるキャンペーンを展開しているくらいです。
しかし、いくら注意して周囲をうかがっても親鳥は姿を現さず、ヒナは本来捕食者である人間なる生き物に対して抵抗できないほどやせ細って、今にも死んでしまいそうな状態であることも多いものです。そのような運悪く親鳥とはぐれてしまった個体は、早晩確実に死んでしまいますから、これを助けたいと思うのは、人間として当然の心情でしょう。そして、その後の看病で生命の危機を脱したスズメの子が、命の恩人に愛着を覚えて手乗り化するのも不思議な話ではなく、救った人もそうしたスズメを手放せなくなるのも、当然の成り行きだと思います。
ところが、スズメは飼ってはいけないもので、保護するとしても、将来自然に戻すことを前提にしなければならず、少なくとも行政府に許可を受けないと法律違反になる、と指摘したがる人も多く、それは一面において正しいのも事実なのです。
しかし、法律以前に、スズメを自然に戻すことが、野生生物の保護活動として意味があるでしょうか?少なくとも、
保護すべき動物だから自然に帰さなければいけないとお考えでしょうか?
もしそう思うなら、スズメが害鳥または食用とされ、毎年何万羽も捕獲されている厳然たる事実はどのように考えたら良いのでしょう?スズメについては、最近生息数が激減していると主張する研究者もいますが、人間の作り出した環境に適応して、大いに繁栄している自然界の「勝ち組」である点に変わりはなく、年に数万羽程度食べられても生息数に影響しないほどの個体数が存在しているのが現実なのです。従って、「物好き」な人間が拾い上げた一羽のヒナを飼育したところで、スズメの生息数に何の影響も与えませんし、あのような片手に収まる生き物をカゴの中で飼育したところで、誰にも迷惑はかけないのも、ほとんど自明のことのはずです。
では、*一方で数万羽殺しながら、一方で一羽の飼育を許容しないのは何故でしょうか*
。現実的・論理的思考を優先させたい私には理解しがたいところですが、法律ではそうなっているらしいのです。信じがたいではありませんか?そこで、かなり面倒ですが、改めて『鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律』、略して鳥獣保護法の条文を確認したいと思います。

〔法律の解釈〕
まず同法第八条に「鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等をしてはならない」とありますが、「第十一条第一項の規定により狩猟鳥獣の捕獲等をするとき」などは「この限りでない」ともあります。つまり、ここだけ読めば、「狩猟鳥獣」に含まれるスズメを、捕って食おうと保護して育てようと勝手と言うことになりそうです。
ところが、前提となる第十一条第一項を見ると、「規定に従って狩猟をするとき」とあり、狩猟許可を受けているか、狩猟可能区域で諸々の制約の下でのみ認められる行為となっています。従って、狩猟しても良いくらいにありふれた鳥獣でも、一般人は気軽に捕獲してはならないことになっているのです(とは言え、昭和30年代くらいまでの子供は鳥モチその他でスズメやヒヨドリなどを捕獲して焼き鳥にしていたと思われ、それを咎める大人はいなかったはずである)。
しかしながら、この規定は街中で好き勝手に狩猟を行われないようにするのが眼目であり、狩猟免許など持つはずもない一般人が、狩猟対象の鳥類を保護して愛護することなど欠片も想定していません。何しろ、同法第十九条に「許可を受けて捕獲をした鳥獣のうち、
*対象狩猟鳥獣以外*
の鳥獣を飼養しようとする者は、その者の住所地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない」とあり、「狩猟鳥獣」を飼うなどという事態そのものを初めから想定せず、あくまでも狩猟すれば絶滅の恐れのある野生動物を保護しようとしているのです。
にもかかわらず、同法第十条に「許可を受けないで鳥獣の捕獲等若しくは鳥類の卵の採取等をした・・・者に対し、(※鳥獣の保護のため必要があると認めるときは)当該違反に係る鳥獣を解放することその他の必要な措置を執るべきことを命ずることができる」とあります。従って、管轄地域の住民がスズメを飼育している事を知った地方行政の担当者が、ほんのわずかに軽率な人だと、保護など必要のない狩猟対象のスズメに対しても、この規定を適用して、飼育下にあるスズメの自然界への解き放ちを要求することにもなりかねません(実際そういう指導が行われる場合もあったようです)。
つまり、この法律では、スズメなど保護する価値もないありふれた狩猟対象の野生動物など、許可さえ受ければ煮て食おうと焼いて食おうと構わないものと扱っていながら、たんに
*条文にないので*
飼育することは出来ないと解釈されてしまっていることになります。これをおかしいと思わない人がいるとしたら、やはりその感覚の方がよほどおかしいと私は思います。
おそらく、同じ問題に対しても、融通の利く優秀な人が担当することになった場合、この狩猟対象鳥獣の飼養という法律の想定外の事態に対し、上記十条の「その他の必要な措置」を適用し、同法第九条に「学術研究の目的、鳥獣による生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害の防止の目的・・・で鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等をしようとする者は・・・
都道府県知事の許可を受けなければならない
」とあるのに準じ、登録申請の上許可するといった対応をされるのではないかと思われます(実際そういった話も聞きます)。
ようするに法律でまともに規定していないので、解釈によっていろいろと異なる対応が必要になっていると言えるでしょう。「法律にあるからスズメを飼ってはダメ」とも言い切れない曖昧さがあるわけです。
一方、ずっと最近に出来た愛護及び管理に関する法律、略して動物愛護法第四十四条には、「愛護動物に対し、みだりに給餌又は給水をやめることにより衰弱させる等の虐待を行った者は、五十万円以下の罰金に処」し、また「愛護動物を遺棄した者は、五十万円以下の罰金に処」すとあります。この『愛護動物』とは「人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの」のことなので、保護の後飼育するに至っているスズメも含まれる可能性が高いはずです。つまり、飼育した元「狩猟動物」を自然に帰せば、逆に愛護動物の遺棄として、処罰対象になる可能性も出てきます。

