[CML 046488] Fwd: [軍学共同反対:238] 民主主義科学者協会法律部会理事会声明

りょうこ baffydct at gmail.com
2017年 1月 20日 (金) 00:06:05 JST


---------- 転送メッセージ ----------
From: "TARAO Mitsunori" <tarao at cc.tuat.ac.jp>
日付: 2017/01/19 13:51
件名: [軍学共同反対:238] 民主主義科学者協会法律部会理事会声明
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軍学共同反対連絡会のみなさま

民主主義科学者協会法律部会が軍学共同に反対する理事会声明を出しましたのでお知らせします。

http://minka-japan.sakura.ne.jp/main/archives/1160


日本学術会議「安全保障と学術に関する検討委員会」への意見表明と要望

現在、日本学術会議に設置された「安全保障と学術に関する検討委員会」(以下、「検討
委員会」と略す)において、安全保障と学術のあるべき関係について学術界が採るべき考
え方に関する検討が進められている。私たち民主主義科学者協会法律部会(以下、「民科法
律部会」と略す)は、この問題について学会として検討することが「日本学術会議協力学
術研究団体」に名を連ねる研究団体としての責務と考え、検討委員会での審議の参考にし ていただきたく、ここに意見を表明する。

1 日本学術会議1950年、1967年声明の堅持について
民科法律部会は、1946 年 1 月に平和と民主主義を希求する科学者が結集した民主主義
科学者協会の法律部会として誕生し、1957 年に「すべての分野における法学研究者の研究
上の連絡、協力を促して民主主義法学の発展をはかること」を目的に掲げる規約を定めて
独立の学会として発足して、今日に至っている。
日本学術会議が 1949 年の発足に当たり表明した従来の科学者の態度への反省と科学を 「平和国家の基礎」とする決意や、1950 年や 1967
年の「戦争(軍事)目的の科学研究を 行わない」旨の声明は、本会にとっても活動上の重要な指針であり、それらは、「科学者の
行動規範」とともに今日の学術・研究の担い手が則るべき基準としての意義を有している
と考える。日本学術会議には、こうした発足時からの数次にわたる声明で示した立場を今 後とも堅持して、
人類の福祉と平和に貢献する学術の探求を率先されるよう切に求めると ともに、本会も、協力学術研究団体として、その探求に総力をあげて努めることを、ここ
にあらためて表明するものである。

2 日本国憲法の平和主義と軍事研究禁止の立場について
 「すべての分野の法学研究者」が集う本会は、科学を「平和国家の基礎」とする日本学術会議の決意が、
侵略戦争の反省の上に立って平和主義を定めた日本国憲法の理念に即し たものであることを重視する。そして、今回の検討委員会が設置された背景として、日本
国憲法の平和主義が、この間の安全保障法制の大幅な変動など国内外の政治によって大き く脅かされている状況があると認識し、その点への注意を強く喚起したい。
前文で平和主義の理念を謳い、第 9 条で戦争の放棄と一切の戦力の不保持を規定するこ とで自衛のための戦争や武力行使も否定した日本国憲法の平和主義は、1950
年代前半に、 講和条約と日米安保条約の締結、警察予備隊から保安隊を経て自衛隊の創設などを通じて
歪曲をこうむるが、それでも国民の平和憲法への強い支持を背景にして、憲法
9 条の明文 改憲は、いまなお阻止され続けている。こうして自衛のための武力行使の是非については 意見が分かれても、憲法 9
条の改正には反対するという幅広い国民合意の下で、「専守防 衛」(集団的自衛権の行使は違憲)、非核 3 原則、武器輸出禁止 3
原則などの政府方針が打ち出され、定着を見るに至った。日本学術会議の一連の声明は、科学を軍事にではなく平
和に役立てることを目指すことで、日本国憲法の平和主義に即した、それにふさわしい学
術のあり方を方向づけるものであった。
2014 年 7 月の閣議決定と、それに基づいて 2015 年に成立した安保法制による集団的自
衛権の行使容認は、自衛隊による海外での武力行使に道を開き、2014 年 4 月の武器輸出 禁止 3 原則から防衛装備移転 3
原則への変更は、防衛装備すなわち武器を海外に積極的に 輸出する方向を打ち出すに至った。これらは、これまで維持され培われてきた憲法の平和
主義の理念を大きく脅かすものと言わざるを得ない。このたびの「安全保障技術研究推進 制度」は、こうした動きの中で導入されたものとして位置づけることが重要で
ある。
この制度について、自衛のための武力行使や自衛隊の合憲性を前提にして、自衛目的に
限定して大学などの研究者が将来の防衛装備品開発に役立つ基礎研究は必要だとする議論
がみられる。しかし、武器や装備を自衛目的と攻撃・侵略目的とに区別することは甚だ困 難である。これまで法律学とりわけ憲法学が、憲法 9 条 2
項の「戦力」について自衛目 的と攻撃・侵略目的とに区別することは困難であるとして、「自衛戦力合憲」論を峻拒し てきたことや、
政府もまたこの論を退けてきたことを踏まえるならば、そうした立論は採 りがたい。くわえて、安保法制の成立によって「自衛」の観念そのものが変容し、従来の
「専守防衛」の枠を大きく踏み越えるものとなったことに鑑みれば、「自衛」目的だから
よいという議論は、乱暴の誹りを免れない。また、そのような状況の下、防衛装備移転
3 原則による武器輸出の推進が「専守防衛」の理念と大きくかけ離れようとする中で導入さ れたこの研究推進制度が、2016 年度の 6 億円から 2017
年度の 110 億円へと約 18 倍の 予算規模で概算要求され、要求どおりの金額が政府予算案に盛り込まれたことについて
は、強い警戒の念を抱かざるを得ない。

