[CML 049181] 金子恵美議員の「公用車で保育園送迎」問題視と待機児童問題を絡めてはいけない

りょうこ baffydct at gmail.com
2017年 7月 3日 (月) 11:24:52 JST


金子恵美議員の「公用車で保育園送迎」問題視と待機児童問題を絡めてはいけない

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[image: 衆議院議員 金子めぐみオフィシャルブログより]
<http://mess-y.com/wp/wp-content/uploads/2017/06/0630kaneko.jpg>

衆議院議員 金子めぐみオフィシャルブログより

6月29日発売の「週刊新潮」(新潮社)2017年7月6日号に、自民党の衆院議員で総務大臣政務官の金子恵美議員(39
)の公用車私用疑惑が報じられました。ちなみに金子議員の夫は、妻の出産直後に「ゲス不倫」が報じられ辞職に至った、元自民党衆院議員の宮崎謙介氏です。妻である金子議員は、
2016年2月に長男を出産、産休育休の後、議員復帰しました。

今回の記事によると、国会閉会翌日の6月19日、金子議員を乗せた公用車は衆議院第二議員会館の駐車スペースに停車。公用車には金子議員の長男(1
)も同乗していて、金子議員は長男と共に降車し、会館地下の認証保育所に長男を送り届け、再び公用車に乗って霞が関に向かったそうです。つまり<保育園の送り迎えに公用車を使っている>。それもこの日
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日だけじゃなく、日常的に。さらには、母親を東京駅に送り届けるのにも公用車を使った、とのこと。税金で賄われている公用車を私的使用するとは、おい何事だ、と批判されているわけです。

金子議員は6月29日早朝、ブログで今回の経緯を説明。*「*
*総務省の考えでは、『公務を行う場所と保育園が同じ』、『総務省への経路上で家族を乗せている』ため、運用ルール上問題はない」*こと、また、
*「子どもの保育所が入っている議員会館内には私の事務所があり、総務省だけでなく、こちらでも日常的に公務を行っております。また、総務省で公務を行う際にも、この会館の側を通りますことから、公務に赴く・もしくは公務を終えて宿舎に帰る道すがら、公用車に子どもを乗せたことが何度かございます」「私的な目的のために、つまり保育所の送り迎えを前提に、公用車を呼び出し使用したというような事実は一切ございません」*
と、記しています。

また、母親を公用車に乗せた話については、
*「私と夫のみでは仕事と子育ての両立が難しく、新潟から母を呼び出しておりました。私が大手町から総務省の公務に赴く際、一緒におりました母を、道すがら東京駅に降ろした形です。公私混同してはいけないという思いから強く遠慮する母に対し、足の悪い様子を見て、乗せてくださいました。勿論、母を乗せる前提で公用車を使用したわけではありません」*
。このように詳細を説明したうえで、「
*そもそも公用車に家族を同乗させてよいのかというご批判に対し、改めて自身の行為を振り返り、真摯に受け止めたいと思います」*と綴っています。

29日放送の『とくダネ!』(フジテレビ系)に出演した社会学者の古市憲寿氏(32
)は、「まったく問題ないと思っていて、これがダメだってなったら働くお母さんが政治家をやるって無理になっちゃう」と金子議員の行動に理解を示し、その一方で「ずるいって声があがるのもわかる」と、待機児童問題の解決を求めていました。

逆に、元宮崎県知事の東国原英夫氏(59)は29
日、自身のTwitterアカウントにて「総務省の公用車私用規定には問題無いのかも知れないが、問題は、一般国民や働きながら子育てされている方々から見たらどう思われるか。その洞察力・想像力・判断力が国会議員には求められる」「保育園くらい自転車で行け」「大体、たかだか
2回生の39歳の国会議員が公用車常用なんて、10年早いわ」と金子議員を批判しています。
また、30日放送の『ビビット』(TBS系)に出演した、自身も一児の親であるタレントの真鍋かをり(37
)は、「(金子議員の行動を)問題として議論されていること自体がおかしいな」「このケースで仕事の途中で保育園に送っていくことがダメだったら、もう働くお母さん誰
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人、仕事と子育て両立できないと思うんですよ」と擁護、また「自民党の中から、誰か、子育て中の議員は全力でサポートします、何がいけないんですかって誰か言って欲しかった」と訴えました

ヤフーニュースのコメント欄やTwitterにも様々な“一般国民”の意見が上がっていますが、金子議員に対して批判的なコメントにはいわゆる“待機児童問題”を絡めた論調のものが見受けられます。

「今も解決できない待機児童問題。しかも自民党議員は保育園の心配どころか税金の公用車で保育園送迎らしい」
「議員会館内にある保育所って何? 待機児童問題解決して、じゃあ我々もでしょ。議員の子供より先ず国民の子供でしょ」(原文ママ)