〔私的な感想〕
このように現状をとらえると、「野生動物であるスズメを飼うのは法律に反するのでは?」と言われたら、確かにそのようにも解釈できるので正しいと言わねばならず(条文だけで見ればこちらの解釈のほうが自然でしょう)、一方、愛着を持って育てたスズメを、生命の危険があふれる自然界に放すのは「動物愛護の精神に反するのでは?」と言われたら、それは確かにごもっともと答えるしかありません。
文鳥の飼育者である私は明らかに部外者なので、「どっちもどっちだ」
ではありますが、鳥獣保護法に狩猟対象動物の飼養に関する明確な条文がない以上は、保護して飼う人はあまり大っぴらにせず、一方注意する人もたしなめる程度にするのが適当だと思います。
本音としては、スズメの子飼いなど平安時代から行われているようなものは、生息数が危機レベルに達しない限り、放っておくしかないと思いつつ、窓の外で自然の姿を見られるスズメを飼うより、飼い鳥である文鳥を飼えば良いものを、となりますけどね・・・。



【追記】10/10
一昨日、HPの前向きな意見投稿フォームよりこの件に付きご教示を頂きました。メールアドレスがありませんでしたので、とりあえずここに御礼申し上げます。
私は、どうやら一般の人は『狩猟出来ない』という先入観を持っていたため、鳥獣保護法第十一条の「(狩猟可能区域内では)環境大臣又は都道府県知事の許可を受けないで、狩猟鳥獣の捕獲等をすることができる」を、市街地は狩猟可能区域ではない
はず
だから、一般人には無関係と軽く流してしまっていたようです。しかし、実際には狩猟禁止区域の方が限定的で、市街地でも「垣、さくその他これに類するもので囲まれた住宅の敷地内において銃器を使用しないでする狩猟鳥獣の捕獲等」は、同条において無許可狩猟が認められていました。つまり、例えば私が家の敷地内で、発見した衰弱したスズメの若鳥を拾い上げても、原始的なワナなどで捕獲しても、何の問題もないと見なせます。
そして、狩猟鳥獣の飼育については規定がないので、捕まえたスズメを愛玩動物として扱っても、それは自由と言うことになりそうです。
・・・では、なぜ結構以前から方々で大騒ぎしていたのでしょう?やはり窓口レベルで混乱しているのでしょうか。それなら、統一ルールが必要だと思うのですが、困ったものです(まだ誤解している点がありそうなので、お詳しい方はアドバイスいただければ幸いです【と言いつつ、自分には無関係な話なので乗り気ではないのですが・・・】)。

【追記】10/12
別件で狩猟時期について気づいたので(8月にヒヨドリのヒナを保護した事例)、施行規則を確認したところ、狩猟期間は「11月15日~2月15日」となっていました。
・・・となると、スズメのヒナが多く見られる春夏は、自宅敷地内でも捕獲が禁止されていると見なさねばならないと思われます。つまり、あくまでも飼育をしたい場合は、捕獲場所を狩猟可能区域、捕獲時期を狩猟期間内としなければならないことになるようです。
やはり、インターネットなどで公表はしない方が無難だと思われます。

【追記】11/6
住宅敷地内での捕獲については、第十一条の規定が優先され、狩猟期間は無関係になるようにも思われます。


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