3 安全保障技術研究推進制度の問題点について
安全保障技術研究推進制度は、基礎研究を対象とするとしているが、そこで言う基礎研究は「真理探究」のためのものではなく、あくまでも軍備品のための基礎研究であり、多
くの研究者が重要と指摘している日本の基礎研究の充実とは全く異なり、むしろそれに逆
行してしまう。また、募集される研究のテーマが、理系・自然科学の特殊な分野を対象とす
るものであり、したがって、研究全体の水準の向上には貢献しないばかりか、科研費から
漏れた研究者が手を挙げて軍事研究にでも平気で手を出すようになりかねず、科学者の倫
理観を失わせてしまう。さらに、この制度では、外国人研究者を排除することになりかね
ず、研究の普遍性が損なわれると同時に、人文社会科学分野で粛々と行われている平和研
究を軽視して、政治的にも国際関係を一層悪化させかねない。
そして、この制度については、研究の自由と研究成果の公開原則との関係で重大な疑念 を持たざるを得ない。この制度において防衛省職員である
PD(ブログラムディレクター) PO(プログラムオフィサー)による研究進捗管理は、自由で自律的であるべき研究環境を保証しない。また、
この制度による研究成果について「原則公開」が謳われてはいるもの の、公開には防衛省側の事前の確認(承諾)を得ることとされ、公開原則が貫かれるのか
不確かである。さらに、研究成果が特定秘密保護法にいう「特定秘密」に指定されないか、 その保証はどのようにして確保されるのか明確でない。
2017 年度の概算要求が通れば 110 億円になるこの制度の研究資金は、科学研究予算全 体の約 20 分の 1
に当たり、その額と割合は決して小さくない。これを契機に、我が国の 科学技術政策の立案、運営において防衛省や軍事産業の発言権が拡大することも危惧され
る。こうした動きに、多くの大学関係者は戸惑いを感じており、日本の学術研究体制に大 きな混乱を引き起こすことが懸念される。
本会は、日本学術会議に対し、このような日本の平和主義と学術研究の平和理念を掘り
崩す危険な動きに対して、制度の廃止を求めるなど毅然とした態度で臨むことを強く要請
する。

2017年1月9日 民主主義科学者協会法律部会理事会


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TARAO, Mitsunori, PhD
Tokyo University of Agriculture and Technology
3-5-8 Saiwai-cho, Fuchu, Tokyo 183-8509, Japan
Phone: +81-42-367-5852
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