また、「公用車なくすのが一番いいんじゃない」「旦那が送れば?」等の声もあります。

では、金子議員は一体どうすればよかったのでしょう?
母親のことに関しては、タクシーを用意すればよかったと思います。“ついでに同乗”はいけなかったかもしれません。しかし「子どもの保育園の送り迎え」は、議員のみならず働く親にとっては基本的に、仕事とセット(祖父母などに頼める人もいるでしょうが)です。金子議員のブログによると、保育園の送り迎えは家族で分担しているけれど、夫の宮崎氏も仕事があるといいます。金子議員が保育園に送っていく場合、公用車を一切使用せず、自転車や自家用車で、自宅→保育園&議員会館→霞が関(自身の職場の総務省)のルートを自ら運転して行けば良かったということなのでしょうか。公用車を使う権利があっても、固辞すれば良かった、そうすれば批判を招くことはなかった……と。少なくとも東国原氏はそうお考えのようですね。

公用車の存在自体を批判するコメントもありましたが、一般企業でも自動車移動が必要な業務のある会社は社用車を用意しているわけで、今回の問題の本質から外れるものではないでしょうか。もちろん高級車である必要はないでしょうけど……。今回の出来事を批判する声からは、議員をことさら特別視する風潮のようなものを感じなくもなかったです。

議員会館内に保育園があること自体を批判する向きもありますが、日本は諸外国と比べて女性の政治参画が周回遅れレベルの(女性議員がものすごく少ない)国です。
2017年1月時点のデータで、日本の女性議員率はわずか13.10%。191カ国中142
位の低さで、先進国らしからぬ衝撃的な数字です。そんな日本において、議員会館内に保育施設が設けられたことは、貴重な第一歩です。ちなみに衆議院第二議員会館内の保育園(東京都認証保育所)が開設したのは
2010年9月でした。

「議員は金があるんだからシッターを雇えばいい」という声もあるかもしれませんが、では実際にシッターを雇って子育てをした場合、「国民の血税で贅沢な子育てしやがって」と批判されることもあるだろうな、とすぐ思い至ります。そもそも議員だからといって自分の子供の育児方針を強要される言われもないし、待機児童問題が解決するまで議員の子供は保育園に入っちゃいけない(一般国民のほうが優先順位が上)ということもないと思います。

とはいえ、私が今、そんな風に思えるのは、自分の子供がたまたま保育園に入れているからなのかもしれないし、実際、子供の保育園入園が決定するまでは神経を尖らせていました。子供が
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歳の頃は家で育児をしていましたが、来年保育園に入れるか否か、常に不安でした。あの不安さえなければもっと安心して赤ちゃんである時期の我が子との時間を楽しめたかもしれない、と今でも思います。待機児童問題絡みの報道が子供が、保育園に入れた親と入れなかった親との対立を煽っているんじゃないのかと憤ったこともあります。現在進行形で待機児童問題に直面している親が、ともすれば金子議員の行動をずるいと感じてしまう可能性は否定できません。でも、だからこそ今すべきなのは、金子議員をはじめとする育児中の議員たちの待遇を悪くして苦労させる……ことではありません。金子議員がしているように、子供を預けて働くことが、誰でも出来るように社会を整備していくこと。足を引っ張り合うような真似はやめましょう。

奇しくも金子議員の公用車私用疑惑記事が出たのと同じ6月29日、<保育士の約9割が「国の施策はズレている」と回答 「現場を知らず何がわかる」「20
年働いても基本給は18万円未満」>
<http://www.jiji.com/jc/article?k=000000086.000011666&g=prt>という記事を目にしました。

保育士求人サイト「FINE
!保育士」が、会員登録中の保育士と保育士希望者に実施したアンケート「国や自治体の保育士不足に対する政策について」を行ったところ、国の施策について、保育従事者の
93%が「ズレている、効果がないと思う」と回答していたそうです。また、保育士の待遇改善については、62.2%が「まったく感じない」、22.8
%が「あまり感じない」。国や自治体の保育士不足に対する政策で不満なこととしては、266
人が「賃金アップの額が少なすぎる」と回答。その一方で、「待遇が改善されたり、休みが取れやすくなったり、現場が他の職種並みに働きやすくなるとしたら『保育士は魅力がある・やりがいがある仕事だ』と思いますか?」という質問には、
65.3%が「とてもそう思う」、28.6
%が「まあまあそう思う」との回答結果が出ています。保育士という職業がもっと評価され、待遇改善を図ることで、現場の保育士たちのモチベーションも上がることが窺えます。

政府は、2020年度末までに待機児童をゼロにすることを目標にしていますが、2016年4月1日時点の全国の待機児童数は2
万人以上。保育士不足を解消しなければ待機児童は減らず、保育士の待遇改善をしっかり行わなければ保育士は増えないでしょう。今見つめなければいけないのは、イチ育児中議員の送り迎え事情をクローズアップしての政権批判ではなく、保育業界および子どもを取り巻く環境の改善なのではないでしょうか。

1 <http://mess-y.com/archives/49007> 2
中崎亜衣 <http://mess-y.com/archives/authors/ai-nakazaki>

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy <https://twitter.com/pinkmooncandy>

バナナ&ストロベリー <http://pinkchocolatecandy.hatenablog.com/>